4年前に妻子を捨てて失踪した兄のトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)がテキサスの砂漠で行き倒れていたという連絡を受けたウォルト(ディーン・ストックウェル)は、目を離すと逃げ出そうとするトラヴィスに手を焼きながら、レンタカーで妻とトラヴィスの息子が待つカリフォルニア州ロサンゼルスへと向かう。当初、全く喋らなかったトラヴィスだが、やがて自分がテキサス州のパリスへ行こうとしていたことを明かす。トラヴィスによると、パリスは彼らの両親が初めて交わった土地であり、それ故トラヴィスはパリスに土地を買ってあるのだという。
ロサンゼルスで息子のハンター(ハンター・カーソン)と再会したトラヴィスは、ある日、ウォルトの妻で義理の妹に当たるアン(オーロール・クレマン)から、ヒューストンにいる妻のジェーン(ナスターシャ・キンスキー)からハンター宛に月に一度、決まって送金があることを教えられる。トラヴィスは中古車を買い、ハンターとともにヒューストンへ向かう。ヒューストンでジェーンと再会したトラヴィスは、放浪の旅に出た理由をジェーンに告白する。再び心が通じた二人。しかしトラヴィスはジェーンに息子を託して再び旅に出る。 クレジット順[6]
スタッフ
製作総指揮 : アナトール・ドーマン
プロデューサー : クリス・ジーヴァーニヒ、ドン・ゲスト
監督 : ヴィム・ヴェンダース
脚本 : L・M・キット・カーソン、サム・シェパード
原作・脚色 : サム・シェパード
翻案 : L・M・キット・カーソン
撮影 : ロビー・ミューラー
編集 : ペーター・プルツィゴッダ
音楽 : ライ・クーダー
キャスト
ハリー・ディーン・スタントン - トラヴィス・ヘンダースン
サム・ベリー
ヴェンダースがロケハンの時に撮影した写真をまとめた風景写真集。2015年には、ヴェンダースが2001年にパリスを再訪した時に撮影した写真を追加した改訂版が、アメリカのD.A.P.社から出版されている。
『モーテル・クロニクルズ』、著サム・シェパード、訳畑中佳樹、ちくま文庫、筑摩書房、1990年6月 ISBN 448002445X
学術的参考文献
塚田幸光「ナショナル/ファミリー・ポートレイト - 『パリ、テキサス』とロード・ムーヴィの政治学」、杉野健太郎編『映画のなかの社会/社会のなかの映画』(映画学叢書[監修加藤幹郎]、ミネルヴァ書房、2011年)所収。
註^ “Paris, Texas”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2012年4月10日閲覧。
^ 『ヴィム・ヴェンダース』、監修樋口泰人、カルチュア・パブリッシャーズ、1997年 ISBN 487295002X、p.82.
^ L.M. Kit Carson - Biography, Internet Movie Database (英語), 2010年4月17日閲覧。
^ 『ヴィム・ヴェンダース』、p.118.