ハラーイブ・トライアングル
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エジプトとスーダンの間でこの問題についての交渉が始まったが、カナダの企業はこの地域の主権が確定するまで撤退することとした[2]

エジプトのムバラク大統領(当時)は「自らの暗殺未遂事件にスーダンが関与した」と主張して1995年、軍部隊を派遣してハラーイブを支配下に置いた。両国の武力衝突も起きたが[3]2000年1月にスーダンはこの地域から軍を撤退させた。これ以降、ハラーイブ・トライアングルはエジプト軍占領・管理している[4]

2004年、スーダンのバシール大統領は、ハラーイブ・トライアングルが依然としてスーダンに属する領土であると言明した。2009年10月、スーダンの選挙管理委員会は、2010年4月の総選挙を前にハラーイブ・トライアングルが紅海州(スーダン)に属する一選挙区であるとし、住民に選挙人登録を行ってスーダン憲法の認める権利を行使するよう呼びかけた。しかし、スーダンの選挙管理委員会が派遣した要員はエジプト当局によって入境を拒否されたため、ハラーイブ・トライアングルでの選挙人登録は行われなかった。2009年12月には、スーダンの大統領補佐官 Musa Mohamed Ahmed が入境を拒否されている[5]

エジプト政府は、ハラーイブ・トライアングルの北に接するアル・シャラテーンに設置していた国境交易センターを閉鎖し、これを北緯22度線上の入国管理所の近くに移転する措置をとった。移転された交易センターは拡張され、取引を扱う人員も増強された。このため、スーダンからエジプトへ商品を運び込む場合、かつてのようにアル・シャラテーンで荷を降ろすことは許されなくなった。ハラーイブの南東にあるハダルバが「国境」交易ポイントとなることでエジプトによる地域の実効支配が強化されている。

2009年、エジプトの電力当局は、アル・シャラテーンで現在使われている発電機に替え、エジプトの幹線電力網からの支線を延ばす工事を行っている。この電線は、アブー・ラマドやハラーイブにも延伸される予定となっている。

エジプトのシシ政権は2016年、この地域に18の鉱山があると発表。2017年7月には紅海沿岸での建設も始めた。これに対してスーダン政府は交渉を要求し、エジプトが拒否する場合は国際司法裁判所への提訴や、スーダンが上流を領有するナイル川の流水制限といった措置をとる方針を示唆している[3]

なお、西隣のビル・タウィールは、ハライブを自国領とする国境線を採用すると国境外になる地域であるため、両国とも領有権を否認。第三国も含めていずれの国も領有権を主張していない無主地となっている。
脚注^ CIA World Fact Book - Egypt
^Egypt, Algeria and Tunisia Accuse Sudan, as Hala'ib Dispute Flares Up, Washington Report, February 1993, Page 33
^ a b 【ワールドビュー】資源で領土紛争一変『読売新聞』朝刊2017年8月6日(国際面)
^A View of Sudan from Africa: Monthly Briefing, 08-02 August 2002 , The Machakos Protocol
^"Egypt bars Sudanese official from entering disputed border region: report", Sudan Tribine (10 December 2009)

関連項目

ハライブ

ビル・タウィール

Wadi Halfa Salient

紅海県EGY

   ハラーイブ・トライアングル   

ビル・タウィール紅海州SDN


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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