ハワイ諸島
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噴火のタイプはハワイ式と呼ばれ、流動性のある玄武岩溶岩が流れ出すもので、環太平洋地域で見られる安山岩の激しく危険な噴火と異なる。

最近の火山活動としては、日本時間2018年5月17日午後11時ごろキラウェア火山が噴火し9千メートル以上の高さにまで噴煙が達した[3]
津波

太平洋海底下で発生した地震が引き起こす津波時速900kmもの速さで何千kmも離れた所まで伝わる。1960年チリ地震による津波はハワイ島ヒロで、その湾形によって波高が10mに増幅され、死者61名、重傷282名を出した。ハワイ諸島の火山活動や大規模地すべりも原因になると考えられる。ハワイ沿岸には津波注意サイレンが設置されている。
地震

ハワイ州はアメリカ合衆国で第3位の地震発生である。地震はもっぱら火山性のもので、最近では2006年10月15日にハワイ島北西海岸でマグニチュード6.7の地震が発生し、5分後に5.7の余震があった。道路や建物に被害が生じ、240km離れたホノルルでも有感であった。いくつかの島で停電になった。全州で災害宣言がなされ、津波警報が発せられたが、死者や重傷者は出なかった。日本時間で2018年5月5日7時32分頃ハワイ諸島にてM6.9の地震が観測された。
気候「風上と風下」(Windward and Leeward)は、ハワイ諸島・オアフ島バスの行き先表示(左側)での分類にも使われている(アラモアナセンター付近で)

ハワイ諸島は北緯20度前後にあり、温暖な気候の晴天が続く。北東貿易風が年間を通じて卓越し、一般に4月?9月が乾季、10月?3月が雨季といわれるが、各島によって違う。結果として、世界的に稀少な熱帯夏季少雨気候(As)がハワイ諸島の大部分を占める。

ハワイ島マウイ島などの中央に高い山がある島では、北東貿易風が山にぶつかり雨雲を発生させるために、島の北東側斜面(例えばハワイ島のヒロ)は湿潤で雨量が極めて多く、他方で島の南西側斜面(コナ)では雨量が少なく乾燥する。しかし雨季といっても日本の梅雨のように雨が降り続くことはなく、また昼間晴れていても午後遅くにはスコールで大雨が降り、そのあとは晴天になることが多い。 [4]

各島で「風上と風下」の考え方は日常生活にも普及していて、オアフ島のバスの行き先に風上方面(北東)の何々行き、風下方面(南西)の何々行きなどと表示されている[注釈 1]
ハリケーン

7月から12月にかけて、メキシコカリフォルニア半島沖で発生した熱帯低気圧が西に進んで、ハワイ諸島を襲うことがある。しかし、海水温が比較的低い東太平洋を移動するうちに弱まるため、ハリケーンクラスで襲ったものは過去63年間に4回しかなく、それより弱い熱帯低気圧が多い。
生物相

一般に海洋島は他の陸塊との連絡を持つことがないため、そこに棲息する生物は海を越えて到着することの出来る限られたものに由来し、それがその地で独自に種分化した結果となる。したがってその生物相は大陸のそれにくらべて大きく偏りがあり、また少数の種のみしか存在しない環境で種分化が繰り返される結果として大きな適応放散が見られる例が多い。ハワイ諸島はその著しい例でもあり、きわめて多くの固有種を持っていた。ただし、現在では広範囲に移入種が広がり、原生自然はひどく損害を受けている。移入は偶発的なものもあるが、積極的に人の手で行われた例も多い[5]

鳥類では海鳥を別にすると、在来の種が77種あるが、1種をのぞいて固有種である。特にハワイミツスイ類はすべて固有種で、45種がある。時に科としてまとめられることがあり、その場合、科のレベルで固有となる。他方でほ乳類では在来種はコウモリの1種しかなく、それ以外のすべてのものは人間が持ち込んだものである。

陸産貝類は1000種以上の固有種がある。これらは10科37属に分類され、そのうち19属がこの諸島に固有である。

クモ類では世界の科100あまりの内でわずか10科しかなく(琉球列島には45科)、中でもヒメグモ科イソウロウグモ属やアシナガグモ科アシナガグモ属カニグモ科ハナグモ属で大規模な適応放散が見られる[6]

昆虫では分類群毎のバランスが崩れているのが大きな特徴となっている。たとえばコウチュウ目の重要な群であるカミキリムシ科とハムシ科は、多くの地域で同程度の種数を抱えるが、この地域ではカミキリムシ科に1000種以上の固有種があるのに対して、ハムシ科では固有種がない。また、セミが完全に欠ける。

植物では自生種が1800種ほど、そのうちシダ植物が200種ほどである。その内の85%がこの諸島の固有種である。特に適応放散が著しいのがキキョウ科(あるいはサワギキョウ科)のキアネア Cyanea 属とイワタバコ科のミズビワソウ属である。前者では背の低い多年草からヤシのような外見の高さ10mに達する高木までがある[7]

熱帯雨林から砂漠地帯の低木林汀線から高山までの様々な生態系があるため、ハレアカラ国立公園ハワイ火山国立公園一帯は1980年にユネスコ生物圏保護区に指定された。近年はカナリア諸島アゾレス諸島原産のミリカ・ファヤ(英語版)が外来種として侵入している[8]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 京都市京都御所方向を「上ル」、羅城門方向を「下ル」と呼ぶのと同じ。

出典^ https://en.wiktionary.org/wiki/Hawaii 英語にとっても外来地名なので、発音にはかなりの幅がある。
^ 『Vaka Moana, Voyages of the Ancestors: The Discovery and Settlement of the Pacific』 Bateman/Hawai'i University Press、2006年。
^ キラウエア火山が爆発的噴火、噴煙は最大規模(YOMIURI ONLINE)
^ハワイの気候・天候概要
^ 以下、主として木元(1979)p20-22による。
^ これについてはアシナガグモ属を参照
^ 小野(1994)p.127-129
^ “Hawaiian Islands Biosphere Reserve, United States of America” (英語). UNESCO (2019年6月). 2023年2月19日閲覧。

参考文献

この節の加筆が望まれています。


木元新作『南の島の生きものたち 島の生物地理学』(1979)・科学ブックス(共立出版)

小野幹雄、『孤島の生物たち ?ガラパゴスと小笠原?』、(1994)、岩波書店(岩波新書)

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