パワー・オブ・ザ・ドッグ
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しかし、この映画のエンディングが齎すゆっくりとした噛みつきは、見る者に十分な傷跡を残すことには変わりない。」と表現し、映画の鋭さを賞賛した[19]

ザ・テレグラフ』のロビー・コリン(英語版)は、映画に満点となる5つ星を与え、「しばしば見るのが辛くなる作品だが、カンピオンと一様に優れたキャスト陣によって、我々の前で繰り広げられているものは正確には何なのか、この儀式がどこに行き着くのかという、観客のひりひりする様な絶え間ない好奇心を呼び起こし、その不快感を和らげている。」と評し[20]、『ハリウッド・レポーター』のデヴィッド・ルーニーは、「憂鬱、孤独、苦痛、嫉妬、恨みなどが、音として響き渡り、作品の淡々としたリズムが刻々と変化していく、絶妙に作られた映画だ。カンピオンは素材を完全に操り、登場人物がそれぞれ持つ激動する内面を、確かな繊細さで深く掘り下げている。」と評した[21]

ヴァルチャー』のビルゲ・エビリ(英語版)は、「カンピオンは、サヴェージのシンプルな文体を、自身の控えめなストーリーテリングで再現しており、同時に、原作が持つ時代遅れなフロイト的発想を、現代に説得力ある形にするよう、上手く切り抜ける。」と原作と比較した上で賞賛した[22]

一方で、『バラエティ』のオーウェン・グレイバーマンは、カンバーバッチの演技やカンピオンのこれまでのキャリアを賞賛した上で、「本来は全てゆっくりと、無理なく、そして力強く、感情を高めていくべき作品なのだが、本質的には、三角関係の駆け引きにおいて、整然とされ古風なタイプの映画である『パワー・オブ・ザ・ドッグ』には、もっと痛烈なカタルシスが必要だった。」とし、「肝心のラストで斜に構えすぎている。」と指摘した[23]
受賞・ノミネート

賞日付部門対象結果出典
ヴェネツィア国際映画祭2021年9月11日金獅子賞ジェーン・カンピオンノミネート[3][24]
銀獅子賞 (監督賞)受賞
クィア獅子賞ノミネート
トロント国際映画祭2021年9月18日観客賞ジェーン・カンピオン次点3位[25]
ニューヨーク映画批評家協会賞2021年12月3日監督賞ジェーン・カンピオン受賞[26]
主演男優賞ベネディクト・カンバーバッチ受賞
助演男優賞コディ・スミット=マクフィー受賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞2021年12月18日作品賞『パワー・オブ・ザ・ドッグ』次点[27]
監督賞ジェーン・カンピオン受賞
主演男優賞ベネディクト・カンバーバッチ次点


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