パラレルワールド
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その理由として、2つのジャンルはいずれも「あり得るかもしれない世界」を描くことを目指しており、それがSF作家の「究極の夢」だからだと主張する[1]。また、ファンタジー小説の中にも現実を含んだ世界で仮説を述べるというパラレルワールドを扱った小説が登場してきており、認知心理学者の下條信輔は、ファンタジーの基本枠組みそのものとしてパラレルワールドという概念が受容されていると述べている[2]
タイムトラベルとパラレルワールド詳細は「タイムトラベル#タイムパラドックスと矛盾」を参照

タイムトラベルを扱ったフィクションにおいて、タイムパラドックスの解決法としてパラレルワールドが用いられる場合がある。すなわち、タイムトラベルで行き着いた先は実際は現実に酷似したパラレルワールドであり、どの時間軸で歴史を変えようとしても自分がいた元の世界には影響しない。物理学者のデイヴィッド・ドイッチュは、多世界解釈と絡めてパラドックスを解決するモデルを提唱した[3]
パラレルワールドは実在するのか

パラレルワールドはSFでよく知られた概念であるだけでなく、実際に物理学(量子力学)の世界でも理論的な可能性が語られている。例えば、量子力学多世界解釈や「ゼロ・ポイント・フィールド」仮説、宇宙論の「ベビーユニバース」仮説などである。

ヒストリーチャンネルの「ザ・ユニバース?宇宙の歴史?#34」などでも取り上げられ、理論物理学者、ミチオ・カクらによって解説されている[4]

ただし、多世界解釈においては、パラレルワールド(他の世界)を我々が観測することは不可能でありその存在を否定することも肯定することも出来ないことで、懐疑的な意見も存在する[5]

理論的根拠を超弦理論の複数あるヴァージョンの一つ一つに求める考え方も生まれてきている。現在の宇宙は主に正物質、陽子電子などで構成されているが、反陽子陽電子などの反物質の存在が微量確認されている。この物質の不均衡は、ビッグバンによって正物質と反物質がほぼ同数出現し、相互に反応してほとんどの物質は消滅したが、正物質と反物質との間に微妙な量のゆらぎがあり、正物質の方がわずかに多かったため、その残りがこの宇宙を構成する物質となり、そのため現在の既知宇宙はほぼ全ての天体が正物質で構成されているのだと説明されている。ビッグバンの過程において、この宇宙以外にも他の宇宙が無数に泡のごとく生じており、他の並行宇宙では、逆に反物質のみから構成される世界が存在するのではないかという仮説も提示されている。
脚注^ a b 野阿梓 ⇒「SF、ある幻実世界」 文藝1994年冬号
^ルネッサンス・ジェネレーション '09 「パラレルワールド!」プログラムリポート - 金沢工業大学
^タイムパラドックスを回避する方法 - Wired.jp(2010年7月29日).2013年12月15日閲覧。
^ 『パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ』(ミチオ・カク著) ISBN 978-4140810866
^ 佐藤勝彦『「量子論」を楽しむ本』PHP文庫、2000年4月 ISBN 978-4569573908

関連項目

代替宇宙
(英語版)

フィクションにおけるパラレルワールド(英語版)

多世界解釈

可能世界論

歴史改変SF - ディストピアポリティカル・フィクション

反地球


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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