ハーバード大学
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また、キャンパス内にあるメモリアル教会でも宗教関連の行事が開かれる[要出典]。

ハーバードは拡大とともに一般教育機関として成長し、新しい科目や、自由な教育方針が導入されるようになった[1]。とくに18世紀初頭にジョン・レヴェレットが学長に就いたのちこの傾向が加速し、学内の施設が大幅に拡充されるとともに、入学者数も急増していった[1]

1782年の医学部設立とともにカレッジからユニバーシティ (University) となる[11]。1817年にはハーバード・ロー・スクールが設立された[12]

1879年に創立されたラドクリフ女子大学とは、長く姉妹校関係にあったが、1970年代にいたって施設と教員を共有する連携カレッジ制度が創設され、ラドクリフのすべての学位がハーバードから授与されるようになった。1999年にラドクリフが正式にハーバードと合併し、男女共学の学部機関となっている[1]

校風はリベラルと言われることもあるが、政財界の中枢で活躍する卒業生を多く輩出しており保守的とみなされることも多い[1]。2023年の調査では、教員の77%が自らを「リベラル寄り」とみなしている[13]

大学の中核キャンパスは、ボストン近郊ケンブリッジのハーバードヤードにある。3キロほど離れた場所にキャンパスがあるマサチューセッツ工科大学を筆頭に周辺には60を超える大学があり、国内有数の学園都市を形成している。
特筆すべき関係者詳細は「ハーバード大学の人物一覧」を参照ハーバード大学出身のノーベル賞受賞者については「en:List of Nobel laureates by university affiliation#Harvard University」を参照ハーバード大学に関係する日本人については「ハーバード大学に関係する日本人の一覧」を参照
学部・大学院

College/school設立年度
Harvard College1636年
Medicine1782年
Divinity1816年
Law1817年
Dental Medicine1867年
Arts and Sciences1872年
Business1908年
Extension1910年
Design1914年
Education1920年
Public Health1922年
Government1936年
Engineering and Applied Sciences2007年

学部

ハーバードには後述する12の大学院(スクール)があり、このうち文理大学院にのみ学部(Faculty of Arts and Sciences)が付設されている。この学部のことをとくにハーバード・カレッジと呼んでいる。

学生の専攻は、他の大学のようにmajor(メイジャー)とは呼ばず、concentration(コンセントレイション)と呼ばれる。その他、他の大学とは学期試験(2セメスター制)の時期が異なるなど、ハーバード大学独自の方式や伝統が見られる。

学部教育は、創設当初すべて文学・哲学などリベラル・アーツだったがしだいに拡充され、現在は物理学・天文学・機械工学などの学科が加わっている[14]

同じケンブリッジにあるマサチューセッツ工科大学(MIT)とは、単位交換などができる姉妹校として基本的に協同的な運営が行われている。近年、MITとハーバード大学の共同事業としてブロード研究所が設立されるなど関係が深まる一方、工学系が弱かったハーバード大学でも工学系学科の充実が行われつつある。
大学院キャンパス中央から図書館側を望む(2012年)。

大学院は、ハーバード大学文理大学院などのほか、ハーバード・ビジネス・スクールなど12の専門職大学院とラドクリフ研究所で構成されている。

その多くは各種ランキングで最上位に位置しており、とくにロースクール(第4位、2023)[15]やメディカルスクール(第1位、2023)[16]などが名高い。

ハーバード・メディカルスクール(1782年創設)— このメディカルスクールは、マサチューセッツ総合病院の運営を行っている他、いくつかの病院と提携をしている。世界最先端の医療研究も行われている。

ハーバード神学校(英語版)(1816年創設)

ハーバード・ロー・スクール(1817年創設)

ハーバード・デンタルスクール(1867年創設)

ハーバード大学文理大学院(英語版)(1872年創設) — 大学院生数は最多。人文科学・社会科学・自然科学・工学・生命科学を含む学術大学院。主に博士号であるPhDの学位を授与するが、少数ながら修士号を授与するプログラムも存在する。現在GSASで提供されている学位プログラムは数学、物理学、生物医学からケルト語やスラブ文学などきわめて多岐にわたる。[17]

ハーバード・ビジネス・スクール(1908年創設)

ハーバード・エクステンション・スクール(1910年創設)

ハーバード・デザインスクール(1914年創設)

ハーバード教育学大学院(1920年創設)

ハーバード公衆衛生大学院 - 武見国際保健プログラムが設置されている。(1922年創設)

ハーバード・ケネディスクール(1936年創設)

ハーバード・工学/応用科学スクール(2007年創設)ハーバードで最も新しいスクール。他のアイビー・リーグの大学同様、歴史的にハーバードでは工学や応用科学の研究が手薄であった。しかし、これらの分野の重要性の高まりを受け、スクールとして独立することで近年拡大を続けている。

ラドクリフ研究所:1879年創立のラドクリフ・カレッジは、ハーバード大学と提携した女子大学であったが、1999年に完全に吸収されラドクリフ研究所となった。ヘレン・ケラーが卒業したことで知られる(1904年)。

主要大学ランキング創立者ジョン・ハーバード像として設置されている彫像。「3つの嘘の像[注 1]」の呼び名がある。足に触れると幸運が訪れるという言い伝えがあるため、左の足先がすり減っている。ダニエル・チェスター・フレンチ(1850-1931)作。

ハーバードはアメリカの名門大学の中でもとくに成功した教育機関とみなされることが多く[18]、多くの卒業生が政財界・学術分野で成功を収めていることなどから、各種大学ランキングではつねに最上位グループに位置している[19]。また巨額の大学基金を運用することで図書館や体育館など学内施設の更新・充実がさかんに行われており、この点でも大学ランキングでは高い評価を受けている[19]

USニュース大学ランキング(2023年)

ベスト・グローバル大学ランキング ─ 第1位[20]

臨床医学、細胞生物学 ─ 第1位

THE世界大学ランキング

世界大学総合ランキング ─ 第4位(2024年)[21]

米国学部ランキング ─ 第1位(2022年)

QS大学ランキング

学部教育ランキング ─ 第1位(2024年)[22]

QS世界大学総合ランキング ─ 第4位(2024年)

フォーブズ大学ランキング

学部ランキング ─ 第9位(2023)[18]

私立大学ランキング ─ 第7位

日本との関係駐日大使の頃のエドウィン・ライシャワー。

ハーバード大学で本格的な日本研究が開始されたのは、1931年、ロシア生まれの東洋学者セルゲイ・エリセーエフが教員として招聘されたときとされている[23]。エリセーエフは日本語が堪能で、明治末期に東京帝国大学に滞在して夏目漱石谷崎潤一郎らとも交流を深めた。

エリセーエフが着任後に始まった日本学研究で、最初の生徒の1人がエドウィン・ライシャワーである。ライシャワーは日本生まれ・日本育ちですでに日本語を話すことができたが、ハーバード大学院に入学後、エリセーエフからの薫陶を受けて東洋学全般への造詣を深めた[24]。ライシャワーは円仁入唐求法巡礼行記』を扱った論文で学位を受けたのち、日本学研究者としてハーバードに着任した[25]

第二次大戦後にライシャワーがエリセーエフに次いでハーバード大学の日本研究を主導するようになると、日本学は戦前の東洋学から切り離され、独立した地位を持つことになった[24]


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