2020年1月31日にEUを正式離脱したイギリスであるが[134]、離脱以前の2014年10月にイギリスは現行著作権法である1988年著作権、意匠及び特許法
(英語版) (Copyright, Designs and Patents Act 1988、略称: CDPA) を改正し、第30A条でカリカチュア、パロディ、パスティーシュの3点を著作権侵害の例外 (フェアディーリング(英語版)) に追加したことで、EUの2001年情報社会指令の規定に沿った形となった[7][135]。ただし第30A条の新設以前から、一般的な著作権侵害で提訴された被告がパロディを主張して抗弁するケースは存在していた[7]。歴史的にみると、日本でも江戸時代の狂歌や[19]、戦争中の軍歌の替え歌パロディなど[140]、パロディ創作は古くから行われていた。そして高度経済成長期 (1960年から1973年頃[141]) に入ると著作物の模倣が横行した[142]。その反動で著作者側の権利保護意識が極度に高まったことが、日本でのパロディ創作を困難にした要因であるとの指摘もある[142]。
また商標法についても、日本ではパロディ許容が消極的であり、パロディ商標は出願されても実際には登録却下される事例が多いと言われている[85]。パロディ商標が認められなかった一例については「面白い恋人#販売差止訴訟」を参照
日本の著作権法上でパロディの取扱規定が存在しない問題は、少なくとも2007年(平成19年)ごろには公的に議論されるようになり[143][144]、引用の要件を定めた第32条にパロディを加える案や、米国のフェアユースに類似する一般規定を設ける案などが検討されたものの、判例数の少ない日本における法改正は困難との見通しも示されている[144]。
2012年 (平成24年) には著作権を管轄する文化庁の下、法制問題小委員会にパロディワーキンググループが設置され[85]、インターネット上で共有される二次創作などを念頭に、パロディ目的の利用緩和に向けた法改正が協議されることとなった[145]。すでに2007年 - 2008年のワーキンググループ調査報告書では、パロディが共有されるプラットフォームとしてYouTubeやニコニコ動画といったサービス名が挙げられており、具体的な法整備の必要性が議論された[144]。しかしながら2020年時点で、パロディに関する著作権法の改正は実現に至っていない。
このような情勢下で、日本の著作権法が唯一寛容なのが、コミックマーケットを代表とする同人誌即売会などで行われる同人誌販売である。