パリ
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承認手続に関しては、パリ議会が審議したうえ、毎年その予算および決算を承認する必要がある[26] (この予算は国家によって決められたものである)。パリ市長はこれ以降、生活安全分野に関する限り、たとえ警視総監の手中にある権限に関するものであっても関与することになった。

パリの議会の活動は、パリ市が資本を保有する会社の仲介人やパリの混合経済会社(SEM)によっても実現される。
他のコミューンとの連携の不存在

ほかの主要都市とは異なり、パリとその郊外のコミューンとの間、≪ 大パリ ≫ 内には、固有の予算をともなうコミューン間の連携が存在しない。もっとも、パリとその郊外のとの間では、下水道組合(SIAAP, Syndicat interdepartemental pour l’assainissement de l’agglomeration parisienne)の再編を行った。また、イル=ド=フランス交通組合(STIF)は、イル=ド=フランス地域圏の公共機関であり、パリとその郊外の総合的な交通網整備を行う組織である。

ほかの国際的な大都市と異なり、おおよそ環状のペリフェリックで区切られる中心市街のみを範囲とするパリの街については、その実際的な範囲を明確にする必要がある。上述各城壁の変遷で見るように歴史的かつ政治的な配慮が障害となって、≪ 大パリ ≫ を管理する行政機関が存在しないことは、パリ都市圏の現在の主要な問題のひとつである[27]

現在のパリの領域は、上述概要の項で指摘されているように日本の山手線内よりやや広い程度である。その市域の境界線は歴史的で時代錯誤な経緯の産物、あるいは現在はパリ都市圏に取り込まれ、消えてしまった地形に適合していたにすぎないものであるにもかかわらず、市域の内外を問わず、パリ都市圏の人々には共通の行政的需要ならびに経済的・社会的関心がある。ところが、各コミューンは行政的・税制的に独立しており、コミューンや県の枠を超えて存在する集団的需要(交通や住宅など)に関する組織については、都市圏規模のまとめ役となる機構が存在しない。イル=ド=フランス地域圏となると、地域の約80パーセントに農村部が残っており、パリ都市圏のための枠としては大き過ぎ、≪ 大パリ ≫ たるパリ都市圏内の適切な連携に適っていない現状がある。
市長
歴代市長
詳細は「fr:Liste des maires de Paris
」および「fr:Prefet de Paris」を参照

初代市長はジャン=シルヴァン・バイイ(在任:1789年7月15日 - 1791年11月18日)。

1795年 - 1848年2月革命まで、12の区に分割され各区にConseil municipal(議会)が置かれ自治が行われたため、パリ市長は置かれなくなった。1795年 - 1977年の間、わずかな例外(2月革命後の4人の市長)を除いて市長は置かれず、各区のConseil municipalの議長が実質上は市長のような務めを果たした[28]。1977年以降は「パリ市長」がパリ県知事(Prefet)とコミューンの首長の性格を併せ持っていた。2019年に県とコミューンを統合した特別自治体「パリ市」が誕生したため、パリ市長はその首長となった。

歴代市長-氏名就任離任政党補記(他の資格 等)
-ジャック・シラク1977年3月20日1995年5月16日共和国連合国民議会議員
-ジャン・チベリ1995年5月22日2001年3月24日共和国連合国民議会議員
-ベルトラン・ドラノエ2001年3月25日2014年4月5日社会党元老院議員
-アンヌ・イダルゴ2014年4月5日現職社会党初の女性パリ市長

財政
予算と税収

2011年の当初予算(街および県としてのもの)は約85億8,200万ユーロで、うち69億600万ユーロが行政活動に、16億7,600万ユーロが投資に充てられている[29]。債務残高は約26億9,600万ユーロである。2008年の県債は266億ユーロにのぼる[30]
司法機関
司法裁判所系統

パリ大審裁判所シテ島パレ・ド・ジュスティス (パリ)に置かれている。この裁判所は、フランスの大部分の訴訟事件を取り扱う巨大司法機関である[31]。各区には小審裁判所が置かれている。

パリ商事裁判所は、やはりシテ島(コルス河岸)に置かれている。パリ違警罪裁判所は19区(rue de Cambrai)、パリ労働審判所は10区(rue Louis-Blanc)にそれぞれ置かれている。

パリのみを管轄する裁判所以外に、複数の県を管轄するパリ控訴院もパレ・ド・ジュスティスに置かれている。その管轄は、セーヌ=エ=マルヌ県エソンヌ県セーヌ=サン=ドニ県ヴァル=ド=マルヌ県ヨンヌ県である。パリ控訴院の管轄区域には、フランス全人口の12.6パーセントが暮らしている[32]。なお、ほかのイル=ド=フランス地域圏内の各県およびウール=エ=ロワール県は、ヴェルサイユ控訴院の管轄となる[33]
行政裁判所系統

パリは、4区所在のパリ地方行政裁判所の管轄に属する。控訴は、パリ行政控訴院に対して行うことになる(ほかに、マタ・ウトゥムランヌーヴェル・カレドニーフランス領ポリネシアの各地方行政裁判所からの控訴を受ける)。
最高裁判所及び憲法裁判所

パリ(1区)には、司法と行政それぞれの最高裁判所である破毀院国務院(コンセイユ・デタ) に加え、憲法評議会(英語版)(憲法院)も置かれている。


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