ハードコアテクノ
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けたたましいピアノロールと跳ねるようなベースライン、ブレイクビーツとチープな女性ボーカルの多用などを特徴とする。テンポは160 BPM未満のものが多い。日本国内ではジュリテク,デステクノなどの名称で流通した。
ガバ: gabber、gabba)
アムステルダム中心の音楽シーンへのカウンターとして生まれたとされ、今日のハードコアテクノの基盤ともいえるジャンル。「オールドスクール」や「アーリーレイヴ」と呼称されることもある。歪んだバスドラムと下品でイリーガルなサンプリングが特徴。その後、音数が変化しストイックになった曲もあれば、従来の路線を継承し高速化したものも存在する。国内ではロッテルダムテクノの名で広く知られている。主なアーティストはネオファイト(英語版)、オマー・サンタナ(英語版)、ザ・スタンド・ガイズ(イタリア語版)など。国内ではKamikaze、Dynamaxなど。
ハッピーハードコア: happy hardcore)
ブレイクビート・ハードコアにおけるジャングル寄りの流派が、ガバの音楽性を吸収することで独自に成長を遂げ誕生したジャンル。高速なテンポにメロディアスなシンセリフが大きな特徴。主なアーティストはBrisk、Hixxy、nanobii、スコット・ブラウンなど。国内ではURAKENP*Lightなど。
トランスコア(: trancecore)
トランスのテンポを単純にタイムストレッチし高速化してプレイしたことから発生したスタイル。やがてハッピーハードコアを中心に他の様々なジャンルの要素を吸収し、トランスの持つメロディアスさとハードコアを両立したひとつのジャンルとして確立した。シーンの変化に伴いフリーフォーム、UKハードコアにそれぞれ吸収されており、近今ではトランスコアという通り名が使われることは少ない。
フリーフォーム(: freeform hardcore)
元々はハードトランス、ハードエナジーから派生したジャンルであり、トランスコアの一種として広く知られていた。特徴的かつ伝統的なアシッド・ラインに加え、しばしばトランスらしいローリングベースやSupersawも用いられる。ムーブメントに逆らった独自の形態をとる傾向があり、その中でも大きく分けてハッピーハードコア、UKハードコア的解釈である「UK系」と、ハードトランス、ハードエナジー的解釈である「FIN系」という2つの派閥が存在する。主なアーティストはケビン・エナジー、DJ Sharkey(英語版)、Alek Szahala(フィンランド語版)、カーボン・ベースド(フィンランド語版)など。
UKハードコア: UK hardcore)
ハッピーハードコア・フリーフォームハードコアを経て形成されたジャンル。曲調は多岐にわたり、ハードトランス、トランスコアの正統進化系とも言えるようなものから、2010年代ではブロステップドラムステップなどに影響を受け、ベースラインや変則リズムなどを前面に押し出した個性的なものまで存在する。主なアーティストはフレイカス・アンド・ダーウィン(英語版)、ガマー(英語版)、Orbit 1など。国内では、SHOKO FUJIKAWADJ ShimamuraDJ Noriken、源屋、GettySrav3RTatsunoshinなど。
ブレイクコア: breakcore)
ハードコアテクノをブロークンビーツドリルンベースIDM的に解釈したアプローチの音楽。細かく分解・再構築された複雑なリズムで鳴らされる激しく歪んだブレイクビーツが大きな特徴。イリーガルなサンプリングのスタイルなどはガバ、アーリーレイヴからの直系である。ヴェネチアン・スネアズスクエアプッシャー、The DJ Producerなどが有名。
ニュースタイルガバ: nustyle gabba)
ビートが高速化しすぎたガバ、スピードコアシーンへのカウンターとして発生したハードコアテクノ。ダンス・ミュージックとしての実用性を重視し、とにかくキックのアタック感、重量感が強調されるため、160?170程度のBPMで音数は非常に少なくまとめられており、代わりにブレイクは映画音楽のようなオーケストラなどを用いて壮大なものに仕上げられているトラックも多い。より洗練されたガバキックを用いる最近のトラックはメインストリームハードコアと呼ばれる。主なアーティストはアート・オブ・ファイターズ(イタリア語版)、Angerfist、Dirty Bastardsなど。国内では、DJ MyosukeRoughSketch、Noizenecioなど。
メインストリームハードコア(: Mainstream Hardcore)
ニュースタイルガバから派生したジャンルで高速なテンポ、強烈なビート、エネルギッシュなサウンドが特徴。しばしばメロディックな要素が取り入れられており、美しい旋律やメロディが単なるエネルギッシュなビートだけでなく、感情的な要素が強く出ている。もともとはその時代においてメインで制作された楽曲を指すために日本で生まれた言葉であり、発祥であるヨーロッパ圏では単にHardcoreと呼ばれる。BPM帯は165?200と幅広く、2023年現在ではSaw波形をもとに作られた音圧のあるリードやスクリーチに加えHardstyleのようにキックベースの音程に進行があるものが一般的である。曲調によって名称が変わることがあり、例えば2010年代によく見られたキックベースの音程が一定であるものはMillennium、オケ音源を多用し、ダークで重厚なメロディで哀愁や幻想的なテーマ性を持ったものはGothicと呼ばれる。他ジャンルとのクロスオーバーも盛んに見られ、中にはドラムンベースやダブステップなどが組み込まれた楽曲も存在する。ヨーロッパ圏での大型フェスであるMasters of Hardcore、Harmony of Hardcore、Dominator、AIRFORCEなどではこのジャンルがメインに演奏される。国内イベントではHARDGATE、MEGATON KICK(HARDCORE TANO*C)、Gemeinschaft of Hardcore、Riot Symbolzなどが有名。主なアーティストはAngerfist、Miss K8、DJ Mad Dog、Nosferatu、Tha Playah、Destructive Tendencies、GridKiller、Unfusedなど。国内では、DJ MyosukeRoughSketch、6th、Team Grimoire、FALCH1ON、Matsui.K、Sho--nan、Balalaikaなど。
