2020年4月にメトロ・ゴールドウィン・メイヤーが映画化権(英語版)を取得した[1]。同年8月までにアダム・ドライバー、ジャレッド・レト、アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ、ジャック・ヒューストン、リーヴ・カーニー(英語版)が出演交渉に入ったことが報じられた[15]。10月までにドライバー、レト、パチーノ、デ・ニーロの出演が決まった[16]。12月にはヒューストン、カーニー、ジェレミー・アイアンズの出演が決まったものの、デ・ニーロが降板したことが報じられた[17][18]。また、同月にダリウス・ウォルスキーが撮影監督に起用され[19]、2021年1月にはカミーユ・コッタンの出演が決まった[20]。同年3月にはマダリーナ・ディアナ・ゲネア(英語版)、メーディ・ネブー(英語版)、ミロウド・ムーラド・ベナマラ(英語版)の出演が決まり[21][22]、さらにサルマ・ハエック(グッチの親会社ケリングCEOのフランソワ・アンリ・ピノーの妻)の出演も決まった[23]。
2020年8月、『ハウス・オブ・グッチ』の撮影はリドリー・スコットが『最後の決闘裁判』を撮り終えた後に開始されることが報じられた[1]。2021年2月3日、ジャレッド・レトは『ハウス・オブ・グッチ』がプリプロダクションの段階であり、数週間のうちにイタリアで撮影が開始されるだろうとコメントした[24]。主要撮影は同月下旬に新型コロナウイルス感染症対策を施したうえで、ローマで始まった[25][26][27]。3月初旬にグレッソネイ=サン=ジャンとグレッソネイ=ラ=トリニテで複数のシーンが撮影され、ヴァッレ・ダオスタ州にあるアルプス山脈のアオスタ渓谷ではスイス・サンモリッツの観光施設のシーンが撮影された[28]。この他にもフィレンツェ、コモ湖、ミラノでも撮影が行われた[29]。3月下旬にはローマのコンドッティ通り(英語版)で撮影が行われ[30]、5月8日に全ての撮影が終了した[31]。
レディー・ガガはパトリツィア役を演じる際、長年の友人であるイタリア系アメリカ人のトニー・ベネットが「映画の中でイタリア人が犯罪者という側面から表現されていることをどう感じるか」という点を考慮し、「パトリツィアをカリカチュアではなく、現実の人物として演じること」を目指したと語っている[32]。彼女はパトリツィアの声や姿勢を研究し、役作りについて「マウリツィオとイタリア人に敬意を表するためには、私の演技が女性の視点から見て本物であることが一番なのだと感じたのです。イタリア系アメリカ人ではなく、イタリア人女性として」と語っている[32]。