パラオ
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アメリカはミクロネシア地域には動物園政策をとり、教育や福祉健康には援助を行ったが、日本とは違い産業開発にはほとんど投資を行わなかった[10]

アメリカ統治の開始にともない、今度はアメリカ英語による教育が住民に対して行われるようになった。パラオ住民は一部かつ英語によるものではあるものの、引き続き高等教育も受けることが出来るようになった反面、上記のように日本と違い産業開発は行われず、経済はアメリカの援助に依存し、パラオ人は農業などの肉体労働に就くのを嫌がるようになり、かつてアメリカの植民地支配下にあったフィリピンからの出稼ぎ労働者が担うようになった。

食料がアメリカによって豊富に供給されたことにより、蛋白源が伝統的な魚介類から輸入肉製品中心となり、肥満の問題も発生している。また、高等教育を受けた若者は、アメリカの教育の影響を受けて統治国のアメリカやグアムでの就職を希望する者が多く、パラオの人口動態は流動的なものとなって把握が難しくなった。アメリカによる教育の「成果」は、後述するパラオ憲法の非核条項をめぐるコンパクトの国民投票において、アメリカ側の軍事的利益に反する結果をたびたび出したことにも現れている。
独立への動き

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1979年7月には、アメリカによる核兵器の持ち込みを禁止した「非核憲法」を住民投票で可決したが、アメリカの意向を受けた信託統治領高等裁判所が無効を宣言した。10月、非核条項を緩和した憲法草案で再び住民投票を行ったが、今度は否決された。しかし1980年7月に、1年前と同じ内容(修正前)の草案での住民投票で可決された。

1981年に、自治政府の「パラオ共和国」を発足させ、憲法を発布した。翌1982年に、内政・外交権はパラオが、安全保障はアメリカ合衆国が担うものとし、アメリカ軍が駐留することになった。その見返りとしてアメリカが財政援助をする自由連合盟約(コンパクト)の内容に関して両政府が合意した。だが翌年行われた住民投票でコンパクトは否決され、これ以降、1990年まで都合7回の住民投票が行われたが全て否決された。
独立

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1990年代初頭の冷戦終結を受けて、アメリカにとってパラオの利用価値がなくなった後の1992年に行われた住民投票で、憲法内の非核条項をアメリカとの自由連合協定においてのみ凍結することが決まり、コンパクト承認のための住民投票の可決条件を緩和(75%から50%へ)する憲法改正のための住民投票が行われ、これが可決された。また、同時に行われた大統領選挙でクニオ・ナカムラが当選した。

1993年には、緩和された可決条件の下、8回目の住民投票でアメリカ合衆国とのコンパクトが承認された。これにより、1994年10月1日に、コンパクトによる自由連合盟約国として独立し、国連による信託統治が終了した。同年に国際連合へも加盟した。信託統治領としては最後の独立となる。

現在でもパラオ国会では日系の政治家が強い影響力を持つなど、日本と歴史的に密接な繋がりを持つ国である。
地理パラオの地図パラオの地図 (2)ロックアイランド

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パラオを構成する島は386であるが、実際に人が住んでいる島は9つのみである[19]。首都マルキョクやロマン・トメトゥチェル国際空港のあるバベルダオブ島と旧首都のあるコロール島とは橋で結ばれている。コロール島ペリリュー島の間にあるロックアイランドは、2012年7月に世界遺産に登録された。
地方行政区分詳細は「パラオの地方行政区画」を参照

パラオは、16の行政区域に分かれている。

アイメリーク州 (Aimeliik)

アイライ州 (Airai)

アンガウル州 (Angaur)

ハトホベイ州 (Hatohobei)

カヤンゲル州 (Kayangel)

コロール州 (Koror)

マルキョク州 (Melekeok)

ガラルド州 (Ngaraard)

アルコロン州 (Ngarchelong)

ガラツマオ州 (Ngardmau)

ガスパン州 (Ngatpang)

エサール州 (Ngchesar)

アルモノグイ州 (Ngeremlengui)

オギワル州 (Ngiwal)

ペリリュー州 (Peleliu)

ソンソロール州 (Sonsorol)

州内の自治は州政府(州知事が首長)によっておこなわれるが、伝統的な酋長制度も並存している。パラオには州単位の酋長で構成される酋長協議会がある。
気候

全域が熱帯雨林気候(Af)であり、年平均気温は27℃と温暖である。また、スコールなど通年で雨が多いが、特に7月と10月の雨量が多い。年間雨量は3,800mmになり、平均湿度は82%である。台風の襲来はほぼない。
標準時

全土でパラオ時間 (Palau Time, PWT) が施行されている。UTC+9で、日本標準時 (JST) との間に時差はない。
政治詳細は「パラオの政治(英語版)」を参照

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パラオは任期4年の大統領制をとり、議会は二院制の国民議会(下院16名、上院13名。任期4年)である[20]。独立時にアメリカ合衆国と自由連合盟約を締結しており、安全保障並びに外交上の権限の一部をアメリカ合衆国が保持している。そのため自国軍隊は保持していない。また、この盟約に基づき一部のパラオ国民はアメリカ軍人として採用されている。

今日の政治課題として、アメリカの経済援助が2025年に終了することによる財政の自立化や、世界に広まったCOVID-19以降減少した観光客の誘致などが挙げられている。

2023年、世界銀行は太平洋諸国の過剰債務のリスクを検討。他国が2019年以降、COVID-19対策で政府支出を拡大して債務を増やす中、パラオの債務に関しては持続可能という判断を示した[21]
国際関係詳細は「パラオの国際関係(英語版)」を参照
日本との関係「日本とパラオの関係」も参照

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2003年現在、日本や台湾中華民国)、アメリカ、フィリピンを含む29ヶ国と外交関係を樹立しているが、その中でも旧統治国である日本やアメリカとの関係を重視している。中華民国と対立関係にある中華人民共和国とは国交がない。

1996年に崩落した韓国企業建設のKBブリッジの再建を始めとした多くの援助が日本によってなされているなど、パラオと日本の関係は国際連盟の委任統治時代以降も深い。


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