パソコンゲーム
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2002年に発表されたSteamは、ゲームのダウンロード販売と配信、著作権管理(アクティベーションによるコピーガード)、自動アップデート、そしてソーシャルネットワーク機能があり[34]、完全なダウンロード販売のため、パッケージや説明書の印刷コストや流通コストも必要なくなり、ゲームの低価格化を促進した[35]。さらに、Steamの特徴として常に何らかのセールを行い、年に数回の大規模セールでは4,000を超えるタイトルがセール対象となり、AAAタイトルでも50%引き?75%引きなど高割引率での販売される。これは販売コストが低いダウンロード販売ならではの手法であり、セールによって売り上げの向上とさらなる利益をもたらしている[36]

これら、SteamやOriginUplayは単なるゲームのダウンロード販売サイトでなく、ゲーム配信プラットフォームであり、CDキーシリアル番号)の入力によって自社ストアからの購入でなくてもゲームをアカウントに追加することができる(購入したCDキーをアカウントの情報に登録する必要があるため、CDキーを2つ以上のアカウントで使い回す不正を防ぐことができる)。小売店においても在庫コストを要しないCDキーのみの販売とするメリットは大きく、2014年現在では世界のPCゲーム販売のほとんどがゲーム配信プラットフォームを介したものであり、パッケージソフトでの販売はごく少数にとどまっている[37]

高速インターネットの普及で大容量のPCゲームが数分?数時間でダウンロードし遊べる手軽さや、通信経由のため中間費用が一切かからないことによる低価格が市場を後押ししている[38]
各OS

一言にパソコンと言っても、OSはいくつもある。Windowsでも、MacOSでも、Linuxでもパソコンゲームは遊ぶことができるが、1990年代後半?200X年代はPC/AT互換機のWindows向けが圧倒的に多い状況だった。2010年代のマルチプラットフォーム化の進展により、MacOSやLinux対応のものも増えている。
Windows

1995年にWindows 95が発売されて以降は、PCにおけるゲームの販売数(売上金額)でWindows/DirectX向けが圧倒的に多い状況になっている。フリーゲームも同様である。DirectX向けのGPUにはNVIDIA GeForceAMD Radeonがある。2016年現在でもOpenGLmacOSLinux向けにゲームは開発されているが、大手パブリッシャーから出ているゲームはWindowsからの移植がほとんどで、Windows以外のOS向けにゲームの開発を手がけるパブリッシャーはPangea Softwareなど非常に少数である。

Windows 10ではWindowsストアのアプリ基盤としてユニバーサルWindowsプラットフォームがあり、Xbox Oneなども対応している[39][40]
MacOS

Macも、機種によってCPUの性能が異なるが、近年の機種で言えばMacBook ProのCPUの性能はMacの中でも高いので、グラフィックの性能を求めるゲームの処理も軽々とこなすことができる。たとえばMinecraftなどもサクサクと動く。

SteamでもMacOS対応のゲームがダウンロードできる。Steam内のMac対応ゲームのページを開けばよい。

特に2020年11月に高性能なApple M1チップが発表され、同チップが搭載されたMacが市販されるようになってからは、ゲームコミュニティの中でMacOSの評価が以前よりも高くなった。英語版の以下の記事も参照可。en:List of Macintosh games (アルファベット名で配列され、リストが分断されてしまっているが、各アルファベット内で右端のOSのバージョンを選べば近年のゲームも検索できる。)en:Mac gaming
Linux

Linux向けのゲームも多数開発されている。「Linuxゲーム」も参照

無料のゲームが多く流通している。

SteamからLinux用のゲームをダウンロードして遊ぶこともできる。さらにSteamにはSteam Playというしくみ、もともとWindows向けのはずのゲームをLinux上で動作させる仕組みがあるので、Linux上でWindows向けのゲームも遊ぶことができる。一言でLinuxと言ってもさまざまなディストリビューション(Linuxのなかの種類)があるが、特にUbuntuはSteamの公式対応となっているので(Steam上のLinux向けゲームを)容易に動かすことができる。他の種類のLinuxについては、それなりの工夫が必要となる場合も多い。[41]

Linuxでレトロゲームを動かすためのソフトウェア類が無料で多数公開されており、それに役立つハードウェア類も多数販売されている。レトロゲームを動かしたいならば、WindowsよりもむしろLinuxのほうが適している、と言えるくらいにLinuxはそのたぐいのソフトウェアやハードウェアが充実している。Linuxが動いているRaspberry Piを(かつてのファミコンなどのゲームが非常に多種類動くような)ゲーム専用のマシンに仕立てあげることも、Raspberry Piユーザたちや、Makers(メイカーズムーブメントの実行者たち)の間ではそれなりに流行している。



