バルト海
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2023年4月4日にはフィンランドが[23]、2024年3月7日にスウェーデンが正式加盟した[24]。これによりバルト海沿岸は、ロシア領のレニングラード州カリーニングラード州を除き、すべてがNATO加盟国の領土となった。
沿岸都市ヘルシンキ港タリン港クライペダ港

バルト海沿岸は非常によく開発された地域であり、大規模な都市が多く存在する。沿岸都市で最も大きなものは、人口470万人のロシア・サンクトペテルブルクである。

バルト海沿岸の大都市は、以下のようになっている(人口順):

都市名国人口都市圏人口
サンクトペテルブルク03/ロシア4,700,000人6,000,000人
ストックホルム01/スウェーデン0843,139人2,046,103人
リガ05/ラトビア0696,567人0842,000人
ヘルシンキ02/フィンランド0605,022人1,358,901人
グダニスク07/ポーランド0462,700人1,041,000人
カリーニングラード03/ロシア0431,500人
シュチェチン07/ポーランド0413,600人0778,000人
タリン04/エストニア0429,500人
グディニャ07/ポーランド0255,600人1,041,000人
キール08/ドイツ0242,000人[25]
エスポー02/フィンランド0257,195人※ヘルシンキ大都市圏の都市
リューベック08/ドイツ0216,100人
ロストック08/ドイツ0212,700人
クライペダ06/リトアニア0194,400人
オウル02/フィンランド0191,050人
トゥルク02/フィンランド0180,350人

海上交通網

バルト海は内海のため、海況が穏やかであり、また対岸までの距離も短いため、古くより海上交通網が発達している。現在は、移動時間の短い飛行機の利用も多いが、費用が安い、航空路がない、静養などの理由により船舶を利用する人も多い。貿易船の来航も多いほか、バルト海周辺各国の首都・主要都市からは毎日、シリヤラインタリンクなど海運会社の運航するフェリーなどの大型船舶が出航しており、近隣諸国の諸都市とを結ぶ重要な交通手段となっている。中にはバルト海クルーズを行うツアーも数多くある。また、北欧諸国特有の海上交通利用法として、ショッピング目的での利用がある。北欧諸国はどこも高福祉政策をとっているため税金が重く、特に酒や食料品など日用品も高税率となっている。しかし、国際航路であれば船上では免税となるために、安い品を求めて人々が国際航路に乗り込み、船上のショッピングモールで砂糖、肉類などを買い込むといったショッピングクルーズが盛んである[26]。これは北欧諸国がのきなみヨーロッパ連合に加盟した21世紀になっても、EU関税 同盟に加盟していないオーランド諸島に寄港することで免税条件をクリアする[27]などの方法で続いている。

バルト海南岸と北岸を結ぶ鉄道連絡船も数多く存在し、とくに島嶼の多いデンマーク国内を結ぶものや、ドイツ・デンマーク・スウェーデン各国を連絡するものなどがある。一般的には車両航送を行うものがほとんどで、乗客は列車に乗車したままバルト海を渡ることができる。しかし20世紀後半以降、各地で橋梁の建設が進み、連絡船は次第に数を減少させつつある[要出典]。

1980年代にはすでに小ベルト海峡を越えてユトランド半島とフュン島を結ぶ橋が架けられていたが、1997年6月1日には大ベルト海峡を越えてフュン島とシェラン島とを結ぶグレートベルト・リンクが開通し、さらに2000年7月1日にはエーレスンド海峡を越えてシェラン島のコペンハーゲンとスカンディナビア半島のマルメとを結ぶオーレスン・リンクが開通して、ここにバルト海を越えてヨーロッパ大陸とスカンディナヴィア半島を直接結ぶ鉄道・道路ルートが完成した。また、フェーマルン・ベルト海峡を潜って、ドイツのフェーマルン島とデンマークのロラン島を結ぶフェーマルン・ベルトトンネルの建設が現在進んでおり、これが完成すればハンブルクとコペンハーゲンの間がさらに短縮される[要出典]。
政治

冷戦中は、東側に属するソヴィエト連邦と西側に属する西ドイツ、および中立を標榜する北欧諸国との角逐の場であったが、冷戦終結とソヴィエト連邦崩壊とともに地域協力の必要性が生じ、1992年には沿岸10か国とアイスランドの加盟するバルト海諸国理事会が設立された。2005年、ロシア大統領のウラジーミル・プーチンはバルト海の海底を通ってロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプラインノルド・ストリームの建設協定を締結し、2011年11月8日に稼働を開始した[28]
環境

バルト海は狭いスカゲラック海峡を通じて北海にしか通じていない閉鎖性海域であり、海水が滞留しやすく水の入れ替えが少ない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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