バルカン人
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精力的で機知に富む地球人と精神性と論理を尊ぶヴァルカン人の組み合わせは、興味深い相互作用効果を生むようだ。熱血漢のカークが思わず漏らしたスラング(例えば「光子魚雷をぶちまけろ!」など)に対して、スポックが「船長、その表現は非論理的です」などというやりとりも面白い。レナード・ニモイによるヴァルカン・サリュート(英語版)

人指し指と中指、また薬指と小指をそれぞれくっ付け、中指と薬指の間と親指を開いて、相手に掌を見せつつ、「長寿と繁栄を」"Live long and prosper"と言うヴァルカン式挨拶(ヴァルカン・サリュート(英語版)"?")は有名で、スタートレックファンの間で広く知られるが、しばしば他のSF作品などの中でも、パロディとして登場している。この手の形は、地球人には先天的にできる人とできない人がいる。

また、片眉を吊り上げて否定的驚きを表すこともあり、スポックが頻繁に見せる。さらにヴァルカン・アタック(Vulcan nerve pinch, ヴァルカン神経掴み)と呼ばれる、首の付け根の辺りを強く掴んで神経を圧迫することで相手を気絶させる攻撃ができる。この技はヒューマノイド型であれば種族は問わず有効である(ただしボーグは例外)。戦闘を好まないヴァルカン人にとっては、やむをえない時にのみ使用するようだ。このヴァルカン・アタックは非常に強い握力と繊細な指先の感覚が必要であり他種族では習得が難しい。映画『ST3』においてスポックがドクター・マッコイに乗り移っている時に試みた際には失敗している。新スタートレックに登場するアンドロイド・データはこれを簡単にやってのけ、スポックから「やるね(Not bad)」と称賛を受けた。

ロミュラン人とはもともと同一種族であったが古代に分離している、ロミュラン側は非常に感情的で攻撃的である(後述)。スポックがロミュランとバルカンの再統一を目指した後、3189年までには”ニバー”として再統一がされている(『スタートレック:ディスカバリー』シーズン3)。

宇宙大作戦の時代の後付け設定では「男性名は必ず『S―』、女性名は必ず『T'-』から始まる」とされていたが、宇宙大作戦の劇場版以降の作品ではなかったことにされている。ちなみに、英語の綴りは、トゥヴォックは「Tuvok」、トゥポルは「T'Pol」(後者は「T」の後に母音がない)と、明確に区別されている。
シリーズ中でのバルカン人(ヴァルカン人)の描写

ポンファーと呼ばれる7年毎の発情期があり、本来感情を抑制することを尊ぶヴァルカン人にとっては、自己嫌悪や屈辱的な気分に襲われることもあるようだが、それ以上に身を焦すような焦燥感を含む苦痛を味わい、生殖活動(精神的な接触も含まれるようだ)を行わないと、苦しみの内に死ぬ事もある。このため7歳の時に婚姻した相手と交わるか、船内娯楽設備のホロデッキと呼ばれるバーチャルリアリティで性的な葛藤を処理することになる(VOYトゥヴォックは、妻に会えないのでポンファーの時期をホロデッキで過ごす。さらにトム・パリスハリー・キムにポンファーの時にできた娘から年齢を計算されている)が、特定の異性に熱烈に迫る傾向が強過ぎて、ホロデッキで処理することができない場合もある。また、クナット・カリフィーと呼ばれる決闘でも発情を収めることができる(これは主に婚姻に異議のある者との配偶者を取り合う死闘である)。この期間のヴァルカン人は感情的で少々危険ですらある。なおこの期間が過ぎれば(多少の自己嫌悪は残るものの)元に戻る。

元来、ヴァルカン人は感情的な部分を強く持っており、非常に好戦的ですらあった。しかし哲学者スラクの提唱したイディック(Idic)という思想に基いて、テレパシーを用いた精神融合により感情をコントロールする術を学んだとされる。血気盛んな青年期には感情が暴走する傾向も強いため、このイディックを学ぶ事が必須とされ、論理を否定する者にはヴァルカン・マスターと呼ばれる長老的人物がイディックを教えることになる(VOYのトゥヴォックもこの経験がある)。また、高齢になるとベンダイ症候群という病気(一種の加齢による精神障害)等によって、感情の抑制が効かなくなることもある。

なお、このイディックに不信を抱き、ヴァルカン人と袂を別ったのが、後のロミュラン人とされている。

この生来の感情は、人類のそれよりも遥かに強烈な物で、『新スタートレック』のピカード艦長は惑星間平和調停の付いている最中の、ベンダイ症候群で感情の抑制が効かなく成り始めていたヴァルカン大使サレクスポックの父)の感情を抑えるべく、イディックの真髄とも言える精神融合を行い、そのあまりに強烈な感情に翻弄され、危うく人格を破壊される寸前にまで追い込まれた。無事で済んだのはピカードが長年の訓練によって習得した自己抑制の結果であって、普通の人間なら、あまりの感情の強さに死に至る危険のある行為ですらあった。

自室でも瞑想(日本の座禅と考え方が近い)や、カルトーという一種のパズルなど論理的思考力を養うゲーム等をしている。また、精神融合をするにもこの瞑想をして精神をより研ぎ澄まさなければならない(精神融合が諸刃の剣のため)。バルカンの精神修養法は他種族も行うことができる。『スタートレック:ピカード』シーズン1第9話では、人工生命のスートラも精神融合を行っており、精神融合はバルカン人に限られた技ではないが、地球人に精神融合ができるかどうかの描写は無い。作品内で精神融合は精神修養の他、言語を持たない知的生命体との意思疎通や他者から情報を強制的に引き出す用途にも用いられている。精神修養の一環で武術を行うものも多く、トゥボックは弓術の達人でもあり、サレクは襲い掛かってきたテラライト人大使を苦も無く弾き飛ばす。

バルカン人の中には感情を開放すべき、または感情を抑制せずに論理との調和を求めるべきと考える者達も存在するが、彼らは多数のバルカン人から異端として扱われている。


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