ハバナ
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ハバナは、1902年のキューバ共和国の独立により、キューバの首都となった。独立以前からキューバへの投資の多くはアメリカ合衆国資本だったが、独立以降この動きがさらに進んだ。1920年代にアメリカ合衆国で禁酒法が施行されると、アメリカ人たちは享楽を求めてハバナを訪れるようになった。その結果、ハバナにはアメリカ人富豪の別荘が多く立ち並び、多くの観光客によって高級クラブやカジノがにぎわうリゾート歓楽都市として大発展した。ただし、こういった娯楽施設のほとんどは、1959年キューバ革命に伴って閉鎖された。

1959年のキューバ革命によるバティスタ政権崩壊と共産党革命政権樹立後も、キューバの首都としてのハバナの位置は引き続き変わらなかった。むしろ革命政府は、ハバナをキューバ社会主義建設の中心地たる生産都市へと変えるべく、「大ハバナ都市圏」として住宅地帯、新工業地帯、自然公園などの都市整備をはかる都市計画を実施した。その結果、1960年代に市内の商店とホテルが国営化され、大邸宅はことごとく学校や公共建物に流用された。また、バティスタ政権下ではコロンビア兵営だった施設は教育センターに、旧大統領宮殿は革命博物館に変えられた。

植民地時代の1550年から1898年までのハバナ市議会による法令は2023年に世界の記憶に登録された[3]
気候

ハバナの平均気温は25°Cで、亜熱帯気候に属する。年間降水量は1189mmで、5月?11月は湿度が高い。キューバはハリケーンの通り道にあたるため、ハバナも被害を受けることが多い。近年では2005年7月にもハリケーンの直撃による被害を受けている。ケッペンの気候区分ではサバナ気候(Aw)と熱帯モンスーン気候(Am)の境にある。

ハバナの気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
平均最高気温 °C (°F)25.8
(78.4)26.1
(79)27.6
(81.7)28.6
(83.5)29.8
(85.6)30.5
(86.9)31.3
(88.3)31.6
(88.9)31.0
(87.8)29.2
(84.6)27.7
(81.9)26.5
(79.7)28.8
(83.8)
日平均気温 °C (°F)22.2
(72)22.4
(72.3)23.7
(74.7)24.8
(76.6)26.1
(79)27.0
(80.6)27.6
(81.7)27.9
(82.2)27.4
(81.3)26.1
(79)24.5
(76.1)23.0
(73.4)25.2
(77.4)
平均最低気温 °C (°F)18.6
(65.5)18.6
(65.5)19.7
(67.5)20.9
(69.6)22.4
(72.3)23.4
(74.1)23.8
(74.8)24.1
(75.4)23.8
(74.8)23.0
(73.4)21.3
(70.3)19.5
(67.1)21.6
(70.9)
雨量 mm (inch)64.4
(2.535)68.6
(2.701)46.2
(1.819)53.7
(2.114)98.0
(3.858)182.3
(7.177)105.6
(4.157)99.6
(3.921)144.4
(5.685)180.5
(7.106)88.3
(3.476)57.6
(2.268)1,189.2
(46.817)
平均降雨日数 (?1.0 mm)55336107910116580
湿度75747372757778787980777576.1
出典:World Meteorological Organisation (UN),[4] Climate-Charts.com[5]

文化ハバナの衛星写真

ハバナ旧市街は全盛期のスペインコロニアル様式が完全に保存されており、1982年に旧市街などが世界遺産に登録された。スコットランドグラスゴーとは姉妹都市関係を結んでいる。

文豪アーネスト・ヘミングウェイがこよなく愛した街としてもよく知られる。ヘミングウェイは晩年をこの街で暮らし、名作『老人と海』をここで書き上げた。市南東部郊外には、ヘミングウェイの記念館がある。
都市の現況及び主要施設

ハバナ港はキューバ最大の貿易港で、キューバが輸入した品の約90%が同港からキューバ国内に持ち込まれる。また、主にハバナ周辺で栽培されるタバコサトウキビが同港から輸出されている。

最近では観光事業振興にも力を傾けており、主に旧ソ連ヨーロッパカナダなどから観光客が集まってくる。17世紀?18世紀にかけて建設されたハバナ湾西部の半島部を占める旧市街地は、白い建物が多いスペイン風の美しい街並みで、今なおスペイン植民地時代以来の歴史的遺物が残っている。

旧市街地の西方にある広大な新市街地は、第一次世界大戦後のアメリカ及びキューバの資本家や、バティスタ政権の政府要員の高級住宅地として開発された地で、広い道路と近代的な高層ビルが立ち並んでいる。旧市街地と新市街地の間には、革命広場がある。また、小規模ながら中華街が存在しており、中国系キューバ人が住んでおり、中華レストランがいくつかある。

ホセ・マルティ国際空港 - ハバナ中心街から南方約14kmの地点にある。フラッグ・キャリアクバーナ航空などによりロシアフランススペインカナダメキシコならびに近隣カリブ海諸国との間に定期便が就航している。

ハバナ大学

ハバナ市博物館 - スペイン植民地時代に、スペイン総督官邸だった建物を流用。

革命博物館 - 1920年?1960年大統領官邸だった建物を流用。

革命宮殿 - キューバ共産党中央委員会本部、国家評議会、閣僚評議会が置かれ、国政の中枢となっている。

ガルシア・ロルカ劇場

カテドラル(司教座大聖堂)

モーロ要塞 - かつて国営警備隊の兵舎だった施設。

フエルサ要塞 - アメリカ大陸で2番目に古い欧州人の建物。

革命広場 - ホセ・マルティの銅像が建っているホセ・マルティ・メモリアルで知られる。

ハバナ国立美術館 - 美術館

ハバナを舞台にした映画

低開発の記憶
- トマス・グティエレス・アレア監督、1968年

ハバナ - シドニー・ポラック監督、1990年

苺とチョコレート - トマス・グティエレス・アレア、フアン・カルロス・タビオ共同監督、1994年

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ - ヴィム・ヴェンダース監督、1999年

永遠のハバナ- フェルナンド・ペレス監督、2003年

ダンシング・ハバナ - ガイ・ファーランド監督、2004年

ハバナ出身の人物「Category:ハバナ出身の人物」も参照

ホセ・ラウル・カパブランカ - チェスプレーヤー

アレホ・カルペンティエル - 作家

アンディ・ガルシア - 俳優

アルベルト・コルダ - 写真家

カミロ・シエンフェゴス - 革命家

ダイーナ・チャビアーノ - 作家

チャノ・ポソ - パーカッショニスト

ホセ・マルティ - 詩人、ジャーナリスト、劇作家、革命家、キューバ独立の父

イリアナ・ロス・レイティネン - アメリカ合衆国に亡命、共和党所属の政治家

オラシオ・グティエレス - ピアニスト


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