パトロールカー
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パトカーの寄贈ホンダから寄贈された栃木県警のNSX

自動車メーカーから直接寄贈されているケースも存在する。神奈川県警察の歴代フェアレディZスカイラインGT-R(横浜工場および大森ファクトリーが存在する縁故)、栃木県警のNSX(寄贈当時、NSX専用工場が県内にあった縁故)が代表的な例である。又、有志の一般人によるものもある(埼玉県警察高速隊のトヨタ・スープラ、栃木県警察のレクサスLCなど)。

一方、外国車の場合は地元有志(ロータリークラブ、地元自動車ディーラーなど)による寄贈が多いといわれている。

また日本国政府は、東南アジア諸国の治安対策を支援するため、フィリピンベトナムにパトカーを提供している[5]
退役と廃車

年間で3万キロメートル以上走り、5?6年で新車と更新される[5]。中には地域用のパトカーで30万キロから50万キロ以上走るものもあるが、ほとんどのパトカーは退役する。悪用防止の観点から、消防車救急車などと異なり一般への払い下げはされず、無線機等の保安上の問題となる資機材を撤去もしくは破壊し、一般の修理工場などに送られ廃車手続きを行って解体処分される。まれに例外として、綿密な検査で耐久寿命が残っている車両が高速隊仕様から警ら仕様にダウングレードされて再度パトカーとして使われたり、表記を所属警察のものから「交通安全指導車」などと書き換え、交通安全協会等へ送られて交通指導車として余生を送るもの、新潟県警ポルシェ・911のようにイベント用として残されるものなどもある(前述の通りあくまでも稀なケースであり、多くの交通指導車は市販車に白黒塗装を施し、赤色灯とスピーカーを取付けたもの)。

また、珍しい例として覆面パトカーの一部が警察での用途廃止後、そのまま自衛隊警務隊(自衛隊の中の司法警察組織)に譲渡された例もある。
パトカー専用モデルの詳細
ジープBJ、ランドクルーザー

BJ型、20系、40系(1953年 - 1960年代

初代のトヨタジープBJ型は警察予備隊の小型汎用車両の競争入札に参加する目的で設計された。結果として、競合車であった日産・4W60型と共にウィリス・ジープノックダウン生産(後にライセンス生産で国産化)である三菱・ジープの前に敗れ、民需の道を模索することになる。そのような中、頑丈なシャシと強力なB型エンジンが評価され、国家地方警察(国警)の警ら車両として採用される。

二代目のJ20系では国警向けに力を注いだ結果、全ラインナップの半数が後輪駆動(2WD)となる。初代の途中で消防用シャシ向けに追加された、より新しいF型エンジンもすべてのモデルで選べるようになる。

J40系はジープBJやJ20系の置き換えや補充用として納入されてはいたが、この頃になると国産乗用車の性能や信頼性が高まり、道路舗装も進んだことから、機動隊や消防指揮車を除き、一般的な警ら車両はS40系クラウンをベースとしたトヨタ・パトロールへと移行してゆく。
トヨタ・パトロール

BDR型、BHR型、BH/FH26型、FS20系、FS40系、FS50系

BDRはトヨタパトロールの試作車で、小型トラックと同様のはしご型フレームを持ち、サスペンションも全後輪ともにリーフリジッドである。型式からも判るように、エンジンは戦前設計された大型トラックバス用の、初代B型であり、これはジープBJや20系ランドクルーザーとも共通である。トランスミッションも小型トラック用の3速MT歯車比を変更したもので、6.00-16のタイヤサイズもやはり小型トラックと共通である。

この時代のRS系クラウンは排気量1500cc、出力は48馬力と非力なため、白黒のパトロールカーは無かった。当時は犯罪者側がアメリカ車で逃亡を計る場合も多く、国産乗用車の性能では全く太刀打ちできなかったため、大型トラック用の大排気量ガソリンエンジンの採用に至った。この時代、日産やいすゞでも、同様な警ら専用車を納入している。

