バイカル湖
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原因は比較的温かい水の湧き上がりと思われる[3]バイカル湖生態系の頂点に立つバイカルアザラシ冬場のバイカル湖燻製品として市場で取引される、バイカル湖固有種であるサケ科オームリ[4]バイカルスク紙パルプ工場4月上旬のバイカル湖畔(リストビヤンカ)

バイカル湖(バイカルこ、ブリヤート語: БайгапBдалай、バイガル ダライ、「自然の湖」の意[5]ロシア語: озеро Байкал、ozero Baikal、IPA:[?oz??r? b?j?ka?] オージラ バイカール)は、ロシア南東部[6]極東連邦管区ブリヤート共和国イルクーツク州ザバイカリエ地方に挟まれた三日月型のである[7][8]。バイカル湖はモンゴル国境に近く、湖の最南端から100qほど南下するとモンゴルとなる。「シベリアの真珠」[6][7][9]とも、ガラパゴス諸島と並ぶ「生物進化の博物館」[10]とも称される湖である。
概要

南北680 km×東西幅約40-50 km(最大幅80 km)[11]に及ぶ湖水面の面積は31,494 km2琵琶湖のおよそ46倍)。カスピ海塩湖)や20世紀後半から急速に面積を縮小しているアラル海を除くとアジア最大である[12]淡水湖で比較した場合、面積は世界最大のスペリオル湖には及ばないものの、最大水深が1,634 - 1,741 m[注 1]と世界で最も深い[14]。湖面は標高456m[6]にある。なお、1956年初頭にアンガラ川に建設されたイルクーツク・ダムの影響で水位は1.4m上昇した[22][出典無効]。

貯水量2.3 × 104 km3も世界最大[23][20]であり、世界中の凍っていない淡水の17%[23]-20[24]がここにあるとされる。水質も日本摩周湖に代わり世界最高の透明度を誇る湖[25]であり、1996年に世界遺産に登録された[26]セレンガ川バルグジン川上アンガラ川など336本の河川が流入するが[20]、流出する河川は南西端に近いアンガラ川のみである。そのため、水量が常に豊富である。湖には最大のオリホン島(面積730 km2、奄美大島に匹敵[27])を初め22の島々がある。

湖は北西にバイカル山脈、北東にバルグジン山脈、その他の山々に囲まれている。湖底にはオリホン島から続くアカデミシャンリッジ(湖嶺)と湖上に顔を出すウシュカニ諸島があり、これとセレンガ川デルタによって大きく3つの地質構造に区分される。それぞれ「北湖盆」、「中央湖盆」、「南湖盆」であり、このうち中央湖盆が最も深いが、北・南湖盆も1km前後の水深を持つ[18]

バイカル湖および周辺の自然保護のためには、湖の西側に沿バイカル国立公園(南)、バイカロ・レンスキー自然保護区(中央、レナ川源流)、湖の東側にザバイカリスキー国立公園(南)、バルグジン自然保護区(中央)、湖の側にバイカル自然保護区が設けられている。また、セレンガ川デルタはラムサール条約登録地である[28]
歴史

世界で最も古くに誕生した[29]古代湖でもある[6][23][20]ザイサン湖は6000万年以上前に誕生したのではないかという説もある)。一般的な湖沼は流入し堆積する土砂などによって数万年もすれば埋まってしまい姿を消す。しかしバイカル湖は、インド亜大陸ユーラシア大陸に食い込み[30]、これを北東と南西を結ぶ線で引き裂くユーラシアプレートアムールプレートの境界に当たる[31]地溝(バイカルリフト)の陥没部にあり[6]、現在でも年に幅2 cm、深さ6 mmずつ広がっている[23]ため、長大な時間を経ても湖であり続けている[7]。この沈降によって将来バイカル湖は再び北極海と繋がるという説もある[32][33]

湖の周辺には古くからブリヤート人が居住している[34][35]。彼らは出土したの形式などからスキタイとの関係が示唆されていた[36]が、11-12世紀頃にはモンゴル族の影響を強く受け[37]、次第にモンゴル化されていった。バイカル湖のシャーマン岩(オリホン島)の頂には五徳があり、これらはチンギス・カンに縁付くものという逸話も残されている[38]

17世紀中頃、帝政ロシアがバイカル湖周辺へ進出し[39]、1628-1658年頃に周辺を支配下に置いた[40]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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