花期は冬の11 - 4月頃で[2]、葉に先だって単性花をつける[11]。雌雄同株で、雄花穂は枝先に1 - 5個付き、黒褐色の円柱形で尾状に垂れ下がる[3]。雌花穂は楕円形で紅紫色を帯び、雄花穂の下部の葉腋に1 - 5個つける[11]。花はあまり目立たない。また、ハンノキが密集する地域では、花粉による喘息発生の報告がある[15]。
果実は松かさ状で1 - 5個ずつつき、10月頃熟すと長さ15 - 20ミリメートルの珠果状になる[11][13]。松かさに似た小さな実が翌年の春まで残る[12]。
冬芽は互生して、枝先につく雄花序と、その基部につく雌花序はともに裸芽で柄があり、赤みを帯びる[2]。仮頂芽と測芽はどちらも葉芽で、有柄で3枚の芽鱗があり、樹脂で固まる[2]。葉痕は半円形で維管束痕は3個ある[2]。 水田の畔に稲のはざ掛け用に植栽されている[6]。しばしば公園樹として、公園の池のそばに植えられる[8]。 伝統的な水ワサビの栽培においては木々に囲まれた山の沢を再現するためにわさび田の中に植えられた。現在ではハンノキの代わりに日除けを設置することが多くなった[16]。 良質の木炭の材料となるために、以前にはさかんに伐採された。材に油分が含まれ生木でもよく燃えるため、北陸地方では火葬の薪に使用された。葉の中には、根粒菌からもらった窒素を多く含んでいて、そのまま葉が散るため、葉の肥料木としても重要である[3]。 材は軟質で、家具や器具に使われる[9]。
ハンノキの画像
幼樹
葉と未熟な雌花穂
樹皮
水田耕作放棄地がハンノキ林に変わった例
用途