バクチ
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参加料が有料(1円以上[7])。

勝敗の結果が偶然

勝敗の結果に応じて収益が変わる(勝つと得、負けると損)。

したがって、以下は賭博に当てはまる。

宝くじで、当たれば金銭と交換され、外れれば交換価値が無くなるとの定めたものを有料で販売すること。

競馬勝馬投票券で、当たれば金銭と交換され、外れれば交換価値が無くなるとの定めたものを有料で販売すること。

パチンコで、出玉の数量に応じて景品と交換すると定め、有料でプレーすること[8]

麻雀で、順位や点数に応じて金品と交換すると定め、参加料を支払ってプレーすること。

クレーンゲームで、販売価値のある商品を景品に定め、有料でプレーすること。

縁日に出店する射的で、販売価値のある商品を景品に定め、有料でプレーすること。

囲碁将棋などで、勝敗や戦績に応じて金品を提供すると定め、参加料を支払って対局すること[9]

一方で、以下は賭博に当てはまらない。

興行的な職業上の(プロの)勝負[9]。野球やサッカーなどのプロスポーツ、将棋や囲碁の棋戦などは、勝敗の結果は予測できず、戦績に応じて所得が変わるが、賞金はスポンサーが提供し、参加者(選手や棋士)は金銭を支払っていないため。

入学試験資格試験。受験料(参加料)を支払い、合否や成績の結果が偶然であるが、結果にかかわらず金品の受け取りが発生しないため。

宝くじで、絶対に当選しないよう主催者が関与し不正に細工等をおこなったもの(いわゆるイカサマ)。くじが有料で、当選の順位に応じて払い戻しの金額が変わるが、当選しないことが偶然でなく必然のため[9]。ただし、詐欺に当てはまる可能性があり、これは賭博よりも重い罪になることが多い。

賭博の問題点マカオのカジノ・リスボアの夜景

賭博・ギャンブルは、人の射倖心をくすぐり、時に中毒的な依存状態を招き、破産や人格崩壊に至り、果てには自殺殺人に及ぶ場合もある。賭博の問題は人間の歴史が始まった頃から認識されており、「マハーバーラタ」や「千夜一夜物語」など古代の物語に、賭けに熱中するあまり、全財産を失ったりイカサマではめられるというトラブルも描かれている。

また、賭博はいくら多額の金が賭けられても、胴元と参加者、あるいは参加者同士の間でその金が行き来するに過ぎず、経済生産が生じないため、そのような非生産的な行為に人々のエネルギーが費やされてしまうと、生産的な行為を阻害する可能性があるとの主張も存在する。ただしこれに関しては、そもそも賭博はスキーテレビなどと同じく娯楽に属しており、これらと同様に様々な効用を生み出しているため非生産的な活動とは見なせないとの反論も存在する[10]

違法賭博が暴力団犯罪組織などの反社会的勢力の資金源になるなど、社会問題も多く内包する。ただしこれに関しては、当該賭博を合法化し法規制の下に置くことで金の流れを透明化し、反社会的集団との関係を断ち切ることが可能であり、これが賭博合法化の大義名分とされることも多い[11]

スポーツを賭博の対象とする場合、競技者を買収してわざと勝負に負けさせ、自らの賭けた方に勝利させる、いわゆる八百長が起きることがあり、全世界で重大な問題となっている[12]。八百長が起きるのはスポーツ賭博の合法非合法を問わないが、プロスポーツの前提である公正性を侵害する行為であるため、実行者は厳しく処罰されるのが通例である。またこの公正性への懸念が、既存のプロスポーツへのスポーツ賭博の導入に対する反対論の有力な根拠となっている[13][14]

32 か国を対象とした 2020 年の調査では、特定の国でのギャンブル活動の量が多いほど、その国の株式市場の価格がより変動しやすいことがわかった[15]
ギャンブル依存症詳細は「ギャンブル依存症」を参照

