バラカ原子力発電所
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4基全てが稼働すれば、同国の電力需要の25%を供給できるという[3]
韓国企業体受注までの経緯

原子力発電所の受注は、フランスアメリカ日本の企業連合体と争う中で、韓国の企業体が落札。落札にあたっては格安の工事費に加え、何らかの付帯条件があったものと推測されており、2010年の韓国国会国防委員会では、ハンナラ党議員がUAE側との密約の有無を追求する場面もあった。なお、2017年以降、文在寅政権が李明博政権時代の政策を洗い出す中でUAEの有事の際に韓国軍が自動参戦する自動介入条項を盛り込んだ秘密軍事協定の存在がわかり、国会の承認を得ずに軍事同盟を締結した憲法違反であるとして波紋を呼んだ[4][5]
発電所の整備・修理契約

韓国側は、バラカ原子力発電所の完成後に必要となる長期整備契約について、韓国製発電所の整備に実績のある韓国企業が随意契約で受注する想定をしていたが、UAE側は2017年、長期整備契約を国際競争入札で決定する方針を確定。韓国側のプランが揺らぐこととなった。2018年末には、UAE原子力公社の幹部が訪韓し、韓国側の企業に入札時の提示額を低くするよう釘をさした[6]
建設時の問題等

2018年12月、前年の段階で3号機格納建物のコンクリート壁で、グリスの漏出が発見されたことが報道された[7]。格納建物のコンクリート壁は、内部にテンドン(PC鋼線より線)を張って強度を高めたプレストレスコンクリート製(日本では大飯原子力発電所で同様の構造が採用されている[8])であり、グリスはPC鋼線より線の腐食を防止するために封入されている。グリスの流出がコンクリート壁の亀裂によるものであれば、コンクリート壁の強度が低下している可能性もあること、また長期的にみればPC鋼線より線の腐食が進行した場合、プレストレスコンクリートとして想定している強度が得られなくなる可能性もある。
年表2009年のアラブ首長国連邦と米国の代表者の間の平和的な原子力の分野における協力に関する二国間協定

2009年12月27日 - 韓国の企業体の受注が決定。

2012年 - UAE原子力規制委員会が原子炉建設を承認。2013年にバラカを訪問した国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長

2014年5月20日 - 朴槿恵大統領(当時)が現地訪問。原子力発電所1号機の原子炉設置式典に出席[9]

2016年10月20日 - アラブ首長国原子力会社(ENEC)傘下の原子力発電所運営・管理事業法人に韓国電力公社が共同投資することが決定[10]

2017年12月3日 - イエメンの反政府勢力、フーシがアラブ首長国連邦の原子力発電所に向けて弾道ミサイル発射したと発表。同時、UAE政府は発射を否定[11]

2018年3月25日 - 最初の原子炉が完成し、アブダビで竣工式が開催される。ムハンマド皇太子と文在寅大統領が出席[12]。同年中に2号機も完成、核燃料未装荷状態でのテストが開始された。運転開始は、2019年末か2020年初頭頃とされている[13]

2020年8月1日 - 4機あるうちの1機で操業を開始した。アラブ地域での初の原子力発電の開始となる[14]

原子炉原子炉型建設開始営業運転注釈
1号機APR-14002012年7月19日2021年4月1日[15][16][17][18][19]
2号機APR-14002013年4月16日2022年3月24日[20][21]
3号機APR-14002014年9月24日2023年(予定)[22][23]
4号機APR-14002015年7月30日2023年(予定)[24][19]

建設の進捗率

1号機は2018年12月の時点で100%完成。2021年4月に商用サービスを開始
[25]

2号機は2021年 4月の時点で100%完成[26]

3号機は2021年 4月の時点で94%完成し、冷間静水圧試験が実施された[27][28]

4号機は2021年 4月の時点で89%完了[29]

2020年7月現在、全体の竣工率は94%[30]

2020年7月に1号機で核分裂が開始され、2020年8月1日に臨界状態に達した[31]。1号機は2021年4月6日に商業運転を開始した[32]



脚注[脚注の使い方]^ UAE原発建設、韓国企業連合が受注 ロイター(2009年12月28日)2018年1月21日閲覧
^ Safe Start-up of Unit 1 of Barakah Nuclear Energy Plant Successfully Achieved Emirates Nuclear Energy Corporation 2020年8月1日
^ ENEC Completes Construction of Unit 2 of the Barakah Nuclear Energy Plant Emirates Nuclear Energy Corporation 2020年7月14日
^“李明博政権、UAEと秘密軍事条約…「憲法違反」の波紋”. ハンギョレ. (2018年1月10日). ⇒http://japan.hani.co.kr/arti/politics/29457.html 2019年7月7日閲覧。 
^「UAE軍事秘密協定に非常時の韓国軍自動介入盛り込む」 中央日報日本語版(2018年1月8日)2018年1月21日閲覧
^ “韓経:脱原発の韓国の弱点狙ったUAE、整備価格買いたたき”. 中央日報 (2018年1月8日). 2019年1月12日閲覧。
^ “ ⇒「重大問題」発生 UAEで建設中の韓国製原発に亀裂か ハンギョレ新聞報道”. ZAKZAK (2018年12月18日). 2018年12月19日閲覧。
^ “電力会社の特徴を知ろう 関西電力編(原子力発電所の項)”. エネサポ (2017年4月22日). 2019年1月12日閲覧。
^UAE訪問の朴大統領 「韓国型原発」建設式典に出席Yonhap news(2014年5月21日)2018年1月21日閲覧
^韓国電力公社、UAEのバラカ原子力発電所の運営管理に参加 日本原子力産業協会(2016年10月21日)2018年1月21日閲覧
^ 「原発にミサイル発射」イエメン反政府組織 UAE否定 朝日新聞DIGITAL(2017年12月3日)2018年1月21日閲覧


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