パンク・ロック
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ドイツのカン[† 8]などの前衛ロックや、レゲエの先鋭的なミキシング方法であるダブを採り入れた音楽は話題となり、パンクからニュー・ウェイヴへという時代の変化を印象づけた。

イギリスでは、失業者の増加と言う社会問題が下地となって、若者たちの不満、怒り、反抗、暴力性などを掬い上げたパンクが大きな社会現象となった。ジェネレーションXビリー・アイドルが在籍)などのポップなバンドも次々に生まれた。ファッション、絵画などの芸術にまでその波は広がり、髪を逆立たせ、服を破いたスタイルのロンドン・パンク・ファッションは世界中で知られた。だがパンク・ファッションはパリ・コレに登場するなどして、鋭さを失っていった。パンクのブームが去った後は、エルヴィス・コステロ、ニック・ロウ、イアン・デューリー、グラハム・パーカーらのニュー・ウェイヴの時代となった。キャリアのあるミュージシャン達によって結成されたポリスも、デビューアルバムの内容はレゲエとパンクであった。また、スペシャルズマッドネス、セレクターなどのネオ・スカバンドが人気を博した
1980年代のパンク・ロック

1978年にセックス・ピストルズは解散し、パンクの時代からニュー・ウェイヴの時代へと変化していった。しかし1980年代クラスディスチャージG.B.H.エクスプロイテッドといったネオ・パンクバンドが次々に登場し、いわゆる「ハードコア(極端)・パンクが話題となった。「アナーキー&ピース」をスローガンに掲げたクラスは、メンバーが共同生活を送るなど、反体制、アナーキズムを貫き、パンク・ロックにより過激な主張を持ち込んだ。

アメリカにおいても、1970年代後半に新しいバンドが次々と誕生、デッド・ケネディーズブラック・フラッグといった有力バンドにより、各地で新しいパンク・シーンが生まれた[8] 。アンダーグラウンド・レベルのシーンを支えた西海岸のファンジンの中には長期にわたって音楽情報提供の役割を果たしたものもある。1977年創刊のロサンゼルスの「フリップサイド」誌は、ガレージやパンク時代からのファンジンである。西海岸バークリーのカレッジラジオ局のパンク番組「マキシマム・ロックンロール」が、ファンジンを創刊する1982年には、ハードコア・パンクのリポートが掲載されるようになった。ハスカー・ドゥやバッド・ブレインズのように大手レーベルと契約するバンドが増えた。またSSTディスコード・レコードのようなインデイー・レーベルが配給を拡大した。

一方、ワシントンD.C.では「禁セックス」「禁アルコール」「禁ドラッグ」など新興宗教的な主張をしたストレート・エッジを提唱したマイナー・スレットの解散後、自主レーベル「ディスコード」のオーナーでもあったイアン・マッケイは、暴力化・様式化するハードコア・パンク・シーンに反発した音楽活動を開始した。
90年代以後のパンク詳細は「グランジ」を参照

アメリカにおけるハードコア・ムーブメントはアンダーグラウンドな動きに留まったが、その過程において各地のバンド、インディ・レーベルを結ぶネットワークも一部に見られた。そのような状況下、サウンドガーデンマッドハニーといったバンドが、シアトルのインディ・レーベルサブ・ポップより次々とデビューし、シアトルのアンダーグラウンドシーンは盛り上がりを見せる。そして、1980年代初めからニューヨークのアンダーグラウンドシーンで活躍していた ソニック・ユースが、1990年にメジャー・レーベルのゲフィン・レコードよりデビューした翌1991年にはニルヴァーナが『ネヴァーマインド』でメジャー・デビューし、全世界で3,000万枚を売り上げる大ヒットを記録し、「グランジ」が話題になった[† 9]。その後、パール・ジャムなどが次々とメジャー・デビューした。グランジはパンクとヘヴィ・メタルを合わせたような音楽性だった。

また、1990年代にアメリカ北西部のオリンピア・ポートランドを中心に、グランジ/オルタナティヴ・ロックと同時期にライオット・ガール(Riot Grrrl)といムーヴメントが起きた[9]。しかしながら、1994年にニルヴァーナのリーダーであったカート・コバーンが自殺すると、グランジがオルタナティヴ・ロックに呑み込まれる形で、グランジ・ブームは急速に終息を迎える。ポップ・パンク、メロコアは、1980年代後半にバッド・レリジョンが、ハードコア的なサウンドをよりメロディックにスピーディーにさせたスタイルを確立した。
2000年代以後のパンク

グリーン・デイやオフスプリングが大ヒットアルバムを発表した。グリーン・デイは日本では青春パンクなどとも呼ばれたが、大統領を批判したり、戦争に反対するなど、硬派な面も見せていた[† 10]
主なパンク・アーティスト
UKパンク

セックス・ピストルズ[† 11] The Sex Pistols

ダムド[10] The Damned

ザ・クラッシュ[† 12] The Clash

サブウェイ・セクト

ジェネレーションX[† 13] Generation X

ザ・ジャム[† 14] The Jam

シャム69 Sham 69

ザ・スキッズ The Skids

スージー&ザ・バンシーズ[† 15] Siouxsie & The Banshees

スティッフ・リトル・フィンガーズ Stiff Little Fingers

ストラングラーズ The Stranglers

999

バズコックス Buzzcocks

ビリー・ブラッグ

ペネトレイション

ラッツ The Ruts

リッチ・キッズ Rich Kids

ロンドンSS London SS

ワイヤー Wire

アンダートーンズThe Undertones(出身はアイルランド

ヴァイブレーターズ The Vibrators

Xレイ・スペックス X-Ray Spex

オルタナティブTV

クラス Crass

USパンク

パティ・スミス Patti Smith

テレヴィジョン Television[† 16]

ラモーンズ Ramones

ブロンディ Blondie

ジョニー・サンダース Johnny Thunders

トーキング・ヘッズ Talking Heads

リチャード・ヘル Richard Hell

ウェイン・カウンティ Wayne County

ハートブレイカーズ Heartbreakers

ディクテイターズ The Dictators

ディーヴォ Devo

デッド・ボーイズ Dead Boys

スーサイド Suicide

ロケット・フロム・ザ・トゥームズ Rocket from the tombs

フレッシュトーンズ Fleshtones


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