パラシュート
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1922年10月20日アメリカ陸軍航空隊のテストパイロット、ハロルド・ロス・ハリス(英語版)中尉のローニング(英語版)戦闘機がオハイオ州上空で補助翼の急激な操作により空中分解を起こした。高度 800 m で空中に投げだされた中尉はアービング式手動開傘式パラシュートで無事に生還し、これがアメリカ初のパラシュートによる非常脱出、世界初の重航空機からのパラシュート脱出となった。当時、各国のパイロット達はパラシュートの携行を嫌っていたが、この事故をきっかけに認識が変わり、翌年にはアメリカ陸軍航空隊において飛行機に搭乗する際のパラシュートの携行が義務付けられた。なお、日本でのパラシュートでの降下第一号は、空中分解事故で1928年6月に三菱1MF2試作機から脱出した中尾純利である。
種類

Round

Cruciform

Pull-down apex

Annular

ロガロ翼
(英語版)

Ribbon and Ring

Ram-air(楕円形・方形)

パラグライダー


一覧
ロシア、旧共産圏


PD-47 - ソビエト連邦が第二次世界大戦で使用した。

D-6 (パラシュート) - ロシア製の軍用パラシュート

D-10 (パラシュート)(ロシア語版) - 90年代後半にロシアの空挺部隊によって採用された。

Д-12 ≪Листик≫

Арбалет-2(ロシア語版) - ロシアの特別偵察部隊が使用するパラシュートシステム

D-1-5u (パラシュート)(ロシア語版) - ロシアの訓練用パラシュートで、実戦用より大きく作られている。

Стайер - 特殊部隊で使用する北極圏でも使用可能なパラシュート

アメリカなど


T-5、T-7 - 第二次世界大戦で使用され、中国軍でも使用された。

T-10 (パラシュート)(英語版) - 米軍で1955年以来使用されているパラシュート。カナダでは、微調整したCT-1が使用されている。

T-11 (パラシュート)(英語版) - T-10を更新する目的で開発され、2008年から配備が始められた。方形の傘体を採用。降下速度がT-10の7.3 m/s から 5.8 m/sと低下し使用する兵士が怪我しにくいようになっている。

MC-6 (パラシュート)(英語版) - 米軍特殊部隊が使用する。

FS-14パラシュート - アメリカの山火事現場に急行するスモークジャンパー(英語版)が使用する。

British X-type troop parachute - 第二次世界大戦でイギリスが使用した。

フランス


696MI (パラシュート)

日本


60式空挺傘

13式空挺傘

自由降下傘

技術
降下


自由降下

高高度降下低高度開傘(英: High Altitude Low Opening, HALO)

高高度降下高高度開傘(英: High Altitude High Opening, HAHO)


着地方法


五点接地

代表的な使用
代表的な使用者


各国の空挺軍、空挺部隊、落下傘部隊

ロシア空挺軍 - 積雪や泥濘の影響を受けやすく、道路事情が悪い国柄から、多数の兵士、戦車や自走砲などが空挺輸送できるようになっている。

中国人民解放軍空軍空降兵

第18空挺軍団 (アメリカ軍)

特殊空挺部隊 - イギリス

第1空挺団 (陸上自衛隊)

空の神兵 - 日本

第1空挺師団 (ドイツ連邦陸軍)

降下猟兵 - ドイツ

空挺コマンドーグループ (フランス軍)

第6落下傘軽歩兵旅団 - スペイン

等々
軍での使用のバリエーション


射出座席

エアボーン空中投下高高度降下低高度開傘

マーケット・ガーデン作戦

遠すぎた橋


バリュート - パラシュートとバルーンを組み合わせた造語

Joint Precision Airdrop System(英語版)

Military Free Fall Parachute System(英語版)

消防での使用


スモークジャンパー(英語版) - 森林火災時に、道路整備されていないエリアに早急に到着して火が燃え広がらないように、防火帯などの工作を行う。

民間機での使用


緊急着陸用パラシュート - 超軽量飛行機が操縦不能になったときにパイロットが作動させる。

スポーツ


ベースジャンピングスカイダイビングスカイサーフィン

記録への挑戦


プロジェクト・エクセルシオ - パラシュート降下の高度記録を樹立。

パラシュートが使用された事件・逸話


D.B.クーパー事件 - ハイジャック犯はパラシュートにより飛行機から脱出した。

フィリピン航空812便ハイジャック事件- 2000年5月25日、航空機がハイジャックされ、金品を奪った犯人は手製のパラシュートを使い脱出したものの、パラシュートを開くことができず着地に失敗し墜落死。乗員は全員無事であった[2]

ビーバー降下作戦アメリカビーバーが入植地において邪魔であったため、パラシュートで空中投下して輸送された。

関連法律

航空法第90条 - 国土交通大臣の許可を受けた者でなければ、航空機から落下さんで降下してはならない。

制限表面 - 飛行場とその周辺など、制限表面に指定された場所ではパラシュート落下などの空中障害物を設置できない。

戦時国際法、パラシュートへの攻撃(英語版) - 撃墜された航空機から脱出する兵士を攻撃することは禁止されている。その理由として、敵勢力圏内に着地した場合は捕虜となるしかないためである。これは脱出する兵士に限った話であり、降下中の空挺部隊に対する攻撃は認められている。

その他

10月22日 - パラシュートの日。1797年10月22日、フランス人発明家ガルネランがパリ市郊外のモンソー公園で、高度約 1,000mを遊覧していた気球から円形パラシュートで降下し無事着陸したことから[3][4]

キャタピラークラブ(英語版) - 壊れた航空機からパラシュートで脱出して生還した人が会員として登録される。キャタピラーはパラシュートに使う絹を生み出す蚕から。

アブラアム=ルイ・ブレゲ - 懐中時計の耐衝撃機構を発明し、「パラシュート」と命名した。

比喩


落下傘候補

ゴールデンパラシュート - 会社買収時に役員の退職金を高額にする契約による買収対抗策。

従業員の場合は、ティンパラシュートという


出典[脚注の使い方]^ 陸上自衛隊 第1空挺団 on X: "【与那国駐屯地 自由降下訓練】第1空挺団 は、9月18日から24日までの間、沖縄県与那国島において、CH-47(第1ヘリコプター団)からの自由降下訓練を実施しました"
^ agencies, Staff and (2000年5月25日). “Passenger jet hijacker escapes via parachute” (英語). the Guardian. 2022年7月13日閲覧。
^ “BS朝日 - 週刊記念日?この日何の日?”. archives.bs-asahi.co.jp. 2022年7月13日閲覧。
^ 渡邉雅仁, 越智徳昌「パラシュートの歴史と最新の研究動向について」『日本航空宇宙学会誌』第57巻第670号、日本航空宇宙学会、2009年11月、313-318頁、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}CRID 1390564238085574144、doi:10.14822/kjsass.57.670_313、ISSN 00214663。


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