ハワイ島
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活火山であるキラウエア(2008年5月撮影)

最大寸法で、ハワイ島は差し渡しが150 km、10,432.5 km2の陸地面積を持ち[4]、全ハワイ諸島を合わせた面積の62%を占める。島中央部にはマウナ・ケア海抜4,205 m)とマウナ・ロア(海抜4,169 m)の2つの4000 m級火山がある。ギネスブックの認定によると、海洋底の基部から測った高さでは、マウナ・ケアが10,203 mで世界で最も高い山である。マウナケア山頂付近は、天候が安定し、空気が澄んでいることもあり、世界各国の研究機関が天文台を設置、日本国立天文台が設置したすばる望遠鏡もここにある。また、山頂では常夏の島でありながら冬場には積雪も見られる。ヒロ絵葉書明治時代

マウナ・ロアとキラウエアは活火山であるため、ハワイ島は今でも成長し続けている。1983年1月から2002年9月までの間に、キラウエア火山からの熔岩流が海岸を海側に延ばしたことによって220 haの陸地が加えられた。現代にもいくつかの町がキラウエアの溶岩流によって破壊された。1960年にカポホ(英語版)、1990年にカラパナ(英語版)とカイムー(英語版)が破壊された。カラパナ地域には深いL字型の巨大な淡水プールがあって島では「女王の浴槽(英語版)」と呼ばれていたが、1987年に熔岩によって流されてしまった。海へと流れるキラウエアの赤い熔岩から立ち上る蒸気(2008年4月撮影)

ハワイはハワイ弧状列島の最南端に位置し、アメリカ合衆国で最南端地点のカ・ラエ岬を含む。さらに南に行くと、最も近い着陸可能な島はライン諸島である。北にはマウイ島があり、アレヌイハラ海峡を挟んでハレアカラ(東マウイ火山)を見ることができる。

ハワイ島の南東岸から29 kmのところにはロイヒ海山と呼ばれる海底火山がある。ロイヒは太平洋の海面下975 mで活発な噴火を続けている。ロイヒは継続して火山活動を続け、ついに山頂が海水準を突き破り、その後に海面上でもキラウエアとつながり、ハワイ島にさらなる陸地領域を付加すると考えられている。このイベントは現在のところ数万年後の未来に起こると予言されている。

ヒリナ地滑り(英語版)(グレート・クラックとも呼ばれる)は長さ13 km、幅18 m、深さ18 mの深い裂け目であり、ハワイ島のカウ地区にある。グレート・クラックはたくさんある一連の裂け目の一つであり、噴火によって形成された割れ目であって、実際には南西割れ目帯の延長である。しばしばこれらの割れ目は火山噴火の地点となり、ときには割れ目が深く大きく破砕されて島の塊を海に落下させることもある。

グレート・クラックがハワイ島の南麓が島の残りの部分から離れるように動いた結果と考える人もいる。推測に富む話では、ある日、もしかしたらすぐに、島の大きな塊が崩れ海洋へと落下し、巨大な津波地震を引き起こす。これは実際にはおよそ1万年ごとに起こり、可能性の範疇の話ではない。他の人たちはグレート・クラックは島を分離させる断層ではなく、マグマが割れ目帯へ向かって押し進んでいるために地殻がわずかに離れるように動いた結果として、おそらく数万年前に造られたと考えている。グレート・クラックは継続して測定されていて道も通っているが、いかなる拡張の兆候も見せてないし、この地点で島がシフトしている様子もない。さらに、グレート・クラックの壁は相対する部分で完全に形が合っており、これがかつてつながっていた地面が広がったものであることを証明する。

グレート・クラックの近くからは12世紀にさかのぼる道、岩壁、および、考古学遺跡が見つかっている。これらの発見物の多くがフェンスの公園側にある。フェンスの向こう側の約7.90 km2の私有地が、特にこの領域にあるさまざまな遺跡とウミガメの棲息地を保護するために、ビル・クリントン大統領の時代に購入された。ところが、グレート・クラックの端近くはフェンスの外側の領域であり、公園の一部ではないにもかかわらず多くの考古学遺跡がある。