特徴、長所・短所

パソコンゲームの特徴を説明するには、まずパソコンゲームは何かという定義に立ち返らなければならないが、パソコンゲーム(PCゲーム)は、定義のとおり、パーソナルコンピュータで動作するコンピュータゲームであり、かなり幅が広い。

パソコンの性能も時代ごとにかなり変化してきており、また1980年代、1990年代と同一の時代でくくってもパソコンの機種ごとに性能の高低はあり、現代でも、2000年代でも低性能のパソコンもあれば高性能のパソコンもあり、さらに最初から主にゲームをすることを前提に設計されたPC(ゲーミングPC)もあり、全ての時代のパソコンゲームの特徴や長所・短所を簡潔に説明することは非常に困難である。

やむを得ないので、下では比較的近年(おおむね2010年代以降)のパソコンゲームの長所・短所について解説する。
長所
ソフトウェア頒布の自由度が高い
詳細は「
パソコンゲーム#主なPCゲームストア」を参照パソコンプラットフォームの決定的な特徴は、ソフトウェア頒布方法がシステムに制御されないことである(iOS/AndroidでいえばApp Store/Google PlayPlayStationでいえばPlayStation Storeのような縛りが存在しない)。よってプラットフォームによる「アップル税」などの経費、表現規制なども迂回できる。これによる利点は以下のソフトウェアコストの削減や自由な表現に繋がる。
販売価格が比較的安価なものが多い
AndroidスマホのGoogle Playのコミッションも30%、iPhoneのApp Storeのコミッションも30%、PCゲームのDLサイトのSteamのコミッションも30%となっており、つまりスマホのアプリストアでのゲームの販売とSteamでのゲームの販売でコミッションに関しては同率なのであるが、PCゲームのほうが販売価格が安価に設定されていることが多い。その理由は、AndroidアプリのストアはGooglePlayに事実上ほぼ独占されており、iPhoneアプリのストアもApp Storeに事実上独占されていて、アプリ制作会社にとって販売ルートが実際的にはひとつしか無く、他の販路を選ぶことば実際上できない状況に置かれており(これに関してEpic Games対Apple訴訟では、Appleのやり方は独占禁止法に抵触すると提訴された)、価格競争が起きないので価格が高止まりする力が働くのに対して、PCゲームの場合は、DLサイトが多数あり(代表的なPCゲームの大手ストアはsteamOriginUbisoftなどがあり、他にもHumble BundleIndieGalaFanaticalG2Aなど安価なマーケットプレイスもある)、制作者が独自のストア(ウェブサイトやクライアントソフトなど)で販売することもでき、その場合はプラットフォームに料金を支払う必要が無い分 販売価格を低く設定でき、またそれらのストアの間で価格競争が生じることにより、結果としてPCゲームの価格は安くなりやすい。その結果、全てのパソコンゲームは安価な傾向がある。[42][43]。(なお無料で配布されているPCゲームも多くあるが、無料のものも多いというのはPCゲームに限った話ではなく、Androidゲームアプリも同様に無料のものは(かなり、とても)多いし、PlayStation向けでも無料のゲームが常時数十本ほどストア(PlayStationStore)に並んでいる。)
新作だけでなく旧作も流通しつづけている
長い年月を経た旧型プラットフォーム向けのゲームも、Windows向けに作られたものなどは多くのもので動作が期待できる。動作しない場合でも互換モードやデュアルブート、エミュレーター(仮想環境)の構築によってプレイできる場合が多い[44][45]。逆にハイエンドな環境を要求する新しいゲームでも、グラフィックの品質や解像度を落とすなどで多少古いシステム上でもプレイ可能になる[注 2]。グラフィックカードの交換など、ハードウェアのアップグレードで最適なプレイ環境を得ることもできる。
オンライン接続サブスクリプションが強制されない場合も多い
PS4以降のPS Plusや、XboxのLive Gold、Nintendo Switch Onlineなど、近年のコンシューマーゲーム機にはオンラインマルチプレイに参加する際に、接続料金としてサブスクリプションへの加入が義務付けられていることが多い。対してPC用ゲームの場合は接続料金が一律義務付けられていることはなく、料金徴収の有無はゲームタイトルの運営会社に委ねられている。またFPSゲームの場合は、サーバーを運営するユーザー(サーバー管理者)の有志に委ねられているケースが多く、一個人のプレイヤーがオンラインマルチプレイに参加する際に別途サブスクリプションへの加入が義務付けられるケースは比較的少ない。
購入後のクーリングオフ(返金)が可能な場合がある
Steamに限った例であるが、ゲームをダウンロードしてプレイした後でも、プレイ時間が2時間以内であれば「面白くなかった」など如何なる理由でも返金を受け付けるポリシーが運用されている。PlayStation Store[46][注 3]や、ニンテンドーeショップ[47][注 4]など他プラットフォームと比較して、返品および返金のハードルが低く、手厚いクーリングオフが運用されている[48]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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