バヌアツ共和国
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バヌアツは、メラネシア系の言葉「バヌア(土地)」と「ツ(立つ)」の合成語で「我々の土地」「独立した土地」といった意味がある[4]
歴史詳細は「バヌアツの歴史(フランス語版、英語版)」を参照

バヌアツの島々には、数千年前にオーストロネシア語族の人々が渡来してきて定住し始めたと考えられている。その最古の遺跡は、約4000年前のものだと推定されている。1452年から1453年にかけて、海底火山クワエの大噴火が複数回起こり、世界の歴史に大きな影響を与えた。ニューヘブリディーズの地図(1905年

バヌアツは元々メラネシア人の居住地であった。ヨーロッパ人で最初にこの島を訪れたのは、ポルトガル人のペドロ・フェルナンデス・デ・キロスで、1606年4月27日にサント島に上陸している。ヨーロッパ人による植民が始まったのは、英国ジェームズ・クックによる調査が行われた18世紀末以降のことである。1774年、クックがこの地域をニューヘブリディーズと命名した。英仏間で衝突が繰り返された後、1906年に両国は、ニューヘブリディーズ諸島を共同統治領とすることに合意した。

太平洋戦争中は、アメリカ軍が現在はバヌアツ領のエスピリトゥサント島を基地化して、日本軍珊瑚海海戦ソロモン諸島の戦いなどを展開した。

1960年代、バヌアツの人々は自治と独立を要求し始めたが、英語系とフランス語系の島民が対立した。1974年タンナ島ではイギリス主導の独立に反感を抱いていたフランス人の農園主アントワーヌ・フォルネリジョン・フラム運動の支持者らと共にタンナ国としての分離独立を試みたものの、正式な独立宣言を行う前に治安部隊によって逮捕された。1975年にはサント島を中心とした島々でナグリアメル連邦(英語版)として分離独立の宣言も起きた。1980年に入るとバヌアツの独立を求める声が高まり、タンナ島で再びタフェアン共和国として独立運動が起きたが、これはイギリス軍の制圧で分離独立運動は終結した。同年8月21日にはエスピリトゥサント島のフランス語系住民が独立に反対して分離運動が起き、ベマラナ共和国を名乗った。「ココナッツ戦争(英語版)」も参照

1980年7月30日イギリス連邦加盟の共和国としてバヌアツが独立。フランスは政情不安を理由に最後まで独立に反対の立場であったが、これにより事実上、英仏の共同統治下から独立し、大統領国家元首とする「バヌアツ共和国」として出発した。独立した同年にメラネシア社会主義を掲げるバヌア・アク党のウォルター・リニが首相に就任。1991年の社会主義国家の相次ぐ崩壊に伴ってウォルター・リニは党内外から批判が高まり、1991年に解任された。その後、総選挙によりフランス語系の穏健諸党連合のカルロが首相に就任、国家連合党と連立政権を成立させた。2006年7月には環境NGO「地球の友」とシンクタンク「新経済財団」が「地球上で最も幸せな国」に選んだ。

2010年代には中華人民共和国に接近することで多額の投資を引き出すことに成功。これにより首相官邸や大型の会議場、スポーツ施設、港湾などの建設が行われ、インフラの充実が図られた[5]
政治国会議事堂詳細は「バヌアツの政治(フランス語版、英語版)」を参照
行政詳細は「バヌアツの大統領」および「バヌアツの首相」を参照

国家元首の大統領は、儀礼的・象徴的役職である。任期5年で、議会の議員と各州議会議長によって構成される大統領選挙会における投票によって次期大統領を決定する。当選には、3分の2以上の得票が必要で、その条件を充たすまで何度も投票を繰り返す。

2004年の大統領選挙では、32人が立候補し、4月8日から12日まで4回の投票を行い、ようやく決定した。

行政府の長である首相は、議会が議員選挙直後に議員の中から選出し、大統領が任命する。閣僚は、首相が指名し、議会に責任を負う(議院内閣制)。
議会詳細は「バヌアツ議会」を参照

議会一院制。議席数は52で、全て民選。任期4年。

慣習と土地の問題に関しては、部族の首長によって構成される評議会が、議会に助言を与える。「バヌアツ憲法(フランス語版、英語版)」および「バヌアツの法律(フランス語版、英語版)」も参照
政党詳細は「バヌアツの政党(フランス語版)」を参照

バヌアツには13の政党が存在している。2016年1月22日に行われた前回総選挙では、バヌア・アク党と穏健政党連合、国土正義党の3党が各6、国民統一党とイアウコ・グループが各4、ナグリアメルとナマンギ・アウテが各3議席を獲得するなどした[6]
司法

司法権は最高裁判所に属している。「バヌアツ最高裁判所(英語版)」も参照
国際関係詳細は「バヌアツの国際関係(英語版)」および「日本とバヌアツの関係」を参照.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

太平洋諸島フォーラム太平洋共同体に参加し、南太平洋の他の島嶼国家や太平洋沿岸諸国(日本や米国、オーストラリア、ニュージーランド、中国など)および太平洋の離島を領有する英仏と連携している。「バヌアツの外交代表団(英語版)」も参照
軍事・防衛

バヌアツはバヌアツ警察隊(VPF)と海洋警察隊(PMW)、準軍事組織であるバヌアツ機動隊(英語版)(VMF)を保有し、全体の規模は約550名である。

中国が2022年4月にソロモン諸島と安保協定を結んで南太平洋で勢力を拡大していることに対抗して、オーストラリアはバヌアツと同年12月13日、防衛や治安維持、災害救助を支援する協定に署名した[7]

南太平洋非核地帯条約により、域内での核兵器の配備や核実験は禁止されている。「太平洋諸島警察機構(フランス語版)」も参照
地理バヌアツの地図タンナ島のヤスール火山火口詳細は「バヌアツの地理(フランス語版、英語版)」を参照

バヌアツは800kmにわたって北北西から南南東に連なる83の島からなり、それらはニューヘブリディーズ諸島と呼ばれる。そのうち、住民が居住する島は約70である。

最大の島はエスピリトゥサント島(3947km2)。同島のタブウェマサナ山 (1878m) がバヌアツの最高地点ともなっている。最大の町は、エファテ島にある首都ポートビラ(33,900人)、2番目はエスピリトゥサント島のルーガンビル(8,500人)。人口は2002年のデータ。

バヌアツの島の約半分は火山島で、険しい山の周りに平地が僅かにある。特にアンブリム島タンナ島、ロペヴィ島、アンバエ島の火山は活火山として活動が継続している。残りは、サンゴ礁からなる島である。バヌアツの火山は、太平洋プレートオーストラリアプレートに潜り込むサブダクション帯によるものであり、環太平洋火山帯の一部をなしている。


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