1823年、非常に流動的な熔岩流がグレート・クラックの10 kmにわたる部分から流れてきてそれを海まで運んだ。ハワイ火山国立公園で太平洋に流れ込む熔岩。島の面積を広げた。
2005年4月撮影。

1868年4月2日、この地域をマグニチュード7.25から7.75と推定される地震が襲い、ハワイ島の南東岸を揺らした。それはパハラから8 km北でマウナ・ロア斜面の地滑りを引き起こし31人の死者を出した。津波でさらに46人が命を落とした。プナルウ、ニノレ、カワア、ホヌアポ、および、ケアウホウ・ランディングなどの村が深刻な損害を被った。ある人の話によると、津波は「たぶん60フィート (18 m) の高さはあった、ココナッツの木のてっぺんを越えて襲ってきた。…(中略)… 津波が引くときに場所によっては4分の1マイル (400 m) の距離も内陸までが、家、男、女、ほとんど全ての動くものが海に持ってかれた」。

1975年11月29日、ヒリナ地滑りの幅60 kmの区画が海に向かって3 m崩落し、この崩れを8 m広げた。この移動はマグニチュード7.2の地震と高さ10 mの津波を引き起こした。プナルウに土台のある海に面した土地は洗い流された。ハナペで2人の死者と19人の怪我人が報告された。

ハワイ島の北東岸はチリおよびアラスカの地震が引き起こした津波の損害も被ってきた。ヒロの市街地は1946年アリューシャン地震)と1960年チリ地震)に深刻な損害を受け多くの死者を出した。ラウパホエホエだけでも16人の学校児童と5人の教師が1946年の津波で失われた。
気候

ハワイ諸島の気候は一般に風が東から西へ吹いており、ハワイ島も風上の(東側)は多雨地帯で、ハワイ州最長のワイルク川もここにあり、伝統的に農業が盛んで、同島最大の町ヒロがある。風下(西側)は乾燥地帯で、観光業の中心の町カイルア・コナがある。
姉妹都市・提携都市
姉妹都市


湯梨浜町日本国 鳥取県1996年(平成8年)11月17日 姉妹都市提携(旧羽合町)

洲本市日本国 兵庫県2000年(平成12年)11月21日 姉妹都市提携

地域

ハワイ島の伝統的な地域区分は6地区 (district) であったが、ヒロ、コナ、コハラ地区 (district) がノース(北)とサウス(南)に分けて現在は9つの地区からなる。

右地図の
番号地区面積
(mi2)人口
(2000)伝統的な
地区地図
1
プナ499.4531335プナ
2サウス・ヒロ394.3847386ヒロ
3ノース・ヒロ370.651720ヒロ
4ハマクア580.506108ハマクア
5ノース・コハラ132.926038コハラ
6サウス・コハラ351.7213131コハラ
7ノース・コナ489.0128543コナ
8サウス・コナ335.388589コナ
9カウ922.225827カウ
 ハワイ郡4028.021486776のモク


ヒロ
東部のヒロは、2000年度の国勢調査で人口40,759人と、ハワイ島で一番大きな都市であり、ノース・ヒロとサウス・ヒロに分かれている。州の中でも2番目に大きな都市で、ヒロはハワイ郡郡庁所在地でもある。ヒロにはハワイ大学ヒロ校が設置されている。ハワイ大学ヒロ校は航海カヌー「ホクアラカイ (Hokualaka'i)」を運行するなど、先住ハワイ人文化の研究と教育の中心である。ヒロ国際空港があり、ハワイアン航空によるホノルル国際空港からの定期便も頻繁に運航されている。

コナ
コナは西部に位置し、ノース・コナとサウス・コナに分かれている。ハワイ島で2番目に大きな都市であるカイルア・コナがある。国際線も発着するコナ国際空港があり、ハワイ島西岸に点在するビッグアイランドの多くのホテルへのゲートウェーである。

プナ
東部に位置するプナは、ハワイ火山国立公園を有し、熔岩の潮だまりや熔岩樹型などが見られるほか、その恩恵を受けたサウナや温水池が特徴として挙げられる[5]

カウ
南部に位置するカウには、アメリカ合衆国の最南端でもあるカ・ラエ(英語名:サウスポイント)がある。ポリネシア人が初めて上陸した地であり、「ハワイのすべての起源」として知られている[6]


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