バリー・ジト
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しかしその一方で、運の要素を排除する "DIPS という指標を基にして算出されたジトの成績は年々下降を続けていた[10]

2006年7月に代理人アーン・テレムから変わりスコット・ボラスと契約[11]。シーズン終了後の11月1日にFAとなった。
ジャイアンツ時代ジャイアンツ時代

FAとなったジトの獲得にはマリナーズやニューヨーク・メッツ、レンジャーズなどが乗り出した[12]。そして12月29日にサンフランシスコ・ジャイアンツと契約した[13]。契約総額は当時の投手史上最高額となる7年1億2600万ドル(8年目の2014年は1800万ドルの球団オプションで違約金は700万ドル)である[14]投球練習をするジト(2007年)

2007年は不調で前半戦は6勝9敗。スロースターターなので後半戦に盛り返せるかと思われたが、後半も5勝しか挙げられなかった[15]。打線の援護も9イニング当たり3.87点とリーグワースト3位で[16]、11勝13敗で自身初の負け越しとなったうえ、防御率も前年より0.70悪化した。7年ぶりに投球回数が200イニングを下回り、8月5日のサンディエゴ・パドレス戦ではメジャーで初めてリリーフで登板した[16]

2008年にはさらに不振が深刻化した[17]。4月末までに開幕6連敗、防御率7.53という成績を喫する。これは1956年以降では1984年デーブ・スチュワート、2003年のマイク・マロースに続く3人目の記録となってしまった[18]。この不振の結果、4月7日のホーム開幕戦のセレモニーの選手紹介ではファンから唯一ブーイングが起きた[19]。4月28日にチームはジトを中継ぎに降格させることを発表したが[20]、中継ぎでの登板はなく、5月17日までに先発投手では球団ワーストタイ記録となる開幕8連敗を記録した[19]。ジトは「この大不振から立ち直ってみせる」と誓い[17]、後半戦は6勝5敗で勝ち越した。シーズン通算で17敗はリーグワースト、与四球は100の大台を上回った。

2009年は10勝13敗と負け越すも、防御率はジャイアンツ入団後最高と、改善の兆しが見えた。

2010年は開幕から6試合で5勝を挙げる好調で、6月12日には古巣のアスレチックスから白星を挙げ、在籍2球団目にしてメジャー全30球団からの白星を達成。しかし後半戦は2勝10敗と負けが込み、ポストシーズンのロースターからも外れた。

2011年は右足の怪我で故障者リスト入りしたがその後復帰。しかし8月13日の試合で右足首を負傷し、傘下のAAA級フレズノ・グリズリーズに降格。その後も登板はなかった。

2012年は怪我から復帰し、4月9日のコロラド・ロッキーズ戦に先発。アスレチックスに所属していた2003年以来の完封勝利を挙げた。6月3日のシカゴ・カブス戦では通算150勝を達成。防御率こそ例年並みだったが、15勝8敗と移籍後初めて勝ち星を先行させた。セントルイス・カージナルスとのナショナルリーグチャンピオンシップシリーズでは5試合目に登板し、7.2回を無失点に抑え勝利投手となった。自身初めての出場となったワールドシリーズではこの年不振だったティム・リンスカムに代わって先発ローテーション入り。1試合目に登板しジャスティン・バーランダーとの投げ合いとなったが、5.2回を1失点に抑え勝利投手となり、2年ぶりの世界一に貢献した。

2013年11月2日に1800万ドルの球団オプションを破棄され[21]、FAとなった。
アスレチックス復帰

2014年は休養し、2015年2月17日に古巣アスレチックスとマイナー契約を結ぶ。傘下のAAA級ナッシュビル・サウンズでプレーし、リーグ3位の防御率3.46を記録。9月16日にメジャー契約となり40人枠入り。初先発となった9月26日のジャイアンツとのベイブリッジシリーズ(英語版)では、かつて共にビッグ3を形成したハドソンとの投げ合いが実現した。この年は復帰登板を含め、3試合 (うち2試合が先発) に投げ、防御率10.29を記録した。シーズン終了後の10月19日に現役引退を表明した[22]
選手としての特徴

オーバースローから二種類の速球フォーシーム、ツーシーム)とカーブチェンジアップスライダーを投げ分け、球速自体は遅く、キャリアの前期にも時折92mph[23](約148km/h)に達する程度であり、その後は選手生活を通じて下がり続け、2006年の速球の平均球速は85.8mph(約138.1km/h)と、アメリカンリーグでも屈指の遅さであるが[24]、球の出所が見づらい投球フォームとずば抜けた腕の振りの速さにより浮き上がるような軌道のフォーシームを投げる[25]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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