ハクジラ類
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食性は主に魚類を捕食するが、アカボウクジラ科マイルカ科のクジラやイルカのように、深海凄のイカ類に依存するものも多く、トックリクジラマッコウクジラハナゴンドウのようにほぼイカ類を捕食する種類もいる。また、シャチはイルカや自分より大型のクジラ、アザラシペンギンサメなどを襲う事もある。
進化

ハクジラ類はヒゲクジラ類とともに正鯨類を構成するが、その起源は漸新世後期に求められる。その祖先は所謂「ムカシクジラ類」のドルドンなどに近縁なグループであった。

現生群こそ「ハ」クジラと呼ばれているが、先述の様に最初期のヒゲクジラ類も歯を持っており、歯があるからといってハクジラと同定される訳ではない。このグループを特徴付けるのは高周波エコロケーション能力であり[4]、これを行う事の出来る、上顎骨の伸長(テレスコーピング)やメロンを収める窪みなどの頭骨の形態が分類の決め手である。[8]最初期のハクジラとしては、アゴロフィウス上科および科分類無しでハクジラ類直下に置かれる幾つかの属が知られる[12]。次いで分岐したのが、現生種マッコウクジラなどを含むマッコウクジラ上科である。この群にはマッコウクジラ科及びコマッコウ科が含まれる。研究者によってはアカボウクジラ科を含める場合があるが、最近の遺伝子研究によるデータでは、アカボウクジラ科は含まれないとする結果が出ている[13]。また、他のハクジラよりもヒゲクジラに近縁とする説も存在したが、これも否定的な結果となった[14]。マッコウクジラ科最古の化石は漸新世後期から出土しており、極めて古い系統である事が裏付けられている。一方のコマッコウ科は化石記録が乏しく、いつ頃出現したかは定かではない。[15]次いで分岐したのはアカボウクジラ科であるが、中新世中期以降多数の化石が発見されている[13]。これ以降カワイルカなど幾つかのグループが現れているが、これらの分類は未だ流動的である[16]

現生3科、絶滅3科を含む最大のグループであるマイルカ上科は漸新世末期に現れたとされる。初期に栄えたケンドリオン科は現生マイルカ科の祖先を含むとされる。またアルビレオ科は独特の形態を具えた絶滅群である。[17]最大のグループであるマイルカ科は中新世に現れている。[18]また、ネズミイルカ科は分子研究によれば約1,600万 - 1,300万年前にマイルカ科から分岐したとされるが、この時期は化石記録とも一致している。現生群の、丸みを帯び、相対的にが短く脳函が大きい、また小柄であるなどの特徴は幼形成熟によるものとの説もある。[19]イッカク科は中新世後期に現れたグループで、イッカクは雄が長い角(伸びた左上顎切歯)を持つ事で知られている。これと近縁な(イッカク科に含められる事もある)絶滅群にオドベノケトプス科が存在するが、雄の右上顎切歯が著しく下方へ伸長する事が知られている。[20]
分類
系統

ヒゲクジラ類の14種に対し、60種以上とハクジラ類は種類が多い。マッコウクジラなどを除けば、イルカなど小型種が大半を占める。

かつてはカワイルカを総括するカワイルカ上科 Physeteridae を置くことがあったが、側系統であることがわかり分割された。.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}

鯨類

ヒゲクジラ類

ハクジラ類

マッコウクジラ上科

マッコウクジラ科

コマッコウ科



アカボウクジラ科

インドカワイルカ科

ヨウスコウカワイルカ科

アマゾンカワイルカ上科

アマゾンカワイルカ科

ラプラタカワイルカ科





マイルカ上科

マイルカ科

ゴンドウクジラ亜科

シャチ亜科

セミイルカ亜科

マイルカ亜科

シワハイルカ亜科









ネズミイルカ科

イッカク科
















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