エジプト政府は、ハラーイブ・トライアングルの北に接するアル・シャラテーンに設置していた国境交易センターを閉鎖し、これを北緯22度線上の入国管理所の近くに移転する措置をとった。移転された交易センターは拡張され、取引を扱う人員も増強された。このため、スーダンからエジプトへ商品を運び込む場合、かつてのようにアル・シャラテーンで荷を降ろすことは許されなくなった。ハラーイブの南東にあるハダルバが「国境」交易ポイントとなることでエジプトによる地域の実効支配が強化されている。
2009年、エジプトの電力当局は、アル・シャラテーンで現在使われている発電機に替え、エジプトの幹線電力網からの支線を延ばす工事を行っている。この電線は、アブー・ラマドやハラーイブにも延伸される予定となっている。
エジプトのシシ政権は2016年、この地域に18の金鉱山があると発表。2017年7月には紅海沿岸で港の建設も始めた。これに対してスーダン政府は交渉を要求し、エジプトが拒否する場合は国際司法裁判所への提訴や、スーダンが上流を領有するナイル川の流水制限といった措置をとる方針を示唆している[3]。
なお、西隣のビル・タウィールは、ハライブを自国領とする国境線を採用すると国境外になる地域であるため、両国とも領有権を否認。第三国も含めていずれの国も領有権を主張していない無主地となっている。
脚注^ CIA World Fact Book - Egypt
^ ⇒Egypt, Algeria and Tunisia Accuse Sudan, as Hala'ib Dispute Flares Up, Washington Report, February 1993, Page 33
^ a b 【ワールドビュー】資源で領土紛争一変『読売新聞』朝刊2017年8月6日(国際面)
^ ⇒A View of Sudan from Africa: Monthly Briefing, 08-02 August 2002 , The Machakos Protocol
^ ⇒"Egypt bars Sudanese official from entering disputed border region: report", Sudan Tribine (10 December 2009)
関連項目
ハライブ
ビル・タウィール
Wadi Halfa Salient
紅海県(EGY)
ハラーイブ・トライアングル
ビル・タウィール紅海州(SDN)