パイロット_(航空)
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1930年クリーブランド・ホプキンス国際空港飛行場灯火と無線を備えた航空管制施設が設けられて以降、管制官の許可を得て離着陸を行うように航空法が改定されていったが、現代でも管制官は特段の理由が無い限りパイロットの要求を断れないなど、パイロットは離着陸の判断に関して一定の権限を有している[9]

現代では、筆記試験などで航空力学航空法気象学航空英語、航空生理、無線通信等の知識の証明[注釈 1] と、実際に操縦する実習を行わなければならない。操縦訓練のため筆記と身体検査に合格した者に仮免許[注釈 2] が発行され、実技試験に合格した後に正式な免許が交付される。
雇用環境
パイロットの雇用環境の歴史

定期便のパイロットの雇用環境は航空行政のありかたの影響を強く受ける。第二次世界大戦中のアメリカでは徴兵で多数のパイロットが臨時養成され、戦後にはそのパイロットたちが復員したため仕事にあぶれる者(失業者)が多くなったが、その後、アメリカ国内・国際共に路線が拡充しビジネスジェットの『フラクショナル・オーナーシップ』が登場したことにより需要(雇用)が急増した。それに伴い地位も向上し、パイロットの労働組合の発言力も増し、スコープ・クローズのような協定を会社と結ぶことも可能となった。1984年にボーイング747の初の女性機長となった、Beverly Burns。

かつては男性が主流の職業であったが、現代では女性も多い[10]。2010年代からは世界的な航空需要の高まりにより人材不足が深刻化し、定年延長や軍から早期退職者を募りパイロットを補充するなどといった対策が行われていた[11]。ところが2020年春からは世界的なコロナ禍の影響で民間航空機が飛ぶ量が減り、パイロットも影響を受けた[12][13]
資格類の取得

最も簡単な自家用操縦士(Private Pilot License、PPL)は短時間で取得することが出来る。

アメリカでは、教官役のCerftified Flight Instructor(CFI)が同乗し40時間以上飛行するなどの訓練を受けるとPPLが取得できる。操縦により賃金を受けるプロのパイロットになるには事業用操縦士(Commercial Pilot Licence、CPL)が必要となる。また視界不良時に飛行するには計器飛行の技能証明も必要となる。

航空大学校では未経験者が航空会社にエアラインパイロットとして採用される段階に達するまで、座学を含め約965時間の訓練が必要としている[14]。なお機種別の限定資格も必要となるため、入社後にも追加訓練が必要となる。消防庁消防防災ヘリコプターの操縦士(事業用操縦士+限定資格)を養成する場合、民間に委託すると最大で6000万円ほどが必要と試算している[15]

戦闘機パイロットの場合は、航空学生が部隊に配属されるまでには5年間で5億円程度がかかるとされる[16]。さらに部隊指揮や武器の取り扱いに関する部内資格を取得する訓練が別途必要となる。

新人副操縦士が国際路線の機長となるには7?8年がかかるとされる[17]。このため新型コロナウイルス感染症の世界的流行により航空需要が激減し客室乗務員の採用を停止した際にも、運航再開に備えてパイロット候補生の定期採用が続いている[18]

管制塔や他の航空機と交信する必要があるため、操縦資格とは別に総合無線通信士航空無線通信士など国際的に共通化された航空局の操作資格と航空英語の技能証明が別途必要となる。一部の国では操縦士の試験に含まれたり、国内での非商用飛行に限り資格不要(アメリカ)としているなど統一されていないが、外国で飛行するには無線資格と航空英語の証明が必須である(免許証等を携行する)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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