現在のバイエルン州の領域は、ヴュルツブルクなどを中心とするフランケン地方、アウクスブルクを中心とするシュヴァーベン地方東部(バイエリッシュ・シュヴァーベン (Bayerisch-Schwaben) を含む。州内の7行政地区のなかでオーバーバイエルン地区、ニーダーバイエルン地区、オーバープファルツ地区を合わせた南部地域が、アルトバイエルン(古バイエルン、Altbayern)と呼ばれる歴史的に見た狭義のバイエルン地方である。バイエルン王国の時代からの領土のうち飛び地だったプファルツ地方は、1946年に周辺地域と統合されてラインラント=プファルツ州の一部となった。
歴史詳細は「バイエルン州の歴史(英語版)」を参照「ドイツ革命」および「バイエルン・レーテ共和国」も参照
10世紀に神聖ローマ帝国によってバイエルン大公国(公国)が設けられて以後、帝国の滅亡までバイエルンは南ドイツの主要な領邦、さらに選帝侯領として影響力を保持し、帝国の滅亡後に近隣の領邦を併合してバイエルン王国が成立した。1872年のドイツ帝国成立後も、バイエルン王国は帝国の傘下で存続し続けた。現在のドイツ連邦共和国の連邦州としてのバイエルン州も、ほぼ旧バイエルン王国の領域を継承している。
バイエルンは12世紀以降、ドイツ革命で王制が廃止されるまで、ヴィッテルスバッハ家によって治められた。リヒャルト・ワーグナーを庇護し「狂王」と呼ばれたルートヴィヒ2世や、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の皇后で「バイエルンの薔薇」と呼ばれたエリーザベトはヴィッテルスバッハ家の一員である。
政治
州議会ミュンヘン市にある州議会議事堂(マクシミリアノイム)詳細は「バイエルン州議会」を参照
州議会 (Landtag) は一院制で、議員は小選挙区比例代表併用制で選出される。2020年現在の議席数は205。2018年10月14日に行われた州議会選挙での、各党の「得票率/獲得議席数(前回2013年選挙からの増減)/議席占有率」は以下の通りである。
キリスト教社会同盟 (CSU) 37.2%/85議席(-16)/41.5%
同盟90/緑の党 (B90/G) 17.5%/38議席(+20)/18.5%
自由な有権者(ドイツ語版) (FW) 11.6%/27議席(+8)/13.2%
ドイツのための選択肢 (AfD) 10.2%/22議席(+22)/10.7%
ドイツ社会民主党 (SPD) 9.7%/22議席(-20)/10.7%
自由民主党 (FDP) 5.1%/11議席(+11)/5.4%
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左翼党 (Linke) 3.2%/0議席(±0)/0%
政治的に保守的な地域であり、保守政党であるCSUが戦後のほとんどの期間で州政府の与党である。なお、CSUはバイエルン州のみの地域政党であり、全国的な保守政党である姉妹政党のドイツキリスト教民主同盟 (CDU) はバイエルン州では活動していない。
歴代州首相
1918年-1919年: クルト・アイスナー (Kurt Eisner) USPD
1919年: マルティーン・ゼギッツ(ドイツ語版) (Martin Segitz) SPD
1919年-1920年: ヨハネス・ホフマン (Johannes Hoffmann) SPD
1920年-1921年: グスタフ・リッター・フォン・カール (Gustav Ritter von Kahr) 無所属
1921年-1922年: フーゴー・マックス・グラーフ・フォン・ウント・ツー・レルヒェンフェルト・アオフ・ケーフェリング・ウント・シェーンベルク (Hugo Max Graf von und zu Lerchenfeld auf Kofering und Schonberg) BVP
1922年-1924年: オイゲン・リッター・フォン・クニリング (Eugen Ritter von Knilling) 無所属
1924年-1933年: ハインリヒ・ヘルト (Heinrich Held) BVP
1933年-1942年: ルートヴィヒ・ジーヴェルト (Ludwig Siebert) NSDAP (官選)