パトロールカー
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2016年ロサンゼルス市警察は、テスラ・モデルSを2017年から本格導入することが発表されたが、高額な費用がネックとなり導入が遅れ、コロラド州デンバー市警察が最初の導入例となった[39]

そのほか、管轄や目的によって、シボレー・カプリスダッジ・マグナムなどのステーションワゴンシボレー・コルベット、同・カマロフォード・マスタングなどのスポーツカーシボレー・サバーバンシボレー・タホフォード・エクスプローラーフォード・エクスペディションダッジ・デュランゴのようなSUVシボレー・シルバラードフォード・レンジャーフォード・F-150などのピックアップトラックシボレー・エクスプレス、同・アストロなどのバンハマーなどのオフロードビークルなども多く使用されている。特殊部隊では器材と要員を運び現地対策本部にもなるバンが必須である他、銃撃を避けて民間人を救出するために軽装甲車を配備することもある。

2010年代後半からは、前述のクラウンヴィクトリアが生産終了したこともあり、また様々な要件からSUVのフォード・エクスプローラーをベースにした、ポリス・インターセプター・ユーティリティがシェアを伸ばしており、クラウンヴィクトリアに変わる主力車両となっている。

合衆国議会警察フォード・クラウンビクトリア

カンザス州警察のダッジ・チャージャー

シボレー・カプリスポリスパッケージ、見本車両

連邦防護局シボレー・タホ

アムトラック警察のフォード・エクスペディション

ニューヨーク市警察のフォード・ポリスインターセプター

パトカー専用モデルの詳細

一般的に「ポリスパッケージ(Police package)」「ポリスインターセプター(Police Interceptor)」と呼ばれるもの。フォードは「P71」、GMは「9C1」「B4C」などといった商品コードを使用している。

