現在の階級は3等級となっており、1等は男性がナイト・グランド・クロス (Knight Grand Cross)で女性はデーム・グランド・クロス (Dame Grand Cross)、2等は男性がナイト・コマンダー (Knight Commander)で女性はデーム・コマンダー (Dame Commander)、3等はコンパニオン (Companion) である。上位2等級の受章者にはナイトの爵位が与えられ、ナイト・グランド・クロス及びデーム・グランド・クロスにはGCB、ナイト・コマンダーはKCB、デーム・コマンダーはDCB、コンパニオンはCBのポスト・ノミナル・レターズの使用が許される。騎士団の定員は、ナイト・グランド・クロス/デーム・グランド・クロスが120名、ナイト・コマンダー/デーム・コマンダーは295名、コンパニオンは1,455名と定められている[4]。
軍人用は高級将校、文民用は高級官僚が主な授与対象であり、重要な役職を務めた功績に対して与えられる[5]。外国人に対しては、共和国の大統領等政府首脳級の政治家にナイト・グランド・クロスが贈られる[6]。
バス騎士団の正装(19世紀)。
バス騎士団のマント(文民用)
文民用ナイト・グランド・クロスの頸飾と星章。
軍人用ナイト・グランド・クロスの頸飾と星章。
日本人では伊藤博文が最初に受章し、その後は乃木希典(1912年)、桂太郎、竹下勇らが受章している[6]。 グレイトマスター(Greatmaster)は主権者(イギリス国王)に次ぐ地位をもつ。今までに9人が任命されており、現在はウィリアム皇太子が務める。 肖像氏名在任期間出典 ジョン・モンタギュー1725年 - 1749年[7][8] フレデリック王子1767年 - 1827年 (のち国王ウィリアム4世)1827年 - 1830年 オーガスタス=フレデリック王子1837年 - 1843年[9][10] アルバート公子1843年 - 1861年[11] (のち国王エドワード7世)1897年 - 1901年[12] アーサー王子1901年 - 1942年[13] ヘンリー王子1942年 - 1974年[14] (のち国王チャールズ3世)1974年 - 2022年[15] ウィリアム皇太子2024年 -[16] 現在の役職者
軍人用ナイト・グランド・クロスの星章を着用した乃木希典。
文民用ナイト・グランド・クロスの頸飾と星章を着用した桂太郎。
役職者
グレイトマスター
第2代モンタギュー公爵
空位1749年 - 1767年
ヨーク=オールバニ公爵
クラレンス=セント・アンドルーズ公爵
空位1830年 - 1837年
サセックス公爵
イギリス王配
空位1861年 - 1897年
プリンス・オブ・ウェールズ
コノート=ストラサーン公爵
グロスター公爵
プリンス・オブ・ウェールズ
空位2022年 - 2024年
プリンス・オブ・ウェールズ
役職者
(司祭) - デイヴィッド・ホイル
バス騎士団は1399年に行われたヘンリー4世の戴冠式に際して創設された[3]。名称はかつて騎士の叙任式に清めの入浴(bath=風呂)を行ったことに由来する[4]。当時は団員証(勲章)が制定されておらず、ナイトの称号のみが与えられる栄典だった[3]。ただし、チャールズ2世の戴冠式(1661年)の際に75個の徽章が作成されたとされている[4]。
この戴冠式の後、騎士団員への叙任が行われなくなり、実体のない騎士団となっていたが、1725年5月にバス騎士団が再創設された[20]。この際に、騎士団付き系譜学者(ジョン・アンスティス)も任命されている。
当初はナイト・コンパニオン(KB)の単一等級であった。受章者は軍人が圧倒的に多かったが、1815年に3等級とされると共に文民用と軍人用に分けられて、それらのデザインも異なるものとなった。制度改正時にナイト・コンパニオンであった者はナイト・グランド・クロスへ叙された[21]。これにより、文官にも多少の叙勲枠が確保された。このように、軍人や高級官僚用の勲章であるため、1971年まで女王以外の女性に授与されることはなかった[4][22][23]。
現在の騎士団員
主権者(Sovereign)