批評家は、映画が20世紀の終わりの日本社会の問題を反映した社会的主張
であるという意見をしばしば発表した。一部の視聴者は、『バトル・ロワイアル』を日本経済の失われた10年への風刺であるとみなしている。他の人は、日本の景気減速の結果として、エリート主義に非常に有利な非常に競争的な日本の雇用市場の為の学生の準備の失敗など、日本の教育制度への批判と見なしている。他に校内暴力や若者と老人との社会的、政治的、経済的分裂を生み出している日本のジェネレーションギャップの問題が含まれている、といった解釈もなされている[31]。DVDでリリースされた後には、カルト的な支持を集めた[32]。クエンティン・タランティーノは、『バトル・ロワイアル』をここ数十年で最も影響力のある映画の一つと考えている[33]。この映画は世界的な大衆文化に大きな影響力を与えており、世界中の様々なメディアで数多くのフィクション作品を生み出している。この映画が公開されて以来、「バトルロワイヤル」という用語は、この映画に触発された架空の物語のジャンルおよび、ゲームの形式を指すように再定義された。
映画・テレビドラマ
アメリカでは長い間、公式に公開されていなかったにもかかわらず、『バトル・ロワイアル』はしばしばアメリカのポップカルチャーで言及されており、タランティーノ監督の映画『キル・ビル』[34]からロックバンドのザ・フレーミング・リップスが「ヨシミ・バトルズ・ザ・ピンク・ロボッツ」ツアーの背景に映画の映像を使用したことや[34]、「LOST」や「コミュニティー」(en:Community (TV series)
)などのアメリカのテレビドラマに至るまで、様々な形で言及されている[35]。批評家はまた、『バトル・ロワイアル』が『キル・セオリー(英語版)』(2009年)[36]、『ザ・トーナメント(英語版)』(2009年)[37]、『ハンガー・ゲーム』3部作など、他の映画にも影響を与えていることに言及している[38][39]。"バトルロワイヤル"映画の他の例としては、『パージ』シリーズ(2013年)、『アサシネーション・ネーション』(2018年)、『レディ・オア・ノット』(2019年)、『ザ・ハント』(2020年)などが挙げられる。日本では、『バトル・ロワイアル』のルール、設定を軸にした漫画・アニメが多く生まれ、ジャンルとして定着した。
バトルロイヤルゲーム
詳細は「バトルロイヤルゲーム」を参照
縮小する戦場でプレイヤーが最後の一人になることを競うバトルロイヤルゲームが2010年代に流行した。ジャンルの名称は、『バトル・ロワイアル』からそのまま取られている[40]。このジャンルは2010年代後半に人気を博し、『ARMA 3』、『H1Z1: King of the Kill』、『PlayerUnknown's Battlegrounds』、『フォートナイト バトルロイヤル』、『荒野行動』、『Rules of Survival』、『Garena Free Fire』、『Apex Legends』、『Realm Royale』、『Call of Duty: Black Ops 4』のゲームモード「Blackout」、『Call of Duty: Warzone』などがこのジャンルの例として挙げられる。 2004年6月1日、小学6年生(当時11歳)の少女が小学校内で同級生を殺害するという佐世保小6女児同級生殺害事件があったが、この児童は小学3年生から原作小説のファンであり、事件の前にはこの映画(R15+)のDVDを姉のレンタルカードを利用して借りたり、この作品の二次創作小説を執筆していた。 また上記の事件に加えて、東京都大田区の中学校の放送室に中学生が籠城して劇中のビートたけしのセリフを引用して「今から皆さんには殺し合いをしてもらいます」と発言した事件の影響のために、再編集版『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌 REVENGE』の発売が延期となった[3][8]。
受賞
第24回日本アカデミー賞[41]
最優秀編集賞(阿部浩英)、優秀作品賞、優秀監督賞(深作欣二)、優秀脚本賞(深作健太)、優秀主演男優賞(藤原竜也)、優秀音楽賞(天野正道)、優秀録音賞(安藤邦男)、新人俳優賞(藤原竜也、前田亜季)、話題賞(作品部門)
第43回ブルーリボン賞
作品賞、新人賞(藤原竜也)
第14回日刊スポーツ映画大賞[42]
新人賞(柴咲コウ)※『GO』と両作品による受賞
第74回キネマ旬報ベスト・テン
日本映画第5位
第19回ゴールデングロス賞[43]
優秀銀賞、話題賞
第15回DVD&ビデオでーた大賞
日本映画部門賞
社会問題
備考
作品設定
原作ではパラレルワールド「大東亜共和国」が舞台であるが、映画版では再軍備した後の近未来の日本(ただし劇中に国名は一切出ず、プロモーションでも「東京」を「首都」と表記するなどしていた)を舞台としている。この改変は「死と向き合う中学3年生」を軸に、子供と大人の関係も含め、より現実的に映像化したいという深作の意向によるものである[44]。また、ゲームの法的根拠は「戦闘実験第六十八番プログラム」ではなく「新世紀教育改革法」(通称:BR法)によって実施される。冒頭部でその立法の所以が出てくるが、本編中では特に社会的な背景などは説明されない。ラストシーンは小説の大阪の梅田、JR大阪駅周辺ではなく東京の渋谷になっている。