パイロット_(航空)
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実際に飛行を行うには別途「航空身体検査証明」が必要であり、さらに一定の期間内に「特定操縦技能審査」[注釈 4][27] に合格していなければならない。また国外への飛行には「航空英語能力証明」も必要である。

航空従事者の技能証明書はクレジットカードサイズの紙で、無線従事者免許証と類似した書式である。

資格取得には筆記試験と身体検査の他、実際に航空機に搭乗して操縦を行う訓練が必要であるため、国土交通省に認可された養成所で訓練が必要となる。航空大学校や自衛隊も指定養成所として認可されている。

日本では、主要なエアラインの操縦士は航空大学校出身者が40 %[28]、自社養成が34 %、私立大学の操縦士コース、自衛隊操縦士の割愛制度による供給、外国人が26 %であり[11]、民間のフライトスクールで資格を取得した者は少ない。自主的に取得した者としてはPeach Aviationサニー横山がいる。

2010年以降は格安航空会社の登場により操縦士不足が深刻化しており、日本では2030年ごろに定年による退職をカバーするため年間400名規模の採用が必要となる「2030年問題」がある[17]。対策として防衛省が自衛隊の操縦士を早期退職させる制度を復活させ、自社養成に拘っていた日本航空全日本空輸が航空大学校からの受け入れや私立大学と提携して操縦士養成コースを設立するなどの対策をとっている。またジェイエアなど大手のグループ会社でも独自の採用を復活させるなどしている[19]。格安航空会社では大手や軍の退職者など即戦力となる人材が取り合いとなっており、外国人の採用も活発化している[11][13]。国交省では緩和策として操縦士として働く外国人の在留資格要件を飛行時間1000時間以上から250時間に緩和、また定年を60歳から1996年には63歳未満、2004年には65歳未満、2015年には68歳未満と引き延ばしてきた[11][29]
携行品

パイロットが航空機に乗り込んで業務を行う際には、規定された書類を携帯することが法で義務づけられている(日本の場合は航空法第67条)。

最低限必要な書類は、航空従事者技能証明書と航空身体検査証明書である。また日本のように技能証明書に無線資格の表記が無い場合は無線従事者免許証も必要となる。このほかに航空日誌(ログブック)、機種別の資格が必要な機体では技能限定証明書、国際線では航空英語能力証明書とパスポートも必要になる[30]

旅客機ではさらに航空図、出発から到着までの経路、飛行場の進入方式や注意事項等を綴じた「ルートマニュアル」、機体に関するマニュアル、社内規定集、懐中電灯(大型機では昼でも機体下部は影になる)、会社への報告書を携行する[30]

機体点検時に落ちてくるオイルや突起から頭部を保護するため、ロシア帽に類似した「パイロット・キャップ」や野球帽を使う者もいる。

このほかに自分の好みの通信用ヘッドセット手袋サングラス、計器の故障に備えたフライトコンピューター、軽食などを携行する者もいる[30]

これらの一式を持ち運ぶことになるが、特にルートマニュアルは分厚いため、操縦席で参照しやすいように口が広く立てた状態を保てるフライトバッグ(英語版)(フライトケース)と呼ばれる専用の鞄がある[30]

電子化がすすめられた結果、携行品の量を減らすため電子フライトバッグも開発されている。

航空従事者技能証明書の類

パイロット・ログブック

航空図

懐中電灯


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