ハリケーン
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この海域では、1982年から名前リストが使用されている。名前リストで使用されるアルファベットはA・E・H・I・K・L・M・N・O・P・U・W、つまり、ハワイ語のアルファベット(「?」以外)である。名前の大半はハワイ語の単語だが、1/3ほどはハワイ語の辞書に載っていない[7]。名前の意味は公表されていない。

名前リストは4列(4×12)。大西洋北部・太平洋北東部のように年ごとに次のリストのAから命名されるのではなく、台風のアジア名のように(実際は台風がこちらに倣った)翌年の最初の名前は前年の最後の名前の次から命名される。例えば、1987年の最後の名前はPekeだったので1988年の最初の名前はUlekiとなった。名前リストの最後に到達した場合に、次のリストの最初に戻って命名される。
大西洋南部

これまで、大西洋南部ではハリケーンは発生しないとされていた。大西洋南部は世界に6か所ある熱帯低気圧の国際監視・予報センターのいずれも監視していない海域であり、国際名はつけられず、ハリケーンと呼ぶかどうかも定まっていない。

しかし2004年ブラジル沖でハリケーンらしきものが発生した。これが本当にハリケーンかどうか議論の余地もあるが、一部の研究者がアメリカの静止気象衛星GOESの画像を検証した結果、最大風速85kt程度のハリケーンであると結論づけている。ただし地元ブラジルのマスコミが上陸地の名前をとって「カタリーナ(Catarina)」と呼び、この名前が一般的に使われるようになった。

2011年ブラジル海軍 Centro de Hidrografia が、南大西洋(ただし範囲はRSMC整合性がない)の熱帯低気圧・亜熱帯低気圧に命名を始めた[8]。RSMCの機関ではないので国際名ではなく、台風番号フィリピン名のような国内名に該当するが、他に名前がないので国際的に使われている。名前リストはA・B・C・D・E・G・I・J・K・M・O・P・R・U・Yから始まる15の名前からなる1列のみで、年初にAに戻らずに続けて使用され、最後まで使うとAに戻る(ただしまだ使い切っていない)。命名条件はハリケーンより緩く、ハリケーン(あるいはハリケーン相当の熱帯低気圧)は2019年のIbaが初めてである[9]
越境した場合

大西洋北部で発生した熱帯低気圧がトロピカル・ストーム以上の強度で太平洋北東部に越境した場合、国際名は新たに太平洋北東部の名前リストのものとなる。逆に太平洋北東部で発生したものが大西洋北部に越境した場合、大西洋北部の名前リストのものとなる。例えば(前者の例)、1971年に大西洋北部で発生したIreneはニカラグアを直撃後、海上に抜けて太平洋北東部に越境しOliviaという国際名に変わる使用になっていた。しかし、2022年の大西洋北部で発生したBonnieはニカラグアを直撃後も、同じ国際名のBonnieを使用し続けた。これ以降のハリケーンは大西洋を越境しても国際名が変更されることはなくなった。

太平洋北中部や太平洋北東部で発生した熱帯低気圧がトロピカル・ストーム以上の強度で180度以西に到達した場合は台風となるが、国際名は発生当時のものがそのまま使用される。例えば、1986年に太平洋北東部で発生したGeorgetteは、国際名・Georgetteを持つ台風198611号となった。また1997年に太平洋北中部で発生したOliwaは、国際名Oliwaを持つ台風199719号となった。

ちなみに、事例はないが大西洋から越境したハリケーン(もしくはトロピカル・ストーム)が、太平洋北東部へ越境しさらに太平洋北中部へ越境し、東経180度以西へ到達した場合も同じ国際名が使用されることになっている。
引退

顕著な影響を与えたものについては名前リストから削除され、次回からは別の名前が使用される。例えば、大西洋北部では1992年のAndrewは1998年にはAlexに変更された。また太平洋北中部では、1992年のInikiはIolanaに変更された。その性質上「永久欠名」となるハリケーンは必然的に大型ハリケーン(カテゴリー3以上)が多いが、ハリケーンそのものの強さとは関係がなくあくまでも被害の大きさが基準とされる。例えば、2001年6月にヒューストンをはじめとするテキサス州南東部に大洪水をもたらしたAllisonはカテゴリー1にすら達さないトロピカル・ストームの強度でありながらその被害が大きかったため、Allisonは名前リストから削除され2007年以降はAndreaに置き換えられた。

しかし、このやり方ではハリケーン・イオタのような通常の命名リストを使い果たした代わりにギリシャ文字で命名されたハリケーンは、大きな被害を出したとしても名前を引退させることは出来なかったため、WMOは2020年に予備命名リストを作成した。これによりギリシャ文字の名前は以後使われなくなり、次に命名リストを使い果たした場合は予備命名リストより命名を行い、そこから被害が出たハリケーンの名前を引退させるという方針に切り替えられた。
大西洋北部のハリケーン命名リスト

2019年以降の大西洋北部のハリケーン命名リストは、以下のようになっている[10]

発音についてはNOAAの資料を参照。

2019年2020年2021年2022年2023年2024年予備命名リスト
AndreaArthurAnaAlexArleneAlbertoAdria
BarryBerthaBillBonnieBretBerylBreylen
ChantalCristobalClaudetteColinCindyChrisCaridad
DorianDollyDannyDanielleDonDebbyDeshown
ErinEdouardElsaEarlEmilyErnestoEmery
FernandFayFredFionaFranklinFrancineFoster
GabrielleGonzaloGraceGastonGertGordonGemma
HumbertoHannaHenriHermineHaroldHeleneHeath
ImeldaIsaiasIdaIanIdaliaIsaacIsla
JerryJosephineJulianJuliaJoseJoyceJacobus
KarenKyleKateKarlKatiaKirkKenzie
LorenzoLauraLarryLisaLeeLeslieLucio
MelissaMarcoMindyMartinMargotMiltonMakeyla
NestorNanaNicholasNicoleNigelNadineNolan
OlgaOmarOdetteOwenOpheliaOscarOrlanda
PabloPaulettePeterPaulaPhilippePattyPax
RebekahReneRoseRichardRinaRafaelRonin


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