バーバラ・スタンウィック
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同年にはハワード・ホークス監督の『教授と美女』でクーパーを誘惑するダンサーを演じて2度目のオスカーにノミネート。

1944年ビリー・ワイルダー監督によるフィルム・ノワールの傑作『深夜の告白』に出演。フレッド・マクマレイ扮する保険セールスマンをそそのかして夫殺しを手伝わせる人妻という今までの彼女のイメージからは想像も出来ないようなファム・ファタールを演じて、3度目のオスカーにノミネートを果たしただけでなく、1944年度のアメリカの女優の最高所得者となる。また人柄の良さでも知られ、うるさ型の女優が多いこの業界において男優からもスタンウィックとの共演を望む声が多く、名脚本家のハーマン・マンキウィッツにして「彼女と結婚して、バラを植え込んだ丘の上の小さな家に住む。疲れきって仕事が終わると、焼き上がったアップルパイを手に迎えてくれる、それが男の夢だね[要出典]」と彼女の人柄の良さをこう評した。

その後も幅広い役柄をこなせる女優として活躍を続け、1948年の『私は殺される』では殺人計画を知った病弱な女性を演じて、これまた4度目にして最後のノミネートを受ける。1950年代に入っても安定した人気を保ち、『タイタニックの最後』のようなメロドラマから、『四十丁の拳銃』などの西部劇まで様々なジャンルの映画に出演。1954年の『重役室』ではジューン・アリソンをはじめとする豪華出演陣によるアンサンブル演技が評されて、共演者のフレドリック・マーチと共にヴェネツィア国際映画祭の審査員特別賞を受賞する。1951年にはテイラーと離婚し、『タイタニックの最後』で共演したロバート・ワグナーとその後、恋に落ちるが、かなりの年齢差がある2人のロマンスは長くは続くことはなかった。

1960年代に入ると『青春カーニバル』でエルヴィス・プレスリーと共演し、『The Night Walker』では元夫のテイラーとの再共演を果たすが、この頃から映画出演は減り始める。それを心配した友人でコラムニストのヘッダ・ホッパーからヨーロッパ映画の出演を勧められるも、「いいの、わたしはここ(ハリウッド)が好きなの[要出典]」と答え、首を横に振ったという。そのかわりに今度は主にテレビを中心に活躍。1960年から1961年まではテレビ番組『バーバラ・スタンウィック・ショー』のホストと主演を務め、1965年からはじまり、日本でも人気を博した『バークレー牧場』では出演だけでなくプロデュースも務めて、新しい世代のファンを獲得しただけでなく、両作品でエミー賞を獲得する。

1978年のアカデミー賞授賞式ではデビューして以来の仲であるウィリアム・ホールデンと二人そろってプレゼンターをつとめ、1981年にスタンウィックがフィルム・ソサエティの特別賞を受賞した際は、ホールデンが会場にエスコートした。1982年にアカデミー名誉賞を授与され、1983年のテレビのミニ・シリーズ『The Thorn Birds』ではゴールデン・グローブ賞と3度目のエミー賞を獲得。1987年にはアメリカン・フィルム・インスティチュートから生涯功労賞が授与された。

1990年カリフォルニア州サンタモニカ心不全によりこの世を去った。
主な出演作品

公開年邦題
原題役名備考
1929壁の中の声
The Locked Doorアン・カーター
1930希望の星
Ladies of Leisureケイ・アーノルド
1931十仙ダンス
Ten Cents a Danceバーバラ・オニール
夜の看護婦
Night Nurseローラ・ハート
奇蹟の処女
The Miracle Womanフローレンス・ファロン
1932たそがれの女
Forbiddenルル

