パンデミック
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最も致命率の高いパンデミックは、黒死病として知られる14世紀のペストのパンデミックであり、75-2000万人以上が死亡したと言われている[3][4][5][6][7][8]

語源は、ギリシア語のpand?mos (pan-「全ての」+ d?mos「人々」)である[9]。pand?mosの後ろに、17世紀ころに英語で接尾辞の「ic」をつけてpandemicという語が造語された[10]
概説

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感染症」とは、微生物が体内に侵入し、繁殖したために発生する病気のこと[11]。例えば、ウイルス細菌原虫などの病原体が人体の内部へ侵入して増殖し、その結果、発熱下痢などの症状が発生することを言う。

現在までヒトの世界でパンデミックを起こした感染症には、天然痘[12]急性灰白髄炎 (ポリオ)・麻疹風疹インフルエンザ後天性免疫不全症候群 (AIDS) などのウイルス感染症、ペスト梅毒コレラ結核発疹チフスなどの細菌感染症、原虫感染症であるマラリアなど、さまざまな病原体によるものが存在する。

AIDS・結核・マラリア・コレラなど、複数の感染症については世界的な流行が見られるパンデミックの状態にあり、毎年見られる季節性インフルエンザ(A/ソ連型・A/香港型・B型)の流行も、パンデミックが継続中と言える。

ただし、これらの感染症の中でも特に新興感染症あるいは再興感染症が集団発生するケースでは、しばしば流行規模が大きく重篤度(死亡率など)が高くなるものが見られるため、医学的に重要視されている。これらの新興(再興)感染症によるパンデミックはしばしば一般社会からも大きく注目されるため、一般に「パンデミック」と呼ぶ場合、これらのケースを指すことも多い。
定義及び用法

これには複数の立場、用法がある。

ある病気(感染症)が世界中で大流行すること
[13][注 1]

ある感染症(特に伝染病)の顕著な感染や死亡被害が著しい事態を想定した世界的な大流行[14][15][16]

感染症などとは関係なく、世界流行を指す言葉として用いられることもある。

疾患、特に感染症の流行は、その規模に応じて (1) エンデミック、(2) エピデミック、(3) パンデミックに分類される[17][18]。このうち最も規模が大きいものがパンデミックである。Influenza intervals in the CDC's Pandemic Intervals Framework
endemic エンデミック(地域流行)
特定の人々や特定の地域において、「regularly (ある程度の割合、ポツポツと)」見られる状態[19]。地域的に狭い範囲に限定され、患者数も比較的少なく、拡大のスピードも比較的遅い状態。「流行」以前の段階。風土病もエンデミックの一種にあたる。
epidemic エピデミック(流行)
特定のコミュニティ内で、特定の一時期、感染症が広がること[20]。特に突発的に規模が拡大し集団で発生することを「アウトブレイク(outbreak)」と呼ぶ。
pandemic パンデミック(汎発流行)
(さらに流行の規模が大きくなり)国境や大陸を越え、世界中で感染症が流行すること[21][22]。世界流行[23]、世界的流行とも。

世界保健機関(WHO)は、ひとつひとつの感染症のパンデミックの(その時点での)状況を6つのフェーズ(段階)に区別して分類している。→#WHOによる6つのフェーズ
ステージフェーズの判断に関係したWHO地域区分
南北アメリカ州(赤)
ヨーロッパ(紫)
アフリカ(青)
中東(黄)
東南アジア(黄緑)
西太平洋(水)

WHOは、感染症の感染力や流行の、その時々の状況に応じて、(パンデミックに至る)6つのフェーズ(phase、「段階)(≒警戒区分)に分類している。この警戒区分は、対象となる感染症の原因となる病原体の病原性の強さや、流行の程度を考慮して総合的にWHOが判断して警戒や対策の実行を呼びかけるものである。
WHOによる6つのフェーズ

WHOでは、パンデミックまでの各フェーズを以下のように切り分け、フェーズごとの公衆衛生学的な対応策を各国に求めている。: global pandemic preparedness level[24]

日本ではフェーズ3以降をさらにA(海外で発生しているが,国内では発生していない)、B(国内で発生している)に細分し、それらに適合した対応ガイドラインが設定されている[24]

なお6段階ではなく3段階に分けた用語と、6つのフェーズの関係は次の通り[24]

前パンデミック期(: Inter-Pandemic Period、パンデミック間期):フェーズ 1-2

パンデミック・アラート期(: Pandemic Alert Period、パンデミック警告期):フェーズ 3-4-5

パンデミック期(: Pandemic Period):フェーズ 6
WHOのインフルエンザ・パンデミック6段階。現在ではこの分類は使われていない。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}

WHO:2009年4月29日発表の文書に基づく警戒レベル[25][26]
フェーズ1
動物の中で循環しているウイルスがヒトにおいて感染を引き起こしたとの報告がない状態。
フェーズ2
ヒトに感染を引き起こしたことがわかっているインフルエンザウイルスが家畜または野生の動物の間で循環しており、潜在的なパンデミックの脅威であると考えられる状態。
フェーズ3
動物インフルエンザまたはヒト?動物のインフルエンザの再集合ウイルスがヒトにおいて散発例小集団集積症例が見られるが、コミュニティーレベルでのアウトブレイクを維持できるだけの十分なヒト?ヒト感染伝播を起こしていない状態。
フェーズ4
動物インフルエンザまたはヒト?動物のインフルエンザの再集合ウイルスがコミュニティーレベルのアウトブレイクを引き起こすことが確認された状態。コミュニティーでの持続的感染ができる能力を獲得したことは、パンデミックに対するリスクが高まっていることを意味する。
フェーズ5
1つのWHO地域の少なくとも2つの国でウイルスのヒト?ヒト感染拡大があることである。多くの国々はこの段階では影響を受けていなが、フェーズ5の宣言は、パンデミックが目前に迫ったものであることを示す強い警告である。
フェーズ6
フェーズ5に定義された基準に加え、WHOの異なる地域において少なくとも他の1つの国でコミュニティーレベルでのアウトブレイクがある状態。このフェーズが指定されることは、世界的なパンデミックが進行中であることを示す。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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