バットマン_(架空の人物)
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ボブ・ケインがバットマンを設計した[11] 。ビル・フィンガーは「ケインがバットマンと呼ばれるキャラクターのアイデアを持っていた」と語った。フィンガーはブルース・ウェインの名前を考案し、ロバート・ブルースアンソニー・ウェインから取って名付けた。

ケインとフィンガーはバットマンの外見、性格、方法、および兵器の多くについてのインスピレーションを得るためにパルプフィクション、コミックストリップ、新聞に掲載された漫画など1930年代の大衆文化を参考にした[12] 。バットマンは『紅はこべ(1903年、バロネス・オルツィ)』や『怪傑ゾロ(1919年、ジョンストン・マッカレー)』のような二重のアイデンティティーを持つ貴族の主人公のように、人前で馬鹿を演じることにより疑いを回避して英雄的行為を行う。ケインは“The Mark of Zorro”(1920年) や“The Bat Whispers ”(1930年)からインスピレーションを受けてキャラクターを設計した。フィンガーはパルプのヒーローからインスピレーションを受け、ドック・サヴェジ、シャドウ、ディック・トレイシー、およびシャーロック・ホームズのような探偵のキャラクターにした。
権利

ボブ・ケインは報酬と引き換えにバットマンの所有権を得る契約をした。ケインはすべてのバットマンのコミックで署名欄を作成し、ケインの名前は各話のタイトルページに必ず書かれていた。1960年代にコミックブックから姿を消したあとは、各話の作家やアーティストに置き換えられた。 1970年代には他の作家もケインと同じ手法を取った。しかし、ビル・フィンガーは同じ扱いを受けなかった。1974年にフィンガーが死亡した時点では、DCはバットマンの共同製作者として報酬を受け取っていなかった。2015年9月にDCエンターテイメントは、フィンガーがバットマンを創造した報酬を受け取ることを明らかにした。フィンガーの遺族とDCは交渉し、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』と『GOTHAM/ゴッサム』の第2シーズンの報酬を初めてバットマンの作成者として受け取った。コミックブックには「ビルフィンガーとボブ・ケインによって作成されたバットマン」と表記された[5]
初期

バットマンの最初の物語The Case of the Chemical Syndicate が“Detective Comics”#27に掲載された。フィンガーは「バットマンはもともとパルプのスタイルで描いていた」と述べた。バットマンは人気となり、その時点で“Detective Comics“のベストセラーとなった。同社の主要なスーパーヒーロー、バットマンとスーパーマンは同社の成功の礎であり[13] 、業界で最も影響力のある出版社となった。最初のバットマンの要素にいくつかを加え、バットマンの描写はより進化した。ケインは、バットマンの下顎の輪郭をより顕著に描き、頭部の耳を長くした。ケインは「約一年後、彼は完全な姿の、私の成熟したバットマンだった」と述べた[14]

“Detective Comics”#29(1939年7月)にユーティリティベルト、#31(1939年9月)にバットラング、バットモービル、バットプレーン(のちのバットウイング)が登場した。“Detective Comics”#33(1939年11月)にキャラクターの原点が掲載され、彼の両親の死によって行動するバットマンの陰気なペルソナを確立する2ページの物語が繰り広げられる。フィンガーによって描かれたそれは、強盗に殺された両親の殺人を目撃した若いブルース・ウェインであることが示唆されている。数日後、両親の墓石の前で子供が「私の両親の霊に掛けて、すべての犯罪者と戦争し、私の人生の残りをかけて彼らに復讐する」と誓う[15][16][17]

1942年にはバットマンの背後にいるライターやアーティストがバットマンの神話の基本的な要素のほとんどを確立していた[18]。第二次世界大戦の次の年には、DCコミックスは「社会的な論評の陽気な少年ファンタジー」に賛成した。このアプローチの影響で、1940年代の「荒涼と威嚇するような世界観」は消え去り、バットマンは明るくカラフルな「社会のために行動する立派な市民」として描かれるようになった[19]
人物

本名はブルース・トマス・ウェイン (Bruce Thomas Wayne)。

大企業「ウェイン・エンタープライズ」のオーナーであり、ゴッサム・シティの億万長者、慈善家。幼いころに眼前で両親のトーマスとマーサを強盗に殺害され、以来執事アルフレッド・ペニーワースに育てられる。表舞台では著名な慈善家として福祉や雇用拡大のために活動する一方で、裏では両親の命を奪った犯人への復讐と恐怖からバットマンとして戦う。

多くの心身共に強いヒーローとは異なり、彼は精神的な繊細さと葛藤を内包する人物像であることが特徴である。対外的には自由気ままで呑気な資産家を装っているが、その内面は自虐的・自嘲的かつストイックで、やや悲観的な現実主義者。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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