ギャンブルを行わないと日常生活に支障が出る人における依存症精神疾患)であり、世界保健機関(WHO)では「ギャンブル障害(ギャンブリング障害)[16]」「病的賭博[17]」と言う名称を使用している。この疾患にかかった人をギャンブル依存症者と呼ぶ。

自己の生活基盤・価値観、仕事や学業、家族や友人などの人間関係を犠牲にしてでもギャンブルを続けてしまう、と言う進行性を伴う。

この疾患を克服するためには、心理療法、適切な専門職の介入、自助グループへの参加などの方法がある。また当事者に対し、「一生ギャンブルに手を出さない」「新しい生き方を学ぶ必要がある」と言うことを認識させることが必要とされている。それは、再びギャンブルに手を出せば元の依存状態になってしまうからである。
子供とギャンブル

イギリスでは大人の監督下であることやメダルゲームなど賭け対象に制限はあるものの、子供が金を賭けてギャンブルを行うことが合法となっている[18]。子供のギャンブルはイギリス流の休日の楽しみ方のひとつであり、大人としての責任ある行動を経験させるものだという言説もあるが、ギャンブル依存症の患者の中には子供の頃のギャンブル体験を発端に挙げる者も多い[18]。また、ギャンブルが得意な子供はギャンブルでずっと勝ち続けることは自分にとって当然で、その報酬は正当な見返りである、という間違った幻想を抱くリスクがあるとも指摘される[18]
規制

世界のほとんどの国家において、賭博行為には何らかの規制がかかっており、完全に禁止している国家も存在する。宝くじは古くから政府や公共事業の重要な財源となる一方、道徳的な問題や絶えない不正から問題視されることも多く、19世紀には一度ヨーロッパのかなりの地域で禁止され、再び解禁されるのは主に第二次世界大戦後のことだった[19]。カジノが開設されている国家においても、例えばネパールカンボジアのように自国民の利用を禁止し外国人観光客のみが利用できる国家や、韓国のように1カ所を除き外国人専用としている国家、シンガポールのように高額な入場料を設定し失業者の入場を禁じている国家など、さまざまな規制を設けて利用者層を制限する国家も多い[20]。韓国のように国民に対して外国での賭博を禁じる国もあり、マカオなどにある立地国では合法な外国人向けカジノでの賭博が罪となる[21]

賭博を禁止しているイスラム教の影響が大きい地域では、国民が外国で賭博を行うこと以外にも、賭博と同様の技術で実現されている保険の提供を禁止している場合があり、タカフルと呼ばれる共済のような方法で保険サービスを実現している。
日本賭場で賭博。詳細は「賭博及び富くじに関する罪」を参照

日本においては刑法185条から187条において賭博及び富くじに関する罪が規定されており、違反者には刑罰が科せられる。一方で、競馬競艇競輪オートレースといった公営競技や、宝くじスポーツ振興くじに関しては特別法によって公営でのギャンブルが認められている。詳細は「賭博及び富くじに関する罪#違法性阻却」を参照

公営競技で最も早く認められたものは競馬であり、戦前から馬券発行が公認されていた[22]。第二次世界大戦後、第二次世界大戦中には戦費調達のために政府によって「勝札」と呼ばれる宝くじの発行が開始され、敗戦後は宝くじと名を変えて大々的に行われるようになった[23]。この後、1954年に政府の宝くじ発行は中止され、都道府県政令指定都市が宝くじ発行の主体となった[24]。1948年から1951年にかけて競艇[25]、競輪[26]、オートレース[27]が相次いで公営競技化された。賭博と同様の技術である保険についても規定が有り保険業法で定められており、販売には制限がある。

日本国内において麻雀は賭け事として行われることもあるが、その場で消費可能な飲食物や食事代金の負担は「一時の娯楽に供するもの」としての対象にはならないこともある[9]
大分類

賭博とは、賭事(とじ)と博戯(ばくぎ)の二つを合わせた言葉である[28]


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