熟すると黄色い果実ができる。粒々の黒い種子が中央の中空部分にたくさんあるが、種子は取り除いて、周りの果肉を食べる。甘さが強く独特の癖があるので、レモン汁をかけて、酸味を加える場合もある。未熟なパパイアは常温において追熟する[4]。熟したものは冷蔵して保存し、早めに消費する[4]。
果肉は、細く切って乾燥させ、ドライフルーツにすることがある。台湾(特に高雄)では、牛乳と果肉をミキサーにかけて混ぜた「パパイア牛乳」が名物となっており、紙パック入りの商品もある。香港には黄色く熟れた実の先端をくりぬいて、壷状にし、スープを入れて蒸す料理がある。順徳料理のデザートとして、シロップ煮にしたパパイアがあり、同じくシロップ煮にした梨、白木耳、鶏卵などと組み合わされる場合もある。なお、除かれてしまう種子はワサビと同じく硫化アリルを含むことから、ワサビと同じ味がする。ブラジルではパパイアを用いたクリーム・ド・パパイアという菓子が食べられている。
熟した果実には、β-カロテン(体内でビタミンAに変わる)、ビタミンC、ビタミンEが豊富に含まれている[4]。がん予防によいといわれるカロテノイド色素の一つ、β-クリプトキサンチンも含まれている[4]。
野菜としてパパイヤの未熟果(青パパイヤ)
野菜利用の場合、日本では未熟果を「青パパイヤ」「野菜パパイヤ」とよび、英語圏では「Green Papaya」とよぶ。
沖縄やフィリピン、タイなどでは、果物としてよりもむしろ「青パパイヤ」を野菜として扱う[4]。青パパイヤには、たんぱく質や糖分、脂質を分解する酵素パパインが含まれており、消化を助ける働きがある[4]。
未完熟で青いパパイアの皮を剥いて種をとり、果肉を千切りにして水にさらして灰汁を抜いて、炒め物、サラダ、天ぷらなどに使われる[4]。また、青いパパイヤを甘辛い漬け汁と合わせ、漬物( ⇒パパイヤ漬け)に使われる[11]。千切りのものが袋詰めでスーパーマーケットに並んでおり、調理済みのものは総菜としてのほか、弁当の具としても販売されている。これを乾燥させたものは、切り干し大根のように用いられる。
タイでは、同じく未完熟で青いパパイヤの皮をむき、果肉を千切りにしてニンニク、唐辛子、パクチー、ナンプラー、うま味調味料などと和えたソムタムというサラダにする。