So Big!セリーナ・ピーク
1933風雲の支那
The Bitter Tea of General Yenメーガン・デイヴィス
女囚の意気地
Ladies They Talk Aboutナン・テーラー
紅唇罪あり
Baby Faceリリー
1935愛の弾丸
Annie Oakleyアニー・オークリー
1936ガルシアの伝令
A Message to GarciaRaphaelita Maderos
愛怨二重奏
His Brother's Wifeリタ・ウィルソン・クレイボーン
膝にバンジョー
Banjo on My Kneeパール・エリオット・ホリー
鍬と星
The Plough and the Starsノラ
1937紐育の顔役
Internes Can't Take Moneyジャネット
ステラ・ダラス
Stella Dallasステラ・ダラス
1938美人は人殺しがお好き
The Mad Miss Mantonメルサ・マントン
1939大平原
Union Pacificモリー・モナハン
ゴールデン・ボーイ
Golden Boyローナ・ムーン
1941レディ・イヴ
The Lady Eveジェーン
群衆
Meet John Doeアン・ミッチェル
新妻はお医者さま
You Belong to Meヘレン・ハント
教授と美女
Ball of Fireシュガーパス・オーシェイ
1942三人姉妹
The Gay Sistersフィオナ
1943肉体と幻想
Flesh and Fantasyジョーン・スタンリー
1944深夜の告白
Double Indemnityフィリス・ディートリクスン
1945クリスマス・イン・コネチカット
Christmas in Connecticutエリザベス・レイン
1946呪いの血/マーサの奇妙な愛情
The Strange Love of Martha IversMartha Ivers
1947カリフォルニア
Californiaリリー・ビショップ
第二の妻
The Two Mrs. Carrollsサリー・モートン・キャロル
いのち短かし
The Other Loveカレン・ダンカン
恐怖の叫び
Cry Wolfサンドラ・マーシャル
1948私は殺される
Sorry, Wrong Numberレオナ
1950血ぬられた情事
The File on Thelma Jordonセルマ
復讐の荒野
The Furiesヴァンス・ジェフォーズ
スピード王
To Please a Ladyレジーナ・フォーブス
1952熱い夜の疼き
Clash by Nightメエ・ドイル・ダマト
1953人妻の危機
Jeopardyヘレン・スティルウィン
タイタニックの最期
Titanicジュリア・スタージェス
わたしの願い
All I Desireナオミ・マードック
吹き荒ぶ風
Blowing Wildマリナ・コンウェイ
1954重役室
Executive Suiteジュリアヴェネチア国際映画祭 審査員特別賞 受賞
殺人目撃者
Witness to Murderシェリル
バファロウ平原
Cattle Queen of Montanaシエラネヴァダ・ジョーンズ
1955欲望の谷
The Violent Menマーサ・ウィルキンソン
辺境の追跡
Escape to Burmaグエン・ムーア
1956烙印なき男
The Maverick Queenキット
1957荒野の追跡
Trooper Hookコーラ
四十挺の拳銃
Forty Gunsジェシカ
1962荒野を歩け
Walk on the Wild Sideジョー・コートニー
1964青春カーニバル
Roustaboutマギー・モーガン
ナイト・ウォーカー 夜歩く者
The Night Walkerイレーネ・トレント
1965-1969バークレー牧場
The Big Valleyヴィクトリア・バークレーテレビシリーズ、112話に出演
1970戦慄の悪魔払い
The House That Would Not Dieルース・ベネットテレビ映画
1980チャーリーズ・エンジェル
Charlie's Angelsトニーテレビシリーズ、"Toni's Boys"に出演
1983The Thorn Birdsメアリー・カーソンテレビ・ミニシリーズ
ゴールデングローブ賞助演女優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)受賞
プライムタイム・エミー賞助演女優賞 受賞
1985ダイナスティ
Dynastyコンスタンス・コルビー・パターソンテレビシリーズ、3話に出演
1985-1986The Colbysコンスタンス・コルビー・パターソンテレビシリーズ、24話に出演

受賞歴
ゴールデングローブ賞
受賞
1986年 セシル・B・デミル賞
参照^ Callahan 2012, pp. 5?6.
^ "Ruby Catherine Stevens “Barbara Stanwyck”. Rootsweb; retrieved April 17, 2012.
^ Callahan 2012, p. 6.
^ Madsen 1994, p. 9.
^ Nassour and Snowberger 2000. [要ページ番号]

参考文献

Callahan, Dan. Barbara Stanwyck: The Miracle Woman. Jackson, Mississippi: University Press of Mississippi, 2012.
ISBN 978-1-61703-183-0.


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