ハンブルク
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その自由帝国都市としての歴史を反映する形で、現在でも一市単独で連邦州(ラント)を構成する特別市都市州)となっている。

現在はドイツにおけるメディア物流金融の一大拠点となっている。北ドイツの放送局NDRや、全国紙のシュピーゲル誌ZEIT誌など、ドイツを代表する様々なメディア企業が本社をハンブルクに置いており、国民的ニュース番組ターゲスシャウ』はハンブルク制作となっている。海運を中心とした物流のキャピタルでもあり、エアバスルフトハンザハパックロイドバイヤスドルフユニリーバスタインウェイ・アンド・サンズなど様々な企業が本社や主要拠点をハンブルクに構えている。またフランクフルト・アム・マインに次ぐ国内第二の金融センターでもあり、ドイツ最古の証券取引所や、世界最古の商業銀行であるベレンベルク銀行がある。国際海洋法裁判所の所在地となっている。
地名

「ハンブルグ」と慣例的に表記されることもあるが、ドイツ語の発音ではこの語尾の g は無声音であるため、仮名転写は「ハンブルク」[3][4]となる。現地での低地ドイツ語系の低ザクセン語に属するハンブルク方言(ドイツ語版)またはハンブルク語(ドイツ語版)による「ハンブイヒ」([?hamb??c]) や、低ザクセン語の「ハンボーホ」の発音も聞かれる。この地名の最も古い形は、834年 古高ドイツ語 ’Hammaburg’である。これは、高い乾燥した砂地の岬にあるカロリング朝の城塞を指している。’Hamma’ は、現在のドイツ語で ’Hinterschenkel, Kniekehle’「太もも、大腿、膝窩(しっか)、ひかがみ」、転じて ’Winkel, Krummung, Bucht’「角、湾曲、湾」を意味した。しかし、この地は高地ドイツ語ではなく、低地ドイツ語の地域に入るので、現在のドイツ語で ’umfriedetes Stuck Weideland’「(柵、堀などで)囲われた牧場あるいは(魚や鳥の)餌場」を意味する中低ドイツ語(mittelniederdeutsch) ’hamme’の古い形が存在したかもしれない。’burg’ は「城塞」を意味する[5]。漢字表記の「漢堡」は、「Hamburg」の音訳であり、日本語と中国語の両方で同一表記である(※漢字の「堡」は「とりで」を意味しており、「burg」の直訳)。ハンバーグの語源はハンブルクの労働者の食事として流行っていたタルタルステーキから来ている。英語でもハンブルクのことを“ハンバーグ”に近い 発音で呼ばれる。なお、フランス語では「Hambourg」(アンブール)と表記される。
地理
位置

エルベ川の支流・アルスター川の河口にある港湾都市で、ドイツ北部における経済の中心地。シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州ニーダーザクセン州に境を接する。近隣の都市としては、約80 km北のキール市、55 km北東のリューベック市、95 km南西のブレーメン市、95 km西のブレーマーハーフェン市、90 km東のシュヴェリン市などが挙げられる。

市域は、アルスター川東岸の旧市街と西岸の新市街、それらをとりまく地域からなる。旧市街は昔から商業地域の中心で、数多くの運河が流れている。町の景観の特色のひとつが運河にかかる橋で、アムステルダムヴェネツィアをあわせたよりも多くの橋がある。そのほかの名所としては、港にかかる長いつり橋ケールブラント橋や、アルスター川をせきとめてつくった内アルスター湖と外アルスター湖[6]、現在では旧市街を囲む公園・遊歩道となっている古い市壁跡地があげられる。また、ナイト・クラブが並ぶレーパーバーン歓楽街として有名である。

なお、市の中心部とは約100 km離れ、ブレーマーハーフェン以北約40 kmのエルベ川河口付近のワッデン海北海)の島嶼および干潟の一部は同市の飛地である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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