アップテンポハードコア(: uptempo hardcore)
Mainstream等の早回しが起源という説があり、Uptempoと呼称される事もある。190?250BPM近辺で制作され、歪ませたキック、スクリーチ、シンセリード、MC・サンプリングなどで構成される。キックで聴かせるストイックな曲調から、BigroomやEDMのようなパーティーチューン、HiphopやTrapを取り入れたThug要素の強い曲など、作風の幅は広い。キックの歪ませ方も多種多様であり、Mainstreamの流れを汲むもの、Industrial/Terror寄りの無機質なもの、Frenchcoreのように音階差があるもの、近年ではPiep,Zaagと呼ばれる個性的なキックも使われている。[6]主なアーティストは、Partyraiser(オランダ語版), Cryogenic, Andy The Core, HARDBOUNCER, DRS, Barber,GPF, Chaotic Hostility, Lunakorpz, F.Noize, MBK, Hatred, EQUAL2など。国内ではC!PHER、GoldenEggs、RIZARDI、Autum-N-clouD.など。
クロスブリード(: crossbreed)[7]
ハードコアとドラムンベースを融合させたジャンル。ガバキックが強調されたモノと、ダークステップ(英語版)やニューロファンク(英語版)寄りのモノに大別される。特徴としてクランギングスネア(: clanging snare(スカルスネアと呼ばれることも)やリース・ベース(英語版)(うねりのあるベース)、ガバキックなどが挙げられる。オーケストラが取り入れられることもあり、雰囲気は多岐にわたる。主なレーベルはGenosha Recordings、Union Recordings、Othercide Records、Prototypes Recordsなど。主なアーティストはジ・アウトサイド・エージェンシー(英語版)、Hallucinator、Sinister Souls、Switch Technique、The Satanなど。国内ではQuark、Pemcy、Colon、Takeru、Viral Program、Hollyなど。
インダストリアルハードコア(: industrial hardcore)
ダークなサウンドやディストーションを重視したハードコア。無機質で重厚な曲が多いのが特徴。主なレーベルはThe Third Movement / Heresy、Noisj、Enzyme Records、Dark. Descent.、Motormouth Records、PRSPCT Recordingsなど。主なアーティストはOphidian、ジ・アウトサイド・エージェンシー(英語版)、Mindustries、Rude Awakening、DJIPE、Igneon System、I:Gor、Lowroller、Deathmachine、Sei2ure、Tripped、Akira、Hellfishなど。国内ではEngage Blue、Holly、Supire、Sunkt8、Coretexなど。
フレンチコア: frenchcore)
ベースと一体化した特徴的なキックを用いる、ガバともUKハードコアともつかない独特なジャンル。ストイックな方向へ変貌を遂げた、ハードテック/トライブ (Hardtek/Tribecore) という派生ジャンルも存在する。主なアーティストはDr. Peacock(英語版)、セファ(オランダ語版)、THE SPEED FREAK、Pattern J、ザ・シッケスト・スクワッド(フランス語版)、D'ortなど。国内では、USAO、Dustvoxx、DJ C-TYPE、Mothtekなど。
ハードテック: hardtek)
ハードテックとは、1980年代後期から1990年代初期においてフランスを中心としたヨーロッパフリー・パーティーを含むレイヴ文化の波を発祥とするテクノ音楽の一つである。主なアーティストはFant4stik、Billx、Mat Weasel、フロキシーテック(ポーランド語版)、Guigooなど。国内ではTanukichi、USAO、Dustvoxx、Loctekなど。
ハードスタイル: hardstyle)
ハードダンスから派生したジャンルであるが、国内ではしばしばその親和性の高さからハードコアテクノの近縁ジャンルとして捉えられることもある。ガバから派生した類似ジャンルにジャンプスタイル(英語版)(: jumpstyle)が存在する。しばしば混同されるが別物である。主なアーティストはアトモスフィアーズ(英語版)、クーン(英語版)、フロントライナー(オランダ語版)、ヘッドハンターズ(英語版)、ザトックス(イタリア語版)など。国内ではCaZ、USAO、Massive New Krew、anubasu-anubasu、SrezcatYuta Imai、Haganesawaなど。
スピードコア: speedcore)

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