パトロールカー
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また、ごく初期の覆面パトカーは、回転灯が上昇・下降するのみで反転はしなかった模様で[10]、1967年に導入の覆面パトカーの映像が視聴できる。

交通覆面パトカーは、交通機動隊(交機隊)や高速道路交通警察隊(高速隊)、また警察署(所轄署)の交通課などに配備されて、主に交通取締りを行なっている。交通機動隊など交通違反取締りを行う車両には、屋根中央部分から格納されている赤色灯が、車内のスイッチ操作により自動的にせり上がるようになっている。そのため、車内天井には反転灯を収納する場所の窪み(その形状から「洗面器」と呼ばれる事がある)がある。

また、車内に乗っている警察官は、原則として交通機動隊の青色制服、または合皮製黒色制服を着用することになっているので、車内をよく観察すれば、警察車両であると判別できる。例外として、各地の暴走族(マル走)対策車両などには、捜査用車両と同様にマグネット式の赤色灯を使うものが存在し、マル走対策などでは、交通機動隊であっても私服で出動する場合もある。リアトレイに設置された電光表示板に「パトカーに続け」や「速度落とせ」などと表示される機能の付いた車両もある。

交通覆面パトカーは制服パトカーと同じく、各自動車メーカーに専用グレードが存在する。しかし制服パトカーに比べて需要台数が少ないため、車種も少なく、現在はトヨタ・クラウンのみがカタログモデルとして設定されている。しかし制服パトカーでの記述にあるように、県警単位で購入したり、警察庁一般競争入札で一括調達するケース、寄贈されるケースが主流となっているため、一般市販車ベースの覆面パトカーも多数存在する。バブル景気には、貿易黒字を減少するため、国費でベンツBMWの外国製高級車が購入され、主要県警の高速隊に配備されていた事例もある。

車両価格は、2016年に警視庁が購入、交通機動隊に配備したトヨタ・マークXの例で、4台で3,331万1,640円(1台あたり832万7,910円)。ただし、3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載するスポーツモデルに、専用開発されたスーパーチャージャーECUを換装、トルクと馬力が高められた特別な仕様のものである[11]

フロントバンパー内にオートカバー形状の警光灯と、リアガラス上部左右にTAアンテナを装着した180系クラウン。

フロントグリル内に警光灯と、リアガラス上部左右にTAアンテナを装着した180系クラウン。

フロントグリル内に警光灯と、ルーフにユーロアンテナを装着した210系クラウン。

警護車警護の様子

警護車は、主に皇族内閣総理大臣国務大臣国賓、外国大使[12]など国内外の要人警護を目的に使用され、ベース車にはトヨタのセンチュリー[13]セルシオクラウンマジェスタクラウンロイヤルサルーンレクサス・LS、日産のシーマフーガスカイラインティアナホンダ・レジェンドスバル・レガシィB4(BM9)など、高級日本車やスポーツセダンが採用される場合が多い[14]。2008年頃にはベンツ・S600L(W221右ハンドル防弾仕様)の高級車が数台国費導入されている[15]

トヨタ・ランドクルーザープラドトヨタ・ハイラックスサーフスバル・レガシィアウトバックなどのSUVをベースとし、警護の車列には直接加わらない遊撃警護車も配備されている。遊撃警護車は、頑丈なボディを活かし、いざという時には体当たりなどをして防護することができる[16]
遊撃警護車の例(ランドクルーザープラド)

一部の車両を除き、交通取締用四輪車同様に、赤色警光灯が車内天井部に格納されており、ルーフ中央部分が開いて小型の流線型赤色警光灯が外部にせりあがってくる。前面赤色警光灯は、フロントグリルの中に取り付けられているのが一般であるが、近年は全国的に視認性を高める目的でLEDの前面赤色警光灯を装備する傾向にある。このうちセルシオ、レクサス・LS、フーガなどは防弾仕様も存在し、警察庁の調達区分上「特別警護車」として区別されている。基本的な仕組みは交通取締用四輪車と同じであるが主に白黒パトカーに装着されている補助ミラーを装着しており業務上必要ない速度計測用の機器(ストップメーター)を装備しないなど細部に違いがある。


一般的な車列警護の場合、先導車、警護対象者の乗る賓客車、警護車、そして最後尾の後押車(あとおさえしゃ)などで構成される[17][18]

皇族護衛など特に重要な警護の場合は警護車列の前方を各都道府県警の白バイやパトカーが先導し、儀礼服を着装した皇宮警察 [19]白バイが前衛に付き、皇宮護衛官が乗車する側車(サイドカー) が 御料車(ボンネットに錦の御旗が立つセンチュリーロイヤル)の側衛に付き、その後ろに侍従長や宮内庁長官らの乗車する供奉車(ぐぶしゃ)が続き、短機関銃や盾など、機動隊や警視庁警備部[20]と同等の装備を着装した皇宮警察特別警備隊の乗車する大型人員輸送車 [21]等が車列の前後に加わる [22]など、大規模な警護車列となる[23]
警護車列 [白バイ・側車・警護車](皇宮警察)大型人員輸送車(いすゞ・エルガミオ

なお、この場合では警護車は緊急自動車とならず、車列の走行に障害となる一般の交通を一時停止させるため、警護員が警護車から身を乗り出し(「ハコ乗り」)、交通誘導灯を振るなどして一般車などを排除しながら走行する[24][25]


一般的な警護車の例(レガシィB4)

一般的な警護車の例(スカイライン)

脱着式の赤色警光灯を装備した車両(S600L)

皇宮警察 京都護衛署の警護車両

捜査用車捜査用覆面パトカー(スカイライン)「捜査用車」を参照

捜査用車は機動捜査隊警察署(所轄署)の刑事課や生活安全課などに配備され、私服の刑事警察官が乗務し、捜査などを行う車両。鑑識課の機材車は、現場保存がされているために急ぐ必要はなく、緊急自動車指定されていない場合もある。
ミニパトエブリィ (福岡県警)

1,500 cc以下でなおかつ、全長4,500mm以下で5ナンバーサイズの枠内に入る(例外的にスズキ・SX4スズキ・バレーノなどの様に全幅1,700 mmを超える3ナンバー扱いの車種も存在)小型自動車ないし軽自動車を用いたパトカーで、制服パトカーと覆面パトカーの二種あるが、一般的に現場ではミニパトと呼ぶのは本署から比較的遠方の交番駐在所に配備される「小型警ら車」と、もっぱら違法駐車の取締や街頭での交通整理や指導を行うために使われる所轄署の交通課や交通機動隊に配備される軽自動車 - 1,500 cc程度の制服パトカー(現場でも「ミニパト」と呼ぶことが多いようである)を指すことが多い。


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