パスカルの三角形
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( x + y ) n + 1 = x ( x + y ) n + y ( x + y ) n = ∑ i = 0 n a i x n − i + 1 y i + ∑ i = 0 n a i x n − i y i + 1 = ∑ i = 0 n a i x n − i + 1 y i + ∑ i = 1 n + 1 a i − 1 x n − i + 1 y i = a 0 x n + 1 + ∑ i = 1 n a i x n − i + 1 y i + ∑ i = 1 n a i − 1 x n − i + 1 y i + a n y n + 1 = x n + 1 + ∑ i = 1 n ( a i − 1 + a i ) x n − i + 1 y i + y n + 1 {\displaystyle {\begin{aligned}(x+y)^{n+1}&=x(x+y)^{n}+y(x+y)^{n}\\&=\sum _{i=0}^{n}a_{i}x^{n-i+1}y^{i}+\sum _{i=0}^{n}a_{i}x^{n-i}y^{i+1}\\&=\sum _{i=0}^{n}a_{i}x^{n-i+1}y^{i}+\sum _{i=1}^{n+1}a_{i-1}x^{n-i+1}y^{i}\\&=a_{0}x^{n+1}+\sum _{i=1}^{n}a_{i}x^{n-i+1}y^{i}+\sum _{i=1}^{n}a_{i-1}x^{n-i+1}y^{i}+a_{n}y^{n+1}\\&=x^{n+1}+\sum _{i=1}^{n}(a_{i-1}+a_{i})x^{n-i+1}y^{i}+y^{n+1}\end{aligned}}}

となる。

この三角形の奇数の部分を塗りつぶすとシェルピンスキーのギャスケットになる。これは2で割った余りによると考えることができるが、一般に2以外の数でも、割った余りによって塗りわけると同様な別のフラクタル模様になる。

二項係数は組合せの数でもあるので、組合せ数学においてもパスカルの三角形は有用である。n 個のものから異なる k 個選ぶ選び方 nCk の値は、パスカルの三角形の (n + 1) 段目の端から (k + 1) 番目の数に等しい。1 ≤ k ≤ n − 1 の場合、これは n − 1 次元単体の k − 1 次元面の数でもある。例えば5段目の端から2番目の4は四面体(3次元単体)の頂点(0次元面)の数、3番目の6は辺(1次元面)の数、4番目の4は面(2次元面)の数である。これは四面体の場合、二つの頂点を結ぶ線分の集合は辺の集合に等しく、三つの頂点を結ぶ三角形の集合は面の集合に等しいためである。
パスカルの三角形の性質

パスカルの三角形の最も単純な性質として、以下のようなものがある。

頂上から右下・左下の方向へ並ぶ数字はすべて1である。

2段目の 1 から右下・左下の方向(すべて1の方向を除く。以下同じ)には
自然数の列が現れる。

3段目の 1 から右下・左下の方向には三角数の列が現れる。

4段目の 1 から右下・左下の方向には三角錐数の列が現れる。

5段目の 1 から右下・左下の方向には五胞体数の列が現れる。

一般的に n 段目の 1 から右下・左下の方向には n − 1 次元単体数が現れる。 tri 0 ( n ) = 1 , tri d ( n ) = ∑ i = 1 n t r i d − 1 ( i ) . {\displaystyle {\textrm {tri}}_{0}(n)=1,\quad {\textrm {tri}}_{d}(n)=\sum _{i=1}^{n}\mathrm {tri} _{d-1}(i).}

前項までと同じ内容を次のように表現してもよい。(頂点と両辺に並んだ)1を除くすべての数は、その右上から左上端まで伸びる数列の総和に等しく、左上から右上端まで伸びる数列の総和に等しい。例えば6段目の左から3番目の10は、右上の6とその左上の3, その左上の1の総和に等しく、左上の4とその右上の3, その右上の2, その右上の1の総和に等しい。これは10が4番目の三角数であり、3番目の三角錐数であることと等価である。

偶数段目の中央の数(左右2個存在する)に限り、左は右上から右上端まで、右は左上から左上端まで伸びる数列の総和とも等しい。例えば6段目の中央数10は1, 3, 6の総和となる。数列の最初は1、最後は奇数段目の中央数(1個のみ)である。 tri n − 1 ( n + 1 ) = ∑ i = 1 n t r i n − 1 ( i ) . {\displaystyle \quad {\textrm {tri}}_{n-1}(n+1)=\sum _{i=1}^{n}\mathrm {tri} _{n-1}(i).}

n 次元単体数の逆数部分分数分解すると、分子にはパスカルの三角形の n 段目の数字が現れる。

三角形の各数字が最上段の位置を頂点とした斜めの格子の上にあると仮定したとき、各数字は最上段の1から格子の線を通って最短距離でその場所に着く経路の数となる。

更に単純な性質は1段目が11の0乗 (= 1)、2段目が11の1乗 (= 11)、3段目が11の2乗 (= 121)…… というように、n 段目の数字の列を一つの数字と見なすと 11 の n − 1 乗になる (ただし6段目以降の2桁以上の数は繰り上がりさせる)。これは、11n−1 = (10 + 1)n−1 を二項展開することで容易に示すことができる。パスカルの三角形とフィボナッチ数

他の性質としては、フィボナッチ数に関するものがある。左側2列の任意の数字から桂馬跳びの様に斜めに数字を拾い、その合計を取るとフィボナッチ数になる。例えば5段目の4から始め 4, 10, 6, 1 の4つの数字(右の図で四角で囲まれているもの)を拾うと、その合計は 21 となり、これはフィボナッチ数である。同様に、5段目の1から始めて 1, 10, 15, 7, 1 の5つの数字(右の図の網がかかったもの)の合計は 34 となる。

また、m 段目のそれぞれの数字の合計は、2m−1 となる。例えば、5段目に出現する数字の合計は 1 + 4 + 6 + 4 + 1 = 16 であり、この値は 25−1 に等しい。これは、2m−1 = (1 + 1)m−1 を二項展開することで容易に示すことができる。1段目から m 段目までの数字の総計は 2m − 1 となる。

m 段目にあるそれぞれの数を2乗して足すと、2m − 1 段目の中央の数になる。例えば、5段目では 12 + 42 + 62 + 42 + 12 = 70 となり、9段目の中央の数に一致する。これは、以下の式に基づいている。

∑ k = 0 n ( n k ) 2 = ( 2 n n ) {\displaystyle \sum _{k=0}^{n}{n \choose k}^{2}={2n \choose n}}

奇数段目の中央の数字からその2つ隣の数を引くと、カタラン数になる。例えば、7段目の中央の20からその2つ横の 6 を引くと 20 − 6 = 14 であり、これは4番目のカタラン数に等しい。

ある段の端から2番目の数 p が素数のとき、その段の両端以外の数字は p の倍数となる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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