バトル・ロワイアル
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しかし実際は「見知った者同士による殺し合い」という状況を見せつけることで国民の間に相互不信をもたらし、反政府勢力の結集による革命を防ぐことが最大目的である[12]。そのついでに、政府高官たちの間で「誰が優勝するか」の賭けが行われている[13]

施行時は大規模な反対運動が起こったが、現在では忌み嫌われているものの表立って反対する者はいない状況となっている。

映画版では、新世紀教育改革法(通称BR法)という新法のもと「子供に対する恐怖支配で大人の権威を復活させるため殺し合いを強いる」という設定になっており、対象のクラスは原作の毎年50クラスに対して毎年1クラスとされる。
ルール

スタート地点を出た段階から殺し合いがスタートすることになる[14]。政府からエリア内の施設では電話が止まっていることが知らされ[15]、また、説明はされないが電気やガスや水道等のライフラインは止まっており、携帯電話も中継局が押さえられているため外部と通じない[16]。基本的に反則行為はないが、2人以上の生存を目的にプログラム実施システムを無効にすることや、プログラム実施者である政府を攻撃することなどの反抗活動は禁止されている。
支給品

生徒らにはそれぞれ、食料(パン[17]、飲料水(約1リットルの水が入ったボトル2本)[18]地図[19]方位磁針(安物のブリキ製)[20]、時計(原作では腕時計[21]、漫画版では懐中時計)、懐中電灯[17]、特定の武器が入ったデイパックが与えられる[19]。プログラム開始前に持参していた私物の所持も可能だが、前述の通り携帯電話の使用は不可。

生徒に支給される武器は完全にランダムである[19]ショットガンサブマシンガンなどの銃器(アタリ武器と呼ばれる)、アーミーナイフなどの刃器が多いが、簡易レーダーや防弾チョッキの様な補助的ツールもあり、中にはフォークブーメランなど殺傷能力がほぼ無いもの(ハズレ武器と呼ばれる。映画版ではハリセンや鍋蓋など、よりシュール)もある。これは戦いに不確定要素を盛り込み、全員に少しでも優勝の可能性を与えるためである[19]。また他の生徒から武器を奪っても良い。
首輪

このゲームを成立させる上で、最も重要なアイテムが首輪(正式名称:ガダルカナル22号[22])である。生徒たちは必ずこれを装着させられる[23]

それぞれの首輪には発信機が付いており、これによって生き残っている生徒とその現在地を政府が把握している[23]。建物や掘った穴に隠れても首輪に電波は届き、防水措置もされている[24]。また爆弾も取り付けられていて、首輪を無理に外そうとしたり、禁止エリアに侵入を試みた時などは爆発するようになっている[24]

さらに、生徒たちには知らされていないがこの首輪には盗聴器も内蔵されており[25]、脱出や反逆行為の企てなどプログラムの根幹を崩そうとする行為はいち早く発見され、最悪の場合は政府が遠隔操作でその生徒の首輪を爆破することもできる模様[26]。なお、首輪は各個体に三系統のシステムを搭載しているため、仮に一システムが故障する確率が1%だとしても、三系統あるため100万分の一の確率でしか故障しないといわれている。

電気回路をいじることができ、内部構造を知っている者であれば、ラジオなどに入っている部品を使って簡単に外すことが可能である[22]。ただし内部構造は国家機密[22]
禁止エリア

このゲームでは禁止エリアが設定されている[27]。このエリアに入ると、首輪が爆発する仕組みになっている[27]

初めに、睡眠ガスで眠らせるなどして強制的に会場まで連れて来られた対象クラスの生徒全員を1ヵ所に集め、プログラムの開会式とルール説明が行われる[28]。その後、予めくじで決められた順に、兵士たちがいるスタート地点から2分おきに生徒1人1人を出発させる(先に出発した生徒の方が有利になりがちなので、公平性を保つための措置。作中行われたプログラムでは偶然出席番号1番の男子から出発となった)[29]。最後の生徒が出発した20分後をもって、そのスタート地点から半径200mが禁止エリアとなり[27]、その後は最初の定時放送の1時間後から2時間毎にエリアが3つずつ増えていく[30]。禁止エリアの座標はコンピューターによって不規則に決められるので、どこが禁止エリアになるのかは放送を聞くまで分からない[15]。なお、出発する時間になってもスタート地点を離れない生徒は政府による殺害対象となる[14]。これはスタート地点を警備している大人数の武装兵士が、武器を持った生徒たちから襲撃される事態に備えるため[31]

禁止エリアの範囲は政府から支給された地図に記されているが、地面に目に見える線やロープが存在する訳ではない。

このゲームは1ヵ所に留まって動かないことが得策なので、それを防いで強制的に生徒たちを移動させ、他の生徒と遭遇するように仕向けるためにこの「禁止エリア」システムが敷かれた[15]。1度禁止エリアに設定されたエリアはゲーム終了まで解除されることがなく、時間が経過するにつれて行動範囲が狭められ、遭遇率が高くなるのである[15]

プログラムの舞台が離島の場合、海に逃亡しようとする者を射殺する船が東西南北に1隻ずつ配置されている[23]
定時放送

ゲーム中には1日4回、午前と午後の0時と6時に放送が流れる[23]。放送では、ゲーム開始後または前回放送後からその時の放送までの間に死亡した生徒の名前が名簿順(映画版では死亡順)に読み上げられる。その後、放送から1時間後、3時間後、5時間後の禁止エリアの座標が告知される[24]。優勝者が決定した時も、放送によってその旨のアナウンスが行われる[32]

映画版の場合、最初にラデツキー行進曲など有名なクラシック音楽が流れる。
タイムリミット

このゲームにはタイムリミットがあり、24時間に渡って死亡者が出ない場合は時間切れとなる[27]。時間切れになると生存者全員の首輪が爆破され、優勝者無しとなる[27]。しかし、時間切れによって決着したケースは全体の0.5%程度しかない[33]


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