バルバドス
理由は諸説あり、この島に生えている木の根が鬚のように見えたからという説、この木に生えた苔が鬚のように見えたからという説、木から垂れ下がった蔓草が鬚のように見えたからという説など。
歴史詳細は「バルバドスの歴史」を参照
先コロンブス期ヨーロッパ人の到来以前、この島には南米のギアナ地方から、アラワク族系インディオのシボネイ族が移住していた。その最古の移住者が訪れたのは4世紀半ばと考えられている。その後、好戦的なカリブ族にたびたび襲撃された。
植民地時代ムラートの女性(18世紀)
1500年 スペイン人がこの島に渡来。スペイン人はこの島を植民地化はしなかったが、その間、全ての先住民を奴隷としてイスパニョーラ島で強制労働させた。そのため、バルバドス島は無人島化してしまった。
1536年 ポルトガルの航海者ペドロ・カンポス
が、バルバドス島に上陸した。その後、スペインによる奴隷制プランテーション農園が開設されたが、やがて放棄された。
1625年 イギリス王チャールズ1世からカーライル伯ジェームズ・ヘイに、バルバドス島の独占所有権を含む植民地経営の特許状が下される[8]。植民地経営は軌道に乗り、1629年の末にはおよそ3000人の入植者が小アンティル諸島のカーライル伯領に入植していた。
1638年 カーライル伯の死亡とともに、王領植民地となる[9]。
イングランドの統治が始まってからは、1650年代にブラジル北東部からオランダ領ブラジル(英語版)が消滅して追放された元オランダ東インド会社のオランダ人農園主によって、マデイラ諸島からブラジルに導入されてエンジェニョ(英語版)(砂糖プランテーション)で培われたサトウキビの生産技術が導入され、カリブ海諸島で初となるサトウキビプランテーションがイギリス人の農園主によって経営された。当初は、イングランドの植民地となっていたアイルランドなどからの白人年季奉公人によってプランテーションが担われていたが、さらに安い労働力を大量に確保するため、最終的にはアフリカから黒人奴隷が連れてこられ、強制労働をさせられた。黒人奴隷が島の経済を支えていたが、1834年に奴隷制は廃止された。
1657年 入植者による本国政府に対する反乱が発生し、派遣された艦隊によって海上封鎖が行われる[9]。
1834年 奴隷制の廃止
1930年代 それまでイギリス人農園主などに独占されていた政治に対し、かつての奴隷の子孫からの参加要求が高まった。
1937年 黒人暴動が起こり、イギリス政府に結社の自由、労働組合の結成を認めさせた。
1938年 グラントリー・ハーバート・アダムズ(英語版)がバルバドス労働党を設立した。
その後、民主化は更に進行。
1939年 最初の自治議会が開設される。
1951年 普通選挙制が導入され、1961年には広範な自治権を獲得。
1958年 西インド連邦を結成し、周辺のカリブ海諸島のイギリス植民地と合同での独立を志向した。初代首相にはバルバドス自治政府でも初代首相を務めたグラントリー・ハーバート・アダムズ(英語版)が就任し、各植民地で独立のための住民投票を行ったが、ジャマイカの離脱などで連邦は瓦解。
1962年 再び単独でイギリスの自治領に復帰。
1966年11月30日 イギリス連邦加盟国かつ英連邦王国として独立を達成。
独立以後独立後、初代首相には、民主労働党
のエロール・バロー(英語版)が就任した。民主労働党政権は穏健な中道路線を取り、他のカリブ海諸国が経験した政治的混乱を回避した。また、観光開発に力を入れ、安定的な経済成長を実現した。
1976年からはバルバドス労働党が政権を組織したが、1986年の選挙で民主労働党のバローが再び首相に就任した。1994年の総選挙でバルバドス労働党が勝利し、以来1999年と2003年の総選挙でも勝利した同党のオーウェン・アーサー(英語版)党首が首相を3期務めた。2008年の総選挙では民主労働党が14年ぶりに政権を奪還し、バローの後継として同党を率いたデイヴィッド・トンプソンが首相に就任した。
2020年9月、バルバドス政府は英連邦王国を脱退し、大統領を元首とした共和制へ移行することを発表。2021年8月21日、ミア・モトリー首相は初代大統領に現職の総督サンドラ・メイソンを指名し、メイソンもこれに同意した。共和制に移行する2021年11月30日の独立記念日が就任日と定められ[7]、また憲法改正は2022年1月以降に行うことが併せて発表された[10]。
2021年11月30日、独立から55年目を迎え、エリザベス女王を君主とする立憲君主制を廃止し、共和制に移行する式典が開かれた。イギリス連邦にはとどまる[11]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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