バーチャル・リアリティ
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VRの映像を通して行われるeスポーツでは、Space JunkiesやHADO Xballなどのシューティングゲーム(STG)や球技に似たゲームが有名であり、大会も開かれている[26]。現在では、Virtuix社のVirtuix Omniなど装置の上で走ることができるVR機器も開発されている。

バーチャル・リアリティは新型コロナウイルスの影響で試合の観戦に人が集められない状況の中で仮想空間を通して試合を観戦する手段として活用された。2020年8月にCyberZ社が開催したRAGE ASIA2020というeスポーツの大会で、VR技術を活用し、eスポーツ観戦やイベント体験ができる日本初のバーチャル空間「V-RAGE(ブイレイジ)」が発表された[27]第5世代移動通信システム(en:5G)回線の普及により通信環境が整備されることでサービスの快適化が進められている。
VRの医療面における活用

VR技術は医療面における活用の研究も始まっており、日本IBM順天堂大学は、医療分野における仮想空間の研究を行っている。これは、患者が来院前に前もって入院、治療を体験するもので、従来の口頭による複雑な治療の説明をより分かりやすくし、患者の治療に対する理解を深めることを目的としている[28]。類似の取り組みは海外にもあり、マレーシアの病院グループであるIHHヘルスケアとインドネシアのシロアム・インターナショナル・ホスピタルズが、移動制限のある患者らのための遠隔診療の一環としてVRを用いた研究も行なっている[29]

また、VRによる暴露療法を用いた不安障害うつ病の改善を目的とした研究も存在する。 患者への負担や時間面、費用面などの課題がある暴露療法だが、実際に状況を用意するのではなくVRを使用することでこれらを大幅に抑えることが出来る上、画面を眺めるよりも没入感があるためより現実味のある状況再現が可能となり、治療効果が高まるとされている[30]
VRの課題
子供の視神経への配慮
10歳未満の子供がVRデバイスを利用して斜視になった症例が、過去に一件だけ報告されている
[31]。幼少期は目の筋肉や視力が発達途中で、大人よりも悪影響を及ぼしやすいとされる。ちなみに立体細胞は6歳までに形成され、瞳孔間距離については10歳ごろまでに発達するため、VRデバイスの業界標準では「対象年齢13歳以上」などと表示するなど保守的な設定となりつつある[32]
VR酔いとその軽減
詳細は「VR酔い」を参照人により程度が大きく異なるが、VRを使って平気な人がいる一方でVRの映像によって「VR酔い」を起こし頭痛や吐き気を催す人がそれなりの割合いる。PlayStation VRでは健康のための注意として映像上の光の表現(光の刺激)によって痙攣意識障害などの発作が起きることがあるとしており、頭痛、めまい、吐き気など体に不快感を感じたときはすぐに使用を中止して、治らない場合は医師に診察を受けることなどを注意をしている[33]。VR酔いはなぜ起こるのか完全な解明はされてはいないが、視覚系と前庭系の間でミスマッチが生じることではないかとされている[34]。 開発側でもこれらの問題が認識されており、不快感を軽減するため視点の移動速度やゲーム内の重力を調整するなどの対策が行われている[35]
普及速度の遅さ、その理由、メーカーへの負荷
2016年はVR元年といわれ、VRがブームになるだろうと期待されていたのだが、VR元年から1年がたった2017年に蓋を開けてみるとVRヘッドセットの売り上げは伸び悩んでいた[36]。毎年のようにブレイク寸前といわれるも、実態が伴わない状況が続いた[37]。デジタルマーケティング調査会社のスライブ・アナリティクスが2017年3月に「VRヘッドセットの購入を考えていない」と話すインターネット利用者を対象にその理由を聞くと「値段が高くコンテンツが少ない」「乗り物酔いになりそう」などの回答があった。中でも一番多い回答が「単純に興味がない」で53%だった[38]。VRのようなデバイスは任天堂バーチャルボーイ、マイクロソフトKinect立体テレビ放送と商業的に失敗したものが多い[39]。中国ではVRスタートアップの9割が倒産したと中国のメディアが報じている[40]。グーグルはスマホVRで勝負に出たが撤退した[41][42]。市場調査会社のIDCのデータでは、VR/ARヘッドセット市場は2022年初頭から23年にかけて54%減少。メタのヘッドセットを購入した消費者の半数以上が、6カ月以内に使用を中止したと報告されている[43]
VRを取り扱った作品「サイバースペース#サイバースペースを取り扱った作品」も参照.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}


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