土台となる車種からの変更点としてはエンジンの出力向上、ラジエーターバッテリーの大容量化、電装品の耐久性向上、足回りの強化、内装の簡素化といったもの。メーカー出荷時にワーニングライトやサイレンなどを装備することもできるが、後述するように実際にはその警察ごとに装備の仕方は異なるので、購入後に緊急車両専門の架装業者に依頼することも多い。大きな自治体や警察組織では自前の工場を持っていたりする。
現在販売中のもの
シボレー・タホ
フルサイズSUVであるタホの警察仕様。警察活動全般向けのPPV(Police Pursuit Vehicle)は5.3L V8の後輪駆動と四輪駆動が用意され、伝統の商品コード9C1が割り当てられている
[40]。SSV(Special Service Vehicle)はV8の四輪駆動のみで、オフロード用サスペンションを組み込んだ不整地仕様。パークレンジャーのような山岳部や原野で活動する警察向けの商品である。こういったことからタイヤのメーカーオプションが充実しており、オールテレインやアグレッシブトレッドを注文する事が可能になっている[41]
ダッジ・チャージャー
ダッジのフルサイズセダン「チャージャー」を土台に使用したパトカー仕様車。5.7L V8の後輪駆動と四輪駆動、3.6L Vの後輪駆動がある。ブレーキ、冷却システム、電子制御スタビリティーコントロール装置、ステアリングが強化あるいは最適化されているほか、シフトレバーがフロアからコラムに移されている。現在はアメリカのみならず、カナダ、メキシコ、バーレーンなどでも採用されている。チャージャーの警察仕様車の項参照。
フォード・ポリスインターセプター ユーティリティ
2011年に発売された、3世代目のポリスインターセプターの派生車両。2019年に2020年型としてベースのフォード・エクスプローラーがモデルチェンジするのに合わせて、ポリスインターセプター ユーティリティもモデルチェンジを果たした。グレードは3.7LのV6自然吸気と3.5LのV6エコブーストで4WDが用意されている。機構はコンポーネンツを共有するセダンと同じだが、SUVとしての高い汎用性を持ちつつ、セダンに迫る高い走行性能を有しているのが特徴。現在のアメリカの警察用新車市場で最も売れているのがこのユーティリティで、2017年には33,075台が販売されている[42]
販売が終了したもの
シボレー・カプリスPPV
GMが2011年から供給する新型のパトカー。ベースとなるカプリスは往年とは違い、現在はGM傘下の
ホールデンが製造しオーストラリアなど向けに販売されている車種。グレードはパトロール用の「9C1」と、覆面パトカー用の「9C3」の二種類。エンジンはV型8気筒とV型6気筒の2種類のガソリンエンジンで、自動変速機を介して後輪を駆動する。パトカー専用装備としては機能強化や各種端末や通信装置などの他、赤外線暗視装置も装着できる。バッテリーは2個搭載しており、そのうちの一つは高度化する電子装備の駆動用に使用するという。カプリスのホイールベースは3011mmなので、これにより前後席の間に設けられるパーテーションを前席より後ろにずらすことができ、運転席の調整しろが大きくなっている。さらにセンターコンソールをタッチパネル式入力機器にすることも可能。座席も市販車の使い回しではなく、パトカー用にチューニングされたものを使うとのこと。またシボレーブランドで販売されることから、フロントグリルはホールデンのCIがついたものから、シボレーのCIがついたものに変更された。2017年にホールデンの生産工場が閉鎖され生産中止になったことから、同年で販売が終了した[43]
フォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプター(Police Interceptor)
フォードのフルサイズセダン「クラウンビクトリア」を土台に使用した、パトカー仕様車。商品コードP71。世間での通称は「CVPI」など。ベース車両からパトカーへの変更点としては上記のもののほか、ドア内側に防弾パネルを注文装備できる。公式サイトの動画によると、散弾銃の12ゲージから発射されるスラグ弾や、7.62mmライフル弾をこのパネルは完全に止める。注文料金は運転席ドアのみが$1200、左右前部ドアが$2400。その他の安全対策としては、後部衝突時に燃料漏れによる火災が発生しやすいと言う欠陥騒動があったことから、燃料タンク防護材の無料取付けを実施した。フォードによると、時速75マイル(約120km/h)で後部に衝突されても燃料タンクに穴はあかないという。また燃料タンク付近に自動消火装置を装備した。これは強い衝撃をセンサーが感知すると作動するもので、運転席のスイッチから手動操作することも可能。2011年9月に最後のモデルがロールアウトし、同年で生産終了となった[44]
フォード・ポリスインターセプター
2011年に発売された、3世代目のポリスインターセプター。CVPIの後継にあたる。ベースとなるのはフォード・トーラス。グレードは3.5L V6自然吸気の前輪駆動、3.7L V6自然吸気の四輪駆動、3.5V6エコブースト(ターボ)の四輪駆動、直4ターボの前輪駆動。これらはトーラスの構成と同じ。冷却系やサスペンションが強化されており、フロントにはサブフレームも装着される。シフトレバーはコラム式に変更され、シートも警察官の要望を取り入れた専用の6ウェイパワーシートにされた。センターコンソールはCVPIと同じもので、装備の使い回しができる。オプションでドアに防弾パネルをつけることも可能。クラウンビクトリアで後部衝突時の問題があったことから、時速75マイル後部衝突試験もクリアするという。見通しの悪い交差点での衝突を回避するために警告を出す、BLIS(Blind Spoto Information System)も装着可能。ベースのトーラスが2019年3月に生産終了したのに合わせて、こちらも生産終了し、エクスプローラーをベースにしたインターセプター ユーティリティに一本化された。
シボレー・インパラシボレーのミッドサイズセダン「インパラ」を土台に使用した車両。2000年以降は8代目と9代目で通常パトカー用の商品コード9C1、覆面・捜査用の9C3が設定されていたが、現在ではこれらの販売は終了した。10代目も警察向けとして紹介はされているが、従来の物のようにコラムシフト化などは特に行われておらず、行政機関向け業務用車両と仕様が共通したものになっている。GMの警察用車両で使われてきた商品コード9C1/9C3も割り当てられていない[45]。2020年に元のインパラが生産終了し、カタログからも削除された。実質的な後継車としてはシボレー・マリブが相当するが、10代目インパラ同様に、商品コード9C1/9C3は割り当てられていない。
フォード・ポリスレスポンダー・ハイブリッド2017年に発表されたフォード・フュージョン・ハイブリッドの警察仕様車。


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