イギリスで一般に私立学校は国営でないという意味で「インデペンデント・スクール(独立校)」と呼ばれる。また中等教育と高等教育を専門とするパブリックスクールに対して、12歳以下の初等教育を専門とする私立学校はパブリックスクールに入学の準備をする学校という意味で「プレパラトリー・スクール(略称プレップ・スクール、予備学校)」と呼ばれる。
近年では、膨大な学費を課し、普通の大学よりも優れた施設を有し、一部の金持ちの子弟の教育施設に過ぎない学校を非営利団体として非課税対象に含めることに対する批判の声が高まっており、これを受けてイギリス政府は、優秀でも経済的に恵まれない子供を奨学金などで入学させないと「非営利」団体の認可、ひいては非課税の権利を剥奪するとして圧力をかけている。
変遷イートン校
ウェストミンスター・スクール、ウィンチェスター・カレッジ、イートン・カレッジ、ハーロー校、ラグビースクール、マーチャント・テイラーズ・スクール、セント・ポールズ・スクール、シュルーズベリー校、チャーターハウス・スクールの9校が「ザ・ナイン」と呼ばれる代表的な名門校である。
更に新世代のパブリック・スクールとしてはゴードンストウン、アトランティック校などが挙げられる。元々は全寮制の男子単学であったが、ゴードンストウンなど新しい世代のプログレッシブ(progressive、前衛)と呼ばれる学校群が男女共学に踏み切ったため、徐々に女子も入学出来るようになってきた。現在ではウェストミンスターやラグビーなど、歴史的名門校でも男女学化している。
それぞれ英語表記は「スクール(School)」若しくは「カレッジ(College)」であるが、イートン校をEton College)、ハーロー校をHarrow School)、ラグビー校をRugby School)のように一般に「校」と訳している。「ザ・ナイン」のうち最も歴史の長い学校は、1387年に司教ウィカムが創立したウィンチェスター校(イングランド、ハンプシャー州ウィンチェスター)である。最古のパブリックスクールは西暦597年、聖アウグスティヌスにより創設されたとされるキングス・スクール(イングランド、ケント州、カンタベリー)であり、現存する世界最古の学校と評される。
1969年にロンドンのペンギンブックスから発行されたロバート・シキデルスキー(Robert Skidelsky)著 "English Progressive Schools" (ISBN 978-0140210965) が、これらの学校に新しい光を当てた書籍として知られる。
脚注^ 板倉聖宣『たのしく教師』キリン館、2006年、pp.24-28
^ Oxford English Dictionary, June 2010.
^ クラレンドン委員会報告書
参考文献
Robert Skidelsky:"English Progressive Schools" Penguin Books 1969(ISBN 978-0140210965)
竹内洋『パブリック・スクール 英国式受験とエリート』講談社現代新書 1993年
板倉聖宣『たのしく教師』キリン館、2006年
関連項目
イギリスの教育
グラマースクール
インデペンデント・スクール
ボーディングスクール
アナザー・カントリー
If もしも....
チップス先生さようなら
オールド・ボーイズ・ネットワーク
外部リンク
Public school - ブリタニカ百科事典
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