2代目となるH26系は、外観こそ初代クラウンのRS系に酷似するが、シャシやパワートレインはBHRと同様で、新設計のF型エンジンが追加設定されている。長大な直列6気筒エンジンを搭載するためフロントアクスルから前方にオーバーハングしており、クラウンに比べボンネットが長く、タイヤサイズが大きく車高も高い。この外観的特徴は先代にも共通する。右フロントフェンダー上に電動サイレンが装備されており、そのためアウターリアビューミラードアミラーとなっている。クラウンではBピラー埋め込みであった矢羽式方向指示器(アポロ)は、フロントカウル左右端にステーで直立しており、非常に目立つ。この他、H20系には2ドア・2シーターで、非常に短いクーペのようなキャビンを持ち、白黒の塗り分けも通常とは異なる仕様が少数存在する。

また、このシャシとエンジンの組み合わせは、四輪駆動の必要の無い地域向けの消防用シャシ(カウルシャシ)としても販売されており、これらはFA型大型トラックの縮小コピーのようなボンネットを持っており、パトロールカーとは全くスタイルが異なる。

3代目のFS20系からFS50系までは、クラウン(S20系、S40系、S50系)の各部を補強した上で先述のF型エンジンを搭載したものとなる。H20系までとは異なり、ボンネットの延長は無く、前輪がダブルウィッシュボーン式独立懸架となり、車高も通常の乗用車と変わらないため、クラウンとの見分けは難しくなった。

なお、FS20、FS40、FS50系には、クラウンバンを大幅に設計変更した「トヨタ・救急車」も存在する。また50系には輸出用2.3リッターの2Mエンジンを搭載した物もあり、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}発熱量が増えたためか?[独自研究?]フロントフェンダーにダクトが付く。
トヨタ・パトロールカー

FS60系、FS80系

クラウンをベースとした専用車。制服車(白黒)、特殊車(覆面)、警護車、私服無線車(赤灯無し)がセダン、事故処理車、鑑識車、捜査用車、保全車がバンベースである。ここへ来てようやくトラック用エンジンと決別し、4M型5R型という、クラウン縁のものとなり、タイヤも乗用車用となった。
トヨタ・クラウン

トヨタ・クラウンセダン

(130系、1987-1995)

交通取締り用、警邏用ともに排気量は3000cc(JZS133Z)の5速MTのみであった、1991年に後期型へのモデルチェンジ、その2年後の1993年に一部マイナーチェンジを行った、フェンダーミラーが標準だが覆面パトカー車にはドアミラーを装備している車体もあった、このモデルまでは全車MTである、基本的に交通機動隊と高速道路交通警察隊に配属させた警察本部が多かった。
(150系、-2001)
千葉県警の150系クラウン前期型パトカー排気量は2000cc(GS151Z)と3000cc(JZS155Z)がある。ただし、積雪地域向けに2500cc・4WDも20台余り作っていた(JZS153改)。このモデルから80系マークIIセダンパトロールカーが生産終了したため、1クラス上のクラウンセダンに初めて2000ccの警邏仕様が設定された。ドア内張りやシートなどはビニール[注 2]で、ホイールもスチールホイールにセンターキャップという組み合わせ。覆面パトカー仕様のみドアミラーが標準である。後期型(99年-)から警邏用の2000cc車に昇降機が装備された。覆面はオートカバーがフロントグリルの外側に付いた仕様も存在する。基本的にはMT仕様だが2000ccにはAT仕様もあった、クラウンパトカー初のATはこのモデルが最初である。2001年にベースのクラウンセダンがコンフォートベースになったため、クラウンセダンベースはこれが最終となった。なお、車名「クラウンパトロールカー」を対象とした2000年のリコールでは一般のクラウンは対象外であった。また小型タクシーに多く用いられるコンフォートは、パトカーでは愛知県警などごく一部でしか採用されていない。


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