バングラデシュ
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2024年総選挙では、主要野党がボイコットするなか与党のアワミ連盟が過半数を大きく上回る議席を獲得した[15]
元首詳細は「バングラデシュの大統領」を参照

旧イギリス植民地としてイギリス連邦に加盟するが、共和政体であるため総督を置かず、元首大統領である。大統領は、原則として、儀礼的職務を行うだけの象徴的地位である。任期5年で、国民議会において選出される。大統領は、首相と最高裁判所長官の任命以外は、首相の助言に従い行動する。ただし、議会と政府が対立して政治的混乱が起きた際は、議会を解散して暫定政府を発足させる権限がある。「バングラデシュ政府(英語版)」も参照
行政詳細は「バングラデシュの首相」を参照

行政府の長である首相は、議会選挙後に、勝利した政党の党首を大統領が任命する。内閣の閣僚は、首相が選び、大統領が任命する。

バングラデシュの貧困の一因として、政府のガバナンス(統治能力)の低さがあげられることがある。汚職がひどく、2011年の腐敗認識指数は2.7で世界120位に位置し、2003年の1.2よりかなり改善されたものの未だ低位にいることには変わりない。また地方行政が特に弱体であり、これにより、行政が上手く機能していない。それを補助する形で、各種NGOが多数存在し、開発機能を担う形となっている。特に、アジア最大といわれるNGOのBRACグラミン銀行などが規模も大きく著名である。
立法詳細は「国会 (バングラデシュ)」を参照

議会は、一院制で、Jatiya Sangsad(国会)と呼ばれる。全350議席で、このうち50議席は女性枠である。任期5年。選挙方式は小選挙区制だが、女性枠の議席は選挙結果をもとに各党に比例配分される[15]

民主化後、総選挙ごとに政権が変わるが、選挙による政権交代が定着してきている[注釈 4]。とはいえ、議会政治を担う政党に問題が多い[16]。選挙はおおむね公正なものとされるが、政党や政治風土には問題が多い。各政党は配下に政治組織を持ち[注釈 5]、選挙ごとに彼らを動員して選挙を繰り広げる。選挙終了後、敗北した政党はストライキや抗議行動に訴えることがほとんどで、しばしば暴動へと発展する。「バングラデシュの政党」も参照
司法

この節の加筆が望まれています。

国際関係詳細は「バングラデシュの国際関係(英語版)」を参照

南部の一部を除き大部分の国境を接するインドとは、独立戦争時の経緯や独立時の与党アワミ連盟が親インド政党だったこともあり独立当初は友好的な関係だった。元々、ムスリムとヒンドゥー教徒の対立がパキスタンへの編入を促した事情もあり、やがて関係は冷却化した。バングラデシュ民族主義党はやや反インド的な姿勢をとり、逆にアメリカ合衆国中国との友好関係を重視する傾向がある。「真珠の首飾り戦略」および「一帯一路」も参照

バングラデシュは多くの難民を受け入れ、また送り出す国である。東パキスタンとして独立した時には両国内の非主流派の信徒がお互いに難民として流れ込み、またバングラデシュ独立時にもパキスタン軍の侵攻を逃れて100万人近いバングラデシュ人が難民となってインド領へと流れ込んだ。さらに、チッタゴン丘陵地帯では政治的緊張が続いており、この地域の仏教系先住民がインドへと多く難民として流出している。

また、バングラデシュは隣接するミャンマーからムスリムのロヒンギャ難民を多く受け入れている。

バングラデシュは貧困国であるため、世界各国から多額の経済援助を受け取っている。日本は最大の援助国の一つであるが、近年は援助額がやや減少気味である。他に、アジア開発銀行やアメリカ、イギリス、世界銀行ヨーロッパ連合などからの援助が多い。
日本国との関係「日本とバングラデシュの関係」も参照
軍事PKOで活動中のバングラデシュ軍詳細は「バングラデシュ軍」を参照

バングラデシュ軍志願兵制度であり、兵力はおよそ14万人。バングラデシュ軍は国際連合平和維持活動(PKO)に積極的に人員を送っている。バングラデシュ軍は過去何度か軍事政権を樹立し、現在でも政治に大きな発言力を持つ。2006年にはBNP政権を退陣させ、アハメド選挙管理内閣を発足させた。
地理.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}バングラデシュの標高図。バングラデシュの地図。詳細は「バングラデシュの地理(英語版)」を参照

バングラデシュの国土の大部分はインド亜大陸ベンガル湾沿いに形成されたベンガルデルタと呼ばれるデルタ地帯である[注釈 6]。このデルタ地帯を大小の河川やカールと呼ばれる水路が網の目のように走っている。耕作可能面積率は59.65%と世界一高い。沼沢地とジャングルの多い低地[注釈 7] であり、ジャングルはベンガルトラの生息地として知られる。北をヒマラヤ山脈南麓部、シロン高原(メガラヤ台地)、東をトリプラ丘陵やチッタゴン丘陵、西をラジュモホル丘陵に囲まれ、南はベンガル湾に面している[17]。東部や東南部に標高100?500mの丘陵が広がる。

ヒマラヤ山脈に水源を持つ西からガンジス川(ベンガル語でポッダ川)、北からブラマプトラ川(同ジョムナ川)が低地のほぼ中央で合流し、最下流でメグナ川と合流して、流域面積173万平方キロメートルものデルタ地帯を作っている。デルタ地帯は極めて人口密度が高い。バングラデシュの土壌は肥沃で水に恵まれることから水田耕作に適しているが、洪水旱魃の双方に対して脆弱であり、しばしば河川が氾濫し多くの被害を及ぼす。国内の丘陵地は南東部のチッタゴン丘陵地帯(最高地点:ケオクラドン山(英語版)、1230m)と北東部のシレット管区に限られる。

北回帰線に近いバングラデシュの気候熱帯性で、10月から3月にかけての冬季は温暖である。夏季は3月から6月にかけて高温多湿な時期が続き、6月から10月にかけてモンスーンが襲来する。ほぼ毎年のようにこの国を襲う洪水サイクロン竜巻海嘯といった自然現象は、一時的な被害にとどまらず、森林破壊土壌劣化浸食などを引き起こし、さらなる被害を国土に対して及ぼしている。

地形の大部分が平坦なこと、洪水による地形の変化が多いことなどは、バングラデシュの国土測量を極めて難しいものとしている。日本の国土地理院の協力により、1/25,000の地形図の作成が試みられているが、2016年段階でも詳細な全国地図は完成に至っていない[18]

なお、主要都市のひとつであるチッタゴンの南に位置するコックスバザールは世界最長の天然のビーチとして知られる。
洪水

バングラデシュの殆どの耕作地域は雨季に河川の溢水により水に沈む。時折耕作地域だけでなく、土盛りして高台にしている住宅地や幹線道路も浸水被害を受ける。こういった大洪水はベンガル語で「ボンナ」(Banna)と呼ばれ、破壊と災厄をもたらすものとみなされる一方で、毎年起こる程度の適度な洪水は「ボルシャ」(Barsha)と呼ばれ、土壌に肥沃さをもたらし、豊かな漁場とありあまるほどの水、豊作をもたらす恵みの存在と考えられている[19]。ボンナが発生するとアウス稲、アモン稲の生産量に悪影響があるが、近年大洪水となった2004年および2007年でも10%程度のアモン生産量の減少にとどまっている。


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