ハーヴェイ・ワインスタイン
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ワインスタインは、若いが有望な監督や俳優・脚本家の才能を見抜いて作品を任せ、興行を成功にみちびく手腕が優れていたとされ[2]、ミラマックスを成長させる過程で、ワインスタインは米国映画界の実力者として業界内で非常に大きな影響力を持つようになった[2]。ミラマックス社の最盛期には、ハリウッドだけでなくカンヌやヴェニス、ベルリンなど世界の主要映画祭をプライベートジェットでまわって自社作品を売り込む豪華なキャンペーンを展開していた[2]

しかし2017年、ワインスタインが長年にわたって多数の女性を暴行し、さらに被害者が事件を口外しないよう口止め工作を行ってきたことが大きく報道された[2]。一連の報道の影響を受けてワインスタイン・カンパニーは破産、ワインスタイン自身も性暴力や強姦などの罪で起訴され、2022年にはニューヨークの裁判所で禁錮23年[3]2023年にはロサンゼルスの裁判所で更に禁錮16年を上乗せする判決を受ける[4]

この事件はアメリカ社会で大きな衝撃を与え、性暴力・セクハラを受けていた女性たちが声を上げる「#MeToo運動」と呼ばれる世界的な社会現象へとつながった[2]
表記と発音

姓の原音に近いカタカナ表記は「ワインスティーン」である[5][6]。アメリカのテレビ番組でも「ワインスティーン」の発音が主流である[7][8][9]BBCの記事の日本語版でも、「ワインスティーン」としている[10][11]。日本メディアではNHKがワインスティーンと表記している[12][13]。日本のメディアによる表記は、「ワインスタイン」の表記が主流[14]。名は原音では「ハーヴィ?」、日本では「ハーヴェイ」「ハーベイ」などと表記される。
経歴
生い立ち

東欧から移民したユダヤ人でダイヤモンド加工業者のマックス・ワインスタイン(Max Weinstein)を父、ミリアム(Miriam)を母として、1952年ニューヨーク市のクイーンズで生まれた。2年後に弟のボブが誕生。

ワインスタインは幼いころから読書家で、芸能界への憧れがつよく、有名人のゴシップや新しい映画の動向に詳しかった[2]。早くも10代後半に弟ボブらと共に制作会社「ハーヴェイ&コーキー・プロダクション」を立ち上げ、ロック・コンサートのプロデュース・運営を始めている。

地元の高校を卒業後、ニューヨーク州立大学バッファロー校に進学した[15][16]
ミラマックス設立

兄弟はこのころニューヨークの映画館でトリュフォー『大人は判ってくれない』を鑑賞して深い感銘を受け、「アートハウス映画」と呼ばれていた芸術性の強い作品や外国映画に傾倒するようになる[2]

そして大学在学中の1979年、映画プロダクション「ミラマックス (Miramax)」を設立する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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