パソコンゲーム
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特に『ウォークラフト3』は中国の国民的ゲームになっており、関連大会も2010年代からほぼ全部中国で開催されている[24]同シリーズを映画化した作品の収益の半分以上が中国から発生したほどである。
欧米諸国

(2000年代の日本ほど極端でないものの)欧米全体としてはモバイル・コンソールに対してPCゲームが劣勢である感が否めない。それでもPCゲームは着実に市場全体の中で一定のシェアを確保している。

2023年における全世界ゲーム市場のうち約20%がPCゲームであり[25]、欧米諸国もだいたいこの割合を維持している。

欧米諸国では「西欧ほど(コンソールに対し)PCゲームが劣勢か拮抗、東欧に近いほどPCゲームが優勢」な傾向がある。
英語圏

北米のゲーム市場におけるPCゲームの割合は他の欧米諸国の平均レベルである。[26]

かつてアメリカはパソコンの発祥地らしく、PCゲームが市場全体の半分近くを占めたこともあった(参考:2015年アメリカの機種別ゲーム市場シェア)。しかし、同じくアメリカで台頭したスマホおよびアプリストアの影響でPCゲームのシェアが落ち、今の北米は諸外国と同じく約20%前後に落ち着いている。[26]

一方イギリスではコンソールがPCゲームに対して優勢であり、40%以上のユーザーが家庭用ゲームを好んでいる。これはPCゲームを好む層の倍以上である。[27]
北西ヨーロッパ

ドイツはPC・コンソール・モバイルの三者が対等に拮抗する国[27]である。RTS『Command & Conquer』シリーズが国民的ゲームになったり、PCゲームユーザーを題材にしたユーモア動画が人気になるなど、PCゲームはドイツでそれなりの存在感を示している。

フランスはPCゲームが劣勢な国である。ユーザー数こそモバイル・家庭用とほぼ同じものの、市場シェアの面ではたった17%しか占めていない。この割合は、スマホゲームの22.4%より低いものである。一方、家庭用はフランスのゲーム市場の60%を占めている。[28]

PCゲームで頭角を現す国の一つとしてスウェーデンがある。Mojangが開発した『マインクラフト』が世界的な大ヒットを出したことをきっかけに、スウェーデンはPCゲーム強国の一つとして存在感を示すことになった。

他に有名なスウェーデンのPCゲーム開発会社は、『Europa Universalis』『Hearts of Iron』シリーズなど歴史戦略シミュレーションが主力商品であるParadox Interactive社、『Sanctum』シリーズ・『ヤギシミュレーター』などで知られているCoffee Stain Studioなどがある。また、スウェーデンでは外国系ゲームデベロッパーの子会社・スタジオも多く存在している。

スウェーデンのゲーム業界は、国内の内需だけでなく世界各国への輸出に多くの力を入れる傾向がある[29]。特に近年ではスウェーデン国内のゲーム市場規模(約31億ユーロ)よりも海外輸出額のほうが大きくなった。[29]
旧ソ連・東ヨーロッパ

家庭用ゲームが優勢な西欧と比べて、東欧は全体的にPCゲームが優勢な地域である。

ロシアはPCゲームが盛んな国の一つである。中国と同じく、コンソール市場が貧弱だったためである。

ユーザー数だけ見ると、PCゲームをプレイするロシア人は約4千万人で、スマホゲームユーザーの6千5百万人よりやや少ない。ただし、「どのプラットフォームを好むか」に注目すると、60%がPCゲームを好み、これはスマホゲームを好む層の19%、コンソールを好む層の20%よりも遥かに多いのである。[30]

ほかの東ヨーロッパ・バルカン半島諸国もPCゲーム優勢の地域で、これらの国ではゲーム市場の30~40%以上をPCゲームが占めている[31]。この地域では(西欧・ロシアと比べて小規模ながら)PCゲームで頭角を現す会社がいくつか点在している。(例:3Division、SCS Software)
中東・アフリカ・インド亜大陸

これらの国は、そもそもPCゲーム・家庭用ゲーム両方の市場が極めて小さかったので、スマホの登場と同時にモバイルゲームが圧倒的主流になった地域である。例えばインドのゲーム人口の94%がスマホゲームユーザーである一方、PCゲーム・家庭用ゲームはそれぞれ9%・4%しか占めてない。[32]

例外的にオイルマネーで潤う湾岸諸国はPC・コンソールゲームが相当のシェアを占めている。[33]
主なPCゲームストア

PCゲームをダウンロード販売している主なストア。総合的なストアは、幅広いデベロッパーのゲームを数多く揃えている傾向にある。ゲーム会社が独自に展開するストアは主に自社製品に特化したものであるが、サードパーティー製のゲームを取り扱っているものもある。その他のストアは、ゲームソフトの引き換えに必要なプロダクトキーを販売するストアであり、比較的安価に販売されているものが多い。(※括弧内はメーカーと、主な配信タイトル)
総合的なストア


SteamValve Corporation社、大手デベロッパーの大作に加え、インディーゲームのタイトルも数多く揃えられているのが特徴。)

Microsoftストアマイクロソフト社、マインクラフトForza Horizonシリーズ

ゲーム開発会社が独自に展開するストア


Originエレクトロニック・アーツ社、バトルフィールドシリーズApex LegendsタイタンフォールシリーズThe SimsシリーズFIFAシリーズ

Ubisoft Connectユービーアイソフト社、アサシン クリードシリーズウォッチドッグスシリーズFar Cryシリーズレインボーシックス シージ

Epic Games StoreEpic Games社、フォートナイト

Battle.netブリザード・エンターテイメント社、コール オブ デューティシリーズオーバーウォッチWorld of Warcraftハースストーン

Rockstar Games Launcher(Rockstar Games社、レッド・デッドシリーズグランド・セフト・オートシリーズ

Bethesda Launcher(ベセスダ・ソフトワークス社、Fallout シリーズThe Elder Scrollsシリーズ

その他のストア


G2A

Humble Bundle

IndieGala

Fanatical

Green Man Gaming(英語版)

GameBillet

WinGameStore

Voidu

DLGamer

Steam

Steamについては特筆に値するので、特に一節を割いて説明する。

2002年に発表されたSteamは、ゲームのダウンロード販売と配信、著作権管理(アクティベーションによるコピーガード)、自動アップデート、そしてソーシャルネットワーク機能があり[34]、完全なダウンロード販売のため、パッケージや説明書の印刷コストや流通コストも必要なくなり、ゲームの低価格化を促進した[35]。さらに、Steamの特徴として常に何らかのセールを行い、年に数回の大規模セールでは4,000を超えるタイトルがセール対象となり、AAAタイトルでも50%引き?75%引きなど高割引率での販売される。これは販売コストが低いダウンロード販売ならではの手法であり、セールによって売り上げの向上とさらなる利益をもたらしている[36]

これら、SteamやOriginUplayは単なるゲームのダウンロード販売サイトでなく、ゲーム配信プラットフォームであり、CDキーシリアル番号)の入力によって自社ストアからの購入でなくてもゲームをアカウントに追加することができる(購入したCDキーをアカウントの情報に登録する必要があるため、CDキーを2つ以上のアカウントで使い回す不正を防ぐことができる)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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