パソコンゲーム
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著作権法がまだ未整備だった2006年以前の韓国では「ジュエルゲーム[21]」という形式のゲームパッケージが売れていた。ジュエルゲームとは「ジュエルケースに入ったCD一枚、と簡略な説明書」といったシンプルな構成の廉価版ゲームパッケージであり、嵩張るパッケージボックス・その他の付属品を一切省いたものである。真っ当なソフト会社が正式に販売したジュエルゲームもあったが、海賊版ソフトも多くあった。中には欧米のサイト上で公開されているフリーソフトを流用してアセットフリップしただけ、(そもそもPC版移植が存在しないはずの)日本製家庭用ソフトをROMファイルの形式で抽出してエミュレータを添えただけ、のような代物まで存在していた。
中国

日韓以上にコンソールゲーム市場が微弱な中国でも、PCゲームが主流である。

2015年の調査では、中国ゲーム市場全体の221億米ドルのうち、約57%の125億ドルがPC・MMOゲームだとされている(一方、家庭用ゲームは、たった1.8%の4億ドルしかない)[22]。この割合はスマホゲーム市場の成長で落ちたものの、2022年時点でもPCゲームが市場の31%を占める中国[23]は相変わらずPCゲームが盛んな国である。

中国でも、やはりブリザード社製のPCゲームが人気である。Starcraftが盛んな韓国と比べて、こちらはWarcraftシリーズが主流である。特に『ウォークラフト3』は中国の国民的ゲームになっており、関連大会も2010年代からほぼ全部中国で開催されている[24]同シリーズを映画化した作品の収益の半分以上が中国から発生したほどである。
欧米諸国

(2000年代の日本ほど極端でないものの)欧米全体としてはモバイル・コンソールに対してPCゲームが劣勢である感が否めない。それでもPCゲームは着実に市場全体の中で一定のシェアを確保している。

2023年における全世界ゲーム市場のうち約20%がPCゲームであり[25]、欧米諸国もだいたいこの割合を維持している。

欧米諸国では「西欧ほど(コンソールに対し)PCゲームが劣勢か拮抗、東欧に近いほどPCゲームが優勢」な傾向がある。
英語圏

北米のゲーム市場におけるPCゲームの割合は他の欧米諸国の平均レベルである。[26]

かつてアメリカはパソコンの発祥地らしく、PCゲームが市場全体の半分近くを占めたこともあった(参考:2015年アメリカの機種別ゲーム市場シェア)。しかし、同じくアメリカで台頭したスマホおよびアプリストアの影響でPCゲームのシェアが落ち、今の北米は諸外国と同じく約20%前後に落ち着いている。[26]

一方イギリスではコンソールがPCゲームに対して優勢であり、40%以上のユーザーが家庭用ゲームを好んでいる。これはPCゲームを好む層の倍以上である。[27]
北西ヨーロッパ

ドイツはPC・コンソール・モバイルの三者が対等に拮抗する国[27]である。RTS『Command & Conquer』シリーズが国民的ゲームになったり、PCゲームユーザーを題材にしたユーモア動画が人気になるなど、PCゲームはドイツでそれなりの存在感を示している。

フランスはPCゲームが劣勢な国である。ユーザー数こそモバイル・家庭用とほぼ同じものの、市場シェアの面ではたった17%しか占めていない。この割合は、スマホゲームの22.4%より低いものである。一方、家庭用はフランスのゲーム市場の60%を占めている。[28]

PCゲームで頭角を現す国の一つとしてスウェーデンがある。Mojangが開発した『マインクラフト』が世界的な大ヒットを出したことをきっかけに、スウェーデンはPCゲーム強国の一つとして存在感を示すことになった。

他に有名なスウェーデンのPCゲーム開発会社は、『Europa Universalis』『Hearts of Iron』シリーズなど歴史戦略シミュレーションが主力商品であるParadox Interactive社、『Sanctum』シリーズ・『ヤギシミュレーター』などで知られているCoffee Stain Studioなどがある。また、スウェーデンでは外国系ゲームデベロッパーの子会社・スタジオも多く存在している。

スウェーデンのゲーム業界は、国内の内需だけでなく世界各国への輸出に多くの力を入れる傾向がある[29]。特に近年ではスウェーデン国内のゲーム市場規模(約31億ユーロ)よりも海外輸出額のほうが大きくなった。[29]
旧ソ連・東ヨーロッパ

家庭用ゲームが優勢な西欧と比べて、東欧は全体的にPCゲームが優勢な地域である。

ロシアはPCゲームが盛んな国の一つである。中国と同じく、コンソール市場が貧弱だったためである。

ユーザー数だけ見ると、PCゲームをプレイするロシア人は約4千万人で、スマホゲームユーザーの6千5百万人よりやや少ない。ただし、「どのプラットフォームを好むか」に注目すると、60%がPCゲームを好み、これはスマホゲームを好む層の19%、コンソールを好む層の20%よりも遥かに多いのである。[30]

ほかの東ヨーロッパ・バルカン半島諸国もPCゲーム優勢の地域で、これらの国ではゲーム市場の30~40%以上をPCゲームが占めている[31]。この地域では(西欧・ロシアと比べて小規模ながら)PCゲームで頭角を現す会社がいくつか点在している。(例:3Division、SCS Software)
中東・アフリカ・インド亜大陸

これらの国は、そもそもPCゲーム・家庭用ゲーム両方の市場が極めて小さかったので、スマホの登場と同時にモバイルゲームが圧倒的主流になった地域である。例えばインドのゲーム人口の94%がスマホゲームユーザーである一方、PCゲーム・家庭用ゲームはそれぞれ9%・4%しか占めてない。[32]

例外的にオイルマネーで潤う湾岸諸国はPC・コンソールゲームが相当のシェアを占めている。[33]
主なPCゲームストア

PCゲームをダウンロード販売している主なストア。総合的なストアは、幅広いデベロッパーのゲームを数多く揃えている傾向にある。ゲーム会社が独自に展開するストアは主に自社製品に特化したものであるが、サードパーティー製のゲームを取り扱っているものもある。その他のストアは、ゲームソフトの引き換えに必要なプロダクトキーを販売するストアであり、比較的安価に販売されているものが多い。(※括弧内はメーカーと、主な配信タイトル)
総合的なストア


SteamValve Corporation社、大手デベロッパーの大作に加え、インディーゲームのタイトルも数多く揃えられているのが特徴。)

Microsoftストアマイクロソフト社、マインクラフトForza Horizonシリーズ

ゲーム開発会社が独自に展開するストア


Originエレクトロニック・アーツ社、バトルフィールドシリーズApex LegendsタイタンフォールシリーズThe SimsシリーズFIFAシリーズ

Ubisoft Connectユービーアイソフト社、アサシン クリードシリーズウォッチドッグスシリーズFar Cryシリーズレインボーシックス シージ

Epic Games StoreEpic Games社、フォートナイト

Battle.netブリザード・エンターテイメント社、コール オブ デューティシリーズオーバーウォッチWorld of Warcraftハースストーン

Rockstar Games Launcher(Rockstar Games社、レッド・デッドシリーズグランド・セフト・オートシリーズ

Bethesda Launcher(ベセスダ・ソフトワークス社、Fallout シリーズThe Elder Scrollsシリーズ

その他のストア


G2A

Humble Bundle

IndieGala

Fanatical

Green Man Gaming(英語版)

GameBillet

WinGameStore

Voidu

DLGamer

Steam

Steamについては特筆に値するので、特に一節を割いて説明する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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