内陸国であるため海軍は持たず、現在の国軍は、陸軍および空軍の2軍からなる。ただし、ハンガリー領内を流れるドナウ川の防衛目的でユーゴスラビア製の掃海艇を3隻保有しており、陸軍の河川警備隊がドナウ川において運用している。1999年に北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、西欧諸国と集団安全保障体制をとっている。
軍の歴史は長く、第一次世界大戦時にはオーストリア=ハンガリー二重帝国として中央同盟軍の一角を占めていた。戦後の独立ハンガリーは1920年のトリアノン条約により兵力を制限されていた。その反動もあって第二次世界大戦時には枢軸国として参戦し、東部戦線にも兵力を出している。1945年にはソ連軍に占領され、冷戦時には共産圏国家として、ワルシャワ条約機構に加盟していた。
地理[ソースを編集]ハンガリーの地形詳細は「ハンガリーの地理(英語版)」を参照
ハンガリーの国土はカルパティア山脈のふもとに広がるカルパート盆地のうちの平野部をなす。ハンガリー平原またはハンガリー盆地と呼ばれる国土の中心は、中央を流れるドナウ川によってほぼ二分され、東には大きな支流のティサ川も流れている。国土の西部にはヨーロッパでも有数の大湖バラトン湖がある。また各地に温泉が湧き出ており、公衆浴場が古くから建設・利用されてきた。首都ブダペストにもセーチェーニ、ルカーチ、ゲッレールト温泉などの有名な温泉がある。もっとも温度の高い熱水泉ヘーヴィーズ湖を有するヨーロッパ有数の「温泉大国」として知られ[13][リンク切れ]、多くの観光客が温泉目当てに押し寄せる[注釈 3]。 トランシルヴァニア地方など、ルーマニアとの国境係争地帯を持っている。
大陸性気候に属する気候は比較的穏やかで、四季もある。緯度が比較的高く、冬は冷え込むが、地中海から海洋性気候の影響を受け、冬も湿潤で曇りがちである。年間平均気温は10°C前後。
ティサ川
ヨーロッパ最大の草原のひとつ(ホルトバージ国立公園)
ハンガリー最高峰のケーケシュ山
中央ヨーロッパ最大のバラトン湖
カルパティア山脈西部に連なるカルスト台地
地方行政区分[ソースを編集]詳細は「ハンガリーの地方行政区画」を参照
ハンガリーは40の地方行政区分に区分される。うち19は郡とも県とも訳されるメジェ (megye) で、20はメジェと同格の都市郡という行政単位(megyei varos)である。なお首都のブダペスト都はいずれにも属さない、独立した自治体である。ハンガリーの地理
西部
ヴァシュ県(ソンバトヘイ)
ザラ県(ザラエゲルセグ)
ショモジ県(カポシュヴァール)
ヴェスプレーム県(ヴェスプレーム)
ジェール・モション・ショプロン県(ジェール)
中部
ヴィシェグラードから眺めるドナウ大曲(ペシュト県)
コマーロム・エステルゴム県(タタバーニャ)
フェイェール県(セーケシュフェヘールヴァール)
ペシュト県(ブダペシュト)
ノーグラード県(シャルゴータールヤーン)
南部
トルナ県(セクサールド)
バラニャ県(ペーチ)
バーチ・キシュクン県(ケチケメート)
チョングラード県(セゲド)
ディオーシュジュール城(ミシュコルツ)
東部
ベーケーシュ県(ベーケーシュチャバ)
ヘヴェシュ県(エゲル)
ハイドゥー・ビハール県(デブレツェン)
ヤース・ナジクン・ソルノク県(ソルノク)
サボルチ・サトマール・ベレグ県(ニーレジハーザ)
ボルショド・アバウーイ・ゼンプレーン県(ミシュコルツ)
旧ハンガリー王国の領土(大ハンガリー)に含まれた地域については、ハンガリー王国の歴史的地域を参照。
主要都市[ソースを編集]詳細は「ハンガリーの都市の一覧」を参照
都市県人口(2